日経ビジネスオンラインスペシャル

第4次産業革命で変わる世界変わらない金の価値

第4次産業革命で変わる世界変わらない金の価値

IoT(モノのインターネット化)やビッグデータ、AI(人工知能)などを活用した技術革新を指す「第4次産業革命」。社会の構造がダイナミックに変化していく中でも、安全資産とされる金の価値は変わらない。世界経済の行方と輝き続ける金の魅力について、経済学者の竹中平蔵氏と、英国ブリオンボールト社の金取引のオンラインサービスを独占媒介代理店として提供するブリオン・ジャパンCEOの平井政光氏が語り合った。

IoT(モノのインターネット化)やビッグデータ、AI(人工知能)などを活用した技術革新を指す「第4次産業革命」。社会の構造がダイナミックに変化していく中でも、安全資産とされる金の価値は変わらない。世界経済の行方と輝き続ける金の魅力について、経済学者の竹中平蔵氏と、英国ブリオンボールト社の金取引のオンラインサービスを独占媒介代理店として提供するブリオン・ジャパンCEOの平井政光氏が語り合った。

天気の良い日にこそ屋根を修理しておけ

天気の良い日にこそ屋根を修理しておけ

平井:世界経済の現状をどうご覧になっていますか?

竹中:先日、ジュネーブで開かれた世界経済フォーラムに出席し、いろいろな人と話してきました。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事をはじめ、皆さん非常に楽観的でした。10年前のリーマン・ショック以降、世界経済は緩やかな回復が続いている。このトレンドは当面続くというのが一般的な見方です。
 ただ、これはもちろん留保条件つきです。朝鮮半島や中東など地政学リスクに加え、米国の保護主義、金利上昇の問題があります。米国で金利が上昇すると世界のお金の流れが変わり、金融市場は不安定化します。それは現在の為替レートや株式市場にも表れており、非常に大きな留意点だと思います。

平井:そこまで楽観できる状況ではないと。

竹中:そうですね。米国政府は減税を行う一方で、中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを行っています。つまり、財政拡大と金融引き締めの組み合わせです。これはレーガノミクスと同じなんですよね。レーガンはこれに規制緩和を加えましたが、トランプ政権が行っているのは経済を押さえつける保護貿易ですから、どこかで悪くなるはずです。
 レーガノミクスでは、政策を是正せざるを得なくなるまでに4年かかりましたが、今回は4年も持たないと思います。ラガルドがよく使う「天気のよい日にこそ屋根を修理しておけ」という言葉をしっかりと肝に銘じておく必要があるでしょう。

対談

チキンレースの金融市場で金を買う動きが強まっている

チキンレースの金融市場で金を買う動きが強まっている

平井:金利が上がってきて、金融市場の良い流れもさすがにもう終わるだろうと思われながらも、なかなか落ちない状況が続いていますね。竹中先生が指摘される危うさは、個人投資家も感じているのではないかと思います。
 というのも、ここ数カ月、金を買う動きが非常に強まっています。金融市場がチキンレースの様相を呈する中で、安全資産とされる金を持つことでリスクを分散させようという意図が見て取れます。

竹中:米国の同時多発テロ事件のときから、金の相場はドルベースで何倍になりましたか?

平井:4倍くらいです。

竹中:金利も配当も生まない資産がそれだけ高くなっているのは驚くべきことです。世界経済の先行きが不透明な中で強いよりどころを求める思いと、第4次産業革命の流れに乗ってハイリスク・ハイリターンの資産に投資したいという思い。その2つがバランスを取ろうとする結果、今の相場につながっているのかもしれませんね。

後編に続く)

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