経営者のためのテクノロジー講座「HRテクノロジー」編 ~AI時代に経営者が考えるべき真の人財活用とは~経営者のためのテクノロジー講座「HRテクノロジー」編 ~AI時代に経営者が考えるべき真の人財活用とは~

深刻な人手不足や働き方改革が、多くの企業の喫緊の経営課題として浮かび上がっている。人事にまつわるこれらの課題を解決する手段のひとつとして、現在大きく注目されているのが、人事とITを融合するHR(Human Resources)テクノロジーである。日経ビジネスオンラインでは、2018年5月31日、HRテクノロジーをテーマに「経営者のためのテクノロジー講座」を開催。HRテクノロジーの概要や技術動向、実践例、具体的なソリューションなどが紹介された。

コーナーストーンオンデマンドジャパン

AIを活用した後継者育成の実践例
アサヒグループホールディングス様事例を踏まえて

人財の育成を中心に、採用から後継者計画まで人財マネジメントをクラウドで提供するコーナーストーン。AIを活用してデータを効率的に分析・可視化し、その分析結果を元に人が判断することで、より効率よく的確な人事考課や人員配置を行うことが可能になる。同社のソリューションをアサヒグループホールディングスが採用。その機能や具体的な利用方法などを紹介する。

AIを活用し未来を予測

コーナーストーンオンデマンドジャパン
ソリューションコンサルタント
浅倉 靖之

コーナーストーンは、「教育で世界を変えたい」というシンプルなアイデアから1999年にアメリカで創業された。現在では世界192カ国で、3,280社、3,600万ユーザーが利用している。それらの多様な顧客に対し、43言語でサポートしている。

コーナーストーンオンデマンドジャパン
ソリューションコンサルタント
浅倉 靖之

冒頭、浅倉氏は「人事戦略を一言でいうと、“企業目標達成のために適切な人財を投入すること”だと解釈しています。そのためには、ビジネス目標とHR戦略が密接に結びつく必要があります」と語る。そして、人事部門は業務遂行に必要なスキルを持った人を適切なタイミングで投入しなければならず、それを実行するためには、まず、各従業員のスキルや過去の学習履歴などのデータが必要だ。それらを元に予測を立て、後継者育成のパイプラインを構築する。

しかし、情報が分散していたり鮮度に問題があるなど、それを実現できる環境が揃っている企業は少ない。浅倉氏はその理由を、「給与情報は人事で管理しているが、それ以外の情報は部門ごとにExcelで管理しているというお客様が少なくありません。また、いわゆる人事給与システムは、今月これだけ働いたからいくら支給する、という過去を見るためのしくみであり、未来を語ることは難しい。限られたリソースの中で、どうやって新しいシステムを導入できるかという問題もあるでしょう」と分析。発想を変えようと、次のように提言する。「もう過去を見たり、未来を推察することに時間を費やすのではなく、AIを活用して未来を予測し、それを活用して適切な判断をしましょう」。

先進的な機能を評価し
アサヒグループホールディングスが採用

コーナーストーンは、ラーニングシステムを提供する「コーナーストーン・ラーニングスイート」、継続的なパフォーマンス管理が可能な「コーナーストーン・パフォーマンススイート」、優秀な人財採用と入社後の支援が行える「コーナーストーン・リクルーティングスイート」、総合人事管理システム「コーナーストーンHRスイート」の4つのカテゴリーで、採用から教育、育成、管理まで総合的に人事部門の業務をサポートする。

そのなかで、AIを活用した未来の予測を実現する機能のひとつが「Employee Growth」である。各従業員の過去の人事評価歴、育成目標に対する達成履歴および今後の目標、学習履歴などを参考に、AIを活用して新たなポジションに対する準備状況を判断したり、今後のキャリアパスを提示する。これらの先進機能を評価し、コーナーストーンの活用を決めたのが、アサヒグループホールディングスだ。

同社は、国内外に多くのグループ会社を持ち、各社にそれぞれ人事部門が存在する。アサヒグループホールディングスでは、全体戦略の策定や各社の人事への指導・支援を行っており、特に重要なミッションのひとつが、次世代を担う幹部人財の育成だ。それを的確かつ効率よく行うため、各社ごとにバラバラに存在していた人財情報を一元管理し、幹部人財の選抜や育成のための情報の可視化や分析を行うと共に、継続的に後継者を育成するための人財育成パイプラインの構築を目指した。

複数のソリューションを比較検討した結果、同社は「Employee Growth」をはじめとするAIを活用した機能の先進性、少人数からスタートできる柔軟性、グローバル対応などを評価し、コーナーストーンのソリューションを選択。分析が可能な「コーナーストーン・インサイト」、評価を行う「コーナーストーン・パフォーマンス」、後継者計画策定をサポートする「コーナーストーン・サクセッション」を導入した。

ポジションの候補者や適合度合いを図示

同社では、まず幹部職300人を対象にスタート。大きく3つの機能を利用している。まず、ポジションを起点に望ましいキャリアパスをAIが提示する「Career Mobility」。そのポジション経験後に就任が考えられるキャリアパスを、可能性の高い順に複数提示する。2つめは、指定したポジションの候補者をAIが提示する「Predictive Succession」である。ポジションを入力すると、そのポジションにふさわしい候補者を過去の就任者の評価やキャリアパスに基づき、準備状況と潜在能力の2軸で定量的に算出。その中で適合度の高い順に複数名提示する。

3つめが前述の「Employee Growth」である。対象者が今後就任できそうなキャリアパスを、複数提示する。キャリアパスは、わかりやすく図示され、線の高さが就任適合度を、線の太さがキャリアパスの可能性、円の大きさが就任機会の多さを表しており、候補者の適合度合いを容易に把握できる。

同社では、コーナーストーンを活用することで、迅速に効率よく人事情報の分析が可能となった。ただし、AIの提案はあくまでも検討材料であり、最終的に判断を下すのは人の仕事だ。「考えることにもっと時間を割いていきたい。あくまでも人が判断する上での参考資料としてAIを使って効率化、可視化することを目的にご利用いただいています」(浅倉氏)。

最後に浅倉氏は、「社内に眠る過去の記憶やデータをたどりながら、グラフ化するといった付帯作業はAIに任せ、皆さまは今後の人財配置や人事戦略を考えることに集中していただきたい」と締めくくった。

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