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企業事例2018年版日本における「働きがいのある会社」ランキング
大規模部門(従業員1000人以上) 13位 日建設計

個々の社員の「経験価値」が、
やりがいと誇りの礎に

「働きがいのある会社」ランキングで、ベストカンパニー(調査・ランキング参加企業の中から一定の水準に達した企業)の常連である日建設計。スペシャリストの多い企業ながら、どのようにして社員の働きがいやモチベーションを高いレベルで維持しているのだろうか。社員同士の連携や連帯感を育む仕組みづくり・仕掛けについて、知恵と工夫、課題などを聞いた。

「働きがいのある会社」調査結果は「誇りは高いが、連帯感は低い傾向」

「『誇り』はダントツで高いのですが、『連帯感』のポイントはやや低い傾向。それが今なお当社の課題です」

東京タワーや東京スカイツリー、東京ミッドタウンなど、国内外の建築デザインや都市計画のプロジェクトに足跡を残してきた日建設計。広報室長・降籏哲人さんは、正直に今の思いを打ち明ける。

今から10数年前、同社ではCS(顧客満足度)調査を定期的に実施していたが、「次はES(従業員満足度)調査」と、自社オリジナルでの社員アンケートを検討した。しかし、客観的な調査として米国で確立していたGPTWの「働きがいのある会社」調査・ランキングのことを知り、参画することにしたという。

日本における「働きがいのある会社」調査・ランキングに同社が初めて参加したのは2010年。大規模部門(従業員1000人以上)において、初参加ながらいきなりベストカンパニー(この年は25社発表/順位非公表)に選ばれた。2016年には6位に、そして直近の2018年では13位に入るなど、これまで参加した6回すべてでベストカンパニーの評価を得ている。それにもかかわらず、冒頭の降籏さんの言葉は、働きがいのさらなる向上を目指そうとする高い次元での苦悩といえる。

社員の「誇り」が毎回高いのは、一人ひとりが専門性の高い知見を持ってさまざまなプロジェクトに関わり、かつ実績を積み重ねてきたことを考えれば、当然の結果といえる。ただ、連帯感に関しては別物のようだ。「社内には実に多くのプロジェクトが同時進行しているので、本来、部門を超えた横のつながりは強いはずです。この連帯感が強くなれば、社員にとってもっと働きがいのあるいい会社になると考えています」。

経営者と社員の対話、評価制度など多彩な仕掛け

2010年の調査ランキングの結果を受けて、さまざまな施策に取り組んできた。亀井忠夫・現社長が2015年の就任時から取り組んだのが、自分を含め経営層が直接社員にメッセージを伝え、意見交換をする「Quarterly Message」というイベントの開催だ。

「年に4回開催し、うち2回は名古屋・大阪・九州を亀井社長と各部門のトップが巡回します。当初は経営情報の報告が主でしたが、最近では亀井社長自ら社員たちにマイクを向けて対話をするようになりました。欠席者や全国の社員のために毎回ライブ中継するほか、イントラネット内のビデオライブラリーでいつでも再視聴することができます」(降籏氏)。約1900人の社員を擁する大企業だが、一人ひとりが「自分ごと」として働く価値を感じられるいい機会となっている。

「評価制度」もユニークだ。社員を評価するのは直属の上司だけではない。社員は「関係評価者」を何人でも選ぶことができる。この関係評価者とは、社員が参加しているプロジェクトのリーダーなどで、複数のプロジェクトに参画していれば、各リーダーに評価してもらうことも可能だ。「プロジェクトに参加すると、直属の上司ではうかがい知れない役割や能力を発揮していることも少なくありません」と降籏氏。1人の社員を多面評価することで公正や公明性を担保するとともに、会社に対する社員の信頼度の向上にもなっている。

アワードや成果品の展示会などで社外や社会からも認められる

社外や社会とのつながりを通じて、社員がやりがいやモチベーションを感じるような仕掛けも数多くある。

1つはアワード(Award、賞)である。意匠設計や構造設計など、国内外のさまざまなアワードへの参加を奨励しており、受賞すれば社外の評価で自分の仕事に誇りと自信を持つことができる。

2つめは、本社1階のギャラリースペースを活用した展示会。設計部門の社員による手描きパースや建築模型などを一定期間展示するもので、自社ホームページで事前告知して一般の人も自由に見学することができる。また、「業界メディアにも記事が掲載されるので、出展した社員たちにとっても大いに刺激になります」(降籏氏)。

そして3つめが、全国から職業体験や課外学習などで来訪した中高生に対する授業である。同社コーポレート部門 理事 副代表の堀井一孝氏はこう話す。「授業の教材は講師となる社員が自分で作成します。難しい技術的な話をいかに分かりやすく伝えるか。担当する社員は知恵を絞りながらも、みんな楽しんでやっているようです」。

個人の経験価値の融合が会社の成長・発展になる

同社のイントラネットのコンテンツは充実している。会社からのニュース発信はもちろん、「情報ひろば」では社員が質問を投稿すると、すぐに他の社員から回答やヒントに関する返信があるという。

こうした情報共有のほか、社員同士のつながりやチームワークを育む仕掛けづくりにも努めている。例えば「環境整備委員」は、入社1年目と4年目がペアになって夏祭りなどのイベント企画や美化的な活動を行っている。「全部で20組ぐらいつくって、担当役員が活動をサポートします。毎年メンバーが入れ替えるわけですから、タテ・ヨコの関係だけでなく、斜めの人脈づくりにもなっています」(降籏氏)。

日建グループの基本理念は以下である。
価値ある仕事によって社会に貢献する
それを通じて個人は成長する
会社も発展していく

そして昨年には、ブランディングの再構築に取り組んだ。会社ロゴのタグラインには「EXPERIENCE ,INTEGRATED」とある。その思いは、「長年にわたって蓄積してきた実績と経験を礎に、建築家、エンジニア、プランナーなど多種多様な専門性をクライアントの経験と融合する」ということだ。つまり、個々の社員の「経験価値」が成長の原動力であり、それらが融合することで会社は持続的成長をしていく。

こうした個人の経験価値は、社内の連携や連帯感、チームワークによって相乗的に高まるに違いない。「近年は、ナレッジマネジメントにも積極的に取り組んでいるのですが、そのひとつとしてベテランと若手を組ませて業務を行うようにしています。ただ、最近は外国人社員も増えており、昔のような『背中を見て覚えろ』という教育・指導は今の時代には通用しません。命令で人を動かすのではなく、『共感』を大切にすることが重要と考えており、部下の気持ちをくみ取り、働きがいを向上するために、チームリーダーの育成も必要だと感じています」(堀井氏)。

今年、本社14階に新設したカフェも社員からの新規提案を採用したものだ。年令や部署に関係なく、何事にもトライできる環境をつくる。業務だけでなく、経営者とのコミュニケーション、社内活動や社会とのつながりを通じた多くの経験と学びが、社員の働きがいを支えているようだ。

日建設計 コーポレート部門 理事 副代表

堀井 一孝氏

日建設計 広報室長

降籏 哲人氏

株式会社 日建設計

本社所在地 東京都千代田区
代表 代表取締役社長 亀井 忠夫

事業内容 建築の設計監理、都市デザインおよびこれらに関連する調査・企画・コンサルティング業務を行うプロフェッショナル・サービス・ファームです。1900 年の創業以来、日建グループが手がけさせていただいたプロジェクトは、25,000件を超え、世界約50 カ国250 都市におよんでいます。クライアントの想いや経験、私たちが蓄積した経験を組み合わせながら、世界の人々に豊かな体験をお届けしていきます。

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開催地 東京:田町 PMO田町東 3階アクセスマップ
参加費 無料(先着順)
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