世界に信頼を運び続ける先進技術 いすゞ自動車の更なる挑戦

いすゞ自動車 エルフ

vol.1 エンジン
						現場ニーズに応える次世代エンジンが持続可能な社会をつくる

販売台数17年連続No.1※1を誇るいすゞ自動車の『エルフ』は、日本を代表する小型トラックだ。その『エルフ』から新型車が発表された。ドライバーはもちろん、企業や社会にも貢献するために、どう進化したのか。先進技術を駆使して開発された次世代『エルフ』を、「エンジン」「安全装置」「PREISM(プレイズム)」の3つのテーマから紹介していく。Vol.1ではエンジンに注目していきたい。

※1:2-3トンクラスキャブオーバー型トラック、国内新車販売台数2001年〜2017年、自販連及びいすゞ調べ

排出ガス規制は世界的な潮流日本の基準値も厳しい傾向に

長谷川 尚司氏

いすゞ自動車株式会社
PT 商品企画・設計第三部
チーフエンジニア

長谷川 尚司氏

「北風がバイキングを育てた」。欧州でクリーンディーゼルエンジンが進化し、普及した理由は、この一言に尽きるだろう。北風とは、厳しい排出ガス規制のことだ。排出ガス規制は欧州だけにとどまらず、世界の潮流となりつつある。アメリカで最も規制が厳しいカリフォルニア州では、州内で一定台数以上を販売するメーカーに対し、排出ガスを一切出さない車を一定比率以上で販売することを義務付けている。そして日本では、欧州の排出ガス規制「Euro Ⅵ」と同じ数値目標である「平成28年排出ガス規制」が定められた。これは、ディーゼルトラックなどに対する排出ガス規制である。従来の規制よりもNOx(窒素酸化物)で約4割減を目標としており、この目標を達成できない新型車は、いずれ生産・販売ができなくなる。新型『エルフ』は、この規制にいち早く適応する新型車である。

「厳しい規制をクリアするために採用した排出ガス浄化技術が、“尿素SCR”です」と語るのは、エンジン開発に携わった、いすゞ自動車の長谷川氏だ。「NOxをアンモニアと反応させることで水と窒素に分解して無害化。高いNOx浄化率を実現する技術です」と続けて説明してくれた。これまで尿素SCRが普及しなかった理由の一つが、定期的に必要となる尿素水の補充だ。以前は尿素水を取り扱うガソリンスタンドが少なかったが、最近では多くのスタンドで取り扱っており、この問題は簡単にクリアできた。普及を妨げたもう一つの理由が、尿素水を入れるタンクなどのユニットの巨大さだ。これがトラックの荷台部分と干渉し、架装性(使用方法に合わせて荷台部分を改造する自由)が低下してしまうのだ。新型『エルフ』では、ユニットを小型化することで架装性を確保。今回の導入に踏み切れたという。「排出ガス規制のクリアはあくまでメーカー側の都合。新型車の魅力がそれだけでは、お客様にご納得いただけません。日本一売れている小型トラックとして、お客様の使い勝手にはこだわりました」(長谷川氏)。

大手企業にとって、最新の排出ガス規制に対応したトラックを使用することは、環境問題に取り組む姿勢のアピールにつながる。実際、トラック選びにおいて排出ガス性能を重要視する大手企業は珍しくない。一方、中小・零細企業にとっては、やはり使い勝手に重きが置かれる。つまりは、燃費の良さや馬力、壊れにくさ、メンテナンスの簡単さなどである。これは、いすゞ自動車に脈々と伝わるトラックづくりの信念に通じる。それは「経済性と稼動率向上」へのこだわり。経済性とは、燃費の良さやメンテナンスの回数を減らし実現する、ランニングコストの低減。稼動率向上とは、耐久性が高く壊れにくいことだ。

『エルフ』の次も『エルフ』を選ぶ60年間紡いだ歴史が信頼に

長谷川氏は『エルフ』の燃費と馬力について、「燃費向上のためにエンジン本体を基本骨格から見直しました。また商用車のディーゼルエンジンでは初めて、燃料噴射量を常に狙いの値に補正する機能も搭載しています。燃費が上がればお客様にとってはコスト削減になり、社会的にもCO2の削減で貢献できます。また、馬力の向上は、重い荷物を積んでいてもストレスがない運転につながります」と自信を持つ。メンテナンスに関しては、エンジンオイル・フィルターの交換を現行型の2万kmから最大4万km※2まで伸ばしたという。

「お客様にとってトラックは仕事道具。乗用車よりもハードな使われ方をします。それでも、故障は許されない。もし故障したら、仕事ができなくなるからです」と長谷川氏。新型『エルフ』のエンジンは、厳しい排出ガス規制をクリアしながら、エンジン自体の性能も高めた次世代機へと仕上がった。長谷川氏は、「環境性能を向上させた上で、商用車のニーズをお客様目線で改めて考え抜き、燃費や稼動率向上、メンテナンス性、架装性といった本質的な性能にたどり着いた」と語る。燃費は従前モデルでも好評であったが、新型『エルフ』の燃費は更に向上しているという。本質的な部分の進化は確実に社会やお客様のためになる一方、外観に大きな変化は見られない。「いすゞは派手な会社ではないです(笑)。ただ、質実剛健に大事なことを一歩ずつ積み上げて形にするからこそ、お客様に信頼して使って頂けます」と継いだ言葉には、モノづくりの矜持が感じられた。

『エルフ』の初代モデルは、1959年に登場。その歴史は60年に及ぶ。その信頼があるからこそ、お客様の多くは、今使っている『エルフ』の次も当然のように『エルフ』に乗り継ぐという。

「先達はお客様が何を求めているか考え抜いてきました。だからこそ、現在の信頼につながっています。私たちも、お客様の期待を裏切ることなく、常に『エルフ』を進化させていきたいと思っています」と長谷川氏。その思いが結実したのが、今回の新型エンジンだ。環境保護という時代の流れと使い勝手にこだわるお客様の声。そんな北風によって鍛えられたエンジンは、いすゞ自動車という企業を端的に表しているようにも感じられた。

厳しい排出ガス規制への対応と燃費の両立を実現

世界でも厳しい平成28年排出ガス規制への対応とクラストップレベルの燃費性能を両立させたクリーン&パワフルなディーゼルエンジン。排出ガス規制には尿素SCRの採用で対応、燃費向上には高い燃焼効率を追求した骨格設計と、商用車初となる燃料噴射量を常に補正して噴射する「i-ART®※3」の採用で達成した。また、耐久性とメンテナンス性を上げることで、ランニングコストの軽減も実現。エンジンオイル・フィルターの交換は、最大4万km※2または1年間となった。この距離は、現行型の2倍となる数字だ。製造は全て新設された栃木のスマート工場で行われる。IoTによるトレーサビリティなどにより、これまで以上に製品と作業の品質管理が向上している。

※2:お客様の使用状況によって異なります ※3:i-ARTは株式会社デンソーの登録商標
4JZ1エンジン
4JZ1エンジン

チーフエンジニアに聞く

原田 茂生氏

いすゞ自動車株式会社
小型・中型商品企画設計部
チーフエンジニア

原田 茂生氏

幅広いニーズを追求した新型『エルフ』の特長

『エルフ』は弊社にとって最強の看板商品です。小型トラックに分類され、採用されている業種業態や使い方は多岐にわたります。それゆえ、ボディタイプも豊富。荷台部分は、屋根のない平ボディ、荷台全体が囲われているバン、ボディが動くダンプなどをベースに、お客様の使い方に合わせてさまざまな架装が可能です。今回のモデルチェンジは、3.5トン以上7.5トン未満の主力モデルが対象。フレームやサスペンション、エンジンを一新、ステレオカメラを活用した先進安全テクノロジーも搭載しました。また、大型トラック『ギガ』にしか搭載されていなかった、車両データとIoTを活用したメンテナンスサービス「PREISM」も標準装備。まさに“ビッグ”モデルチェンジといっていい内容です。

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  • Vol.1 エンジン
  • Vol.2 安全装置
  • Vol.3 PREISM
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http://www.isuzu.co.jp/
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