変化する環境に対する
グローバル戦略とは

守りの経営から攻めの経営へ
金融機関を専門家集団が支援

デジタル化、異業種の参入、少子高齢化による国内市場縮小など、金融業界は大きな環境変化の荒波にさらされている。現在、日本の金融機関はいかなる経営課題を抱え、どのような対応を求められているのか。あずさ監査法人の髙瀬雄一郎氏に話を聞いた。

あずさ監査法人 金融事業部 金融AAS室長 パートナー/公認会計士 髙瀬 雄一郎 氏
あずさ監査法人
金融事業部 金融AAS室長
パートナー/公認会計士
髙瀬 雄一郎

長期的かつ全社ベースでの
戦略の再構築が必要

「金融機関は『社会のインフラ』であり、社会的な影響が大きいことから、金融危機以降に規制が強化され、『守り』主体の経営を行うことが重視されてきました。しかし近年では、マイナス金利や技術革新・異業種参入等の外部環境の激変が進んでおり、そのような環境が進展する将来においても生き残るため『守り』主体の経営から『攻め』主体の経営に転じる必要性が出てきました。こうした環境変化に適切に対応し、生き残っていくために、何を自社のコアコンピタンスと捉え、どういう市場で、どう活用していくのかを抜本的に見直し、新たな戦略を描き続けていく必要があります」

金融業界においても、こうした持続可能なビジネスモデルへの変革を目指し、様々な形で模索が続けられている。

その1つに、デジタル化と異業種の参入への対応として、Fintechを活用した新ビジネスモデルへの投資があげられる。

もう1つは、グローバル化や組織再編である。少子高齢化や国内市場の縮小により、大手金融機関はグローバル展開を強化。一方、地域経済を支えてきた地銀においても、国内での生き残りを懸けた法人・組織の再編・統合が進められている。

さらに、オペレーションコストの削減による競争力の確保という観点から、RPAやAIの導入による定型業務のスマート化といった、業務効率化を目指す動きが加速。大手金融機関を中心に、労働コストの抜本的削減と生産性向上を目指す動きが広まっている。

「こうした変革には痛みが伴うため、実現には、自社が果たすべき役割を再考し、長期戦略に基づいた抜本的な対応策を考えることが必要です。そのため、従来のような問題があった部署でのみ対応策を考えるといった局所的な対応ではなく、全社ベースでの抜本的な戦略の見直しが必要となります。トップダウンで環境変化に素早く対応し、痛みを伴う難しい意思決定を行い、トライ&エラーも厭わないという覚悟で迅速且つ着実に変革を進めることが必要です」と髙瀬氏は語る。

金融に精通した会計のプロが
ワンストップでサービス提供

一部の業界トップランナーが変革を加速させる一方で、縦割り組織の弊害や規制対応重視のマインドが足枷となり、抜本的な改革に乗り出せず手をこまねいている金融機関も少なくない。

こうした金融業界の課題に対応するべく、KPMG/あずさ監査法人では、2018年7月より、金融事業部内に金融AAS(金融アカウンティング・アドバイザリー・サービス)室を新設。金融機関への会計アドバイザリーのみならず、経営戦略を実行するための態勢の整備、組織再編、AIやRPAを活用した業務プロセスの改善なども含めた総合的ソリューションの提案を行う体制を強化する。

金融AAS室とは、金融事業を専門とした総合アドバイザリー部隊。約60人の会計士を有し、クライアント企業の存在意義や経営ビジョンをベースにした経営戦略の立案と実行の支援に総合的に取り組む予定だ。

「我々の優位性は、金融事業の専門家として培った、豊富な監査経験と金融に関する知見にあります。規制当局の意向を含めた業界の動向、各社の戦略・対応の状況、それを支えるガバナンスやリスク管理、業務プロセスなど実務に精通しているので、理論的な分析・評価のみならず、実務運営上、実行可能なソリューションを提案できる。それが我々の最大の強みです」

金融AAS室では、新たな会計基準の導入など会計処理等に係る課題を総合的に支援する「アカウンティング&ストラテジー」、業務プロセスの改革を支援する「プロセス&インフォメーション」、M&Aや企業再生を支援する「トランザクション&リストラクチャリング」の3サービスを展開。会計・監査・金融規制・金融実務に対して深い知見を持つ人材を集めることで、金融機関の戦略の策定・遂行に必要な総合的なソリューションを提供する。

金融事業部内に金融AAS室を新設した理由について、髙瀬氏はこう語る。

「例えば、ある金融機関が新規事業を立ち上げるべく、『Insurtechを活用した新ビジネス参入』という戦略を立てたとします。その戦略の実行にあたっては、まず投資先の選定を行い、投資後は財務・管理会計等の様々な仕組みや業務プロセスの統合等の事業インフラの整備をする必要があります。また、サイバーセキュリティの強化や人材育成の仕組みの再構築も必要と考えられます。つまり、従来、守りを重視していた金融機関が守りから攻めの戦略に転じれば、より一層広範囲の経営課題を抱えることになるわけです。このような多岐にわたるクライアントの経営課題やニーズに対応するためには、金融に精通した会計士が知見を共有しながら、ワンストップで総合的なソリューションを提供し、戦略の策定・実行の支援をしていく必要があります。それが金融AAS室を新設した理由です」

KPMGでは、従来より国内のメンバーファーム横断的組織としてKPMG FS Japanを組成、相互に連携しながら金融機関向けに各種アドバイザリー業務を提供しているが、金融AAS室には、その連携をより一層強固にし深化させることも期待されている。また、KPMGは、ボーダレス化が進む企業課題の解決を154カ国にわたるグローバルネットワークを生かし、「ALL KPMG」の力を結集し、プロアクティブに対応する体制を整えている。

「経営環境の変化は企業にとって試練だけでなく、新たなビジネスチャンスでもあります。金融AAS室では金融機関の経営課題の解決を支援し、その変革のお手伝いをさせていただきたいと思います」

金融AAS室はALL KPMGの総力を結集し、クライアントの戦略策定・実行を支援します

			FS Radar
			ビジネスレポーティングの改善、金融規制、役員会での報告管理、会計基準、ガバナンス、リスク、コンプライアンスの価値、サステナビリティ。
			内部監査、AI・RPA、顧客主義、フィンテック、IT環境、サイバーセキュリティ、退職年金におけるリスク管理。
グローバルビジネスサービス、資金、運転資本管理フレームワーク、コスト最適化、適正オペレーション、効果的なビジネスインテリジェンス。
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※役員=CEO、CFO、CRO、COOなど金融関連経営者
※※青字は会計士関連業務
KPMG
あずさ監査法人 kpmg.com/jp/azsa
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