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アレキサンダー・デ・モラルト氏

プロフェッショナルが集い日本の医療への貢献を目指す

メルクセローノ株式会社 代表取締役社長
Alexandre de Muralt アレキサンダー・デ・モラルト氏

グローバルなサイエンスとテクノロジーのリーディングカンパニーであるメルク。そのバイオ医薬品事業部門の日本法人で、がん、腫瘍免疫、不妊治療、免疫にフォーカスするスペシャリティ・ファーマであるメルクセローノ株式会社。プロフェッショナルが集い、高い専門性と企業家精神で日本の医療に貢献しようとしている。地道かつユニークな取り組みをアレキサンダー・デ・モラルト代表取締役社長に聞いた。

がんや不妊治療に特化した
スペシャリティ・ファーマ

メルクセローノ株式会社は、ドイツ・ダルムシュタットに本社を置くメルクのバイオ医薬品事業部門の日本法人である。メルクはサイエンスとテクノロジーのグローバルなリーディングカンパニーであり、今年で創業から350年を迎える。世界で最も長い歴史を誇る化学・医薬品企業である。日本法人のメルクセローノ株式会社が発足してからは10年余りだが、メルクの350年の知見と精神を受け継ぎつつ、スペシャリティ・ファーマとして事業を展開している。

2017年9月、同社の代表取締役社長に就任したアレキサンダー・デ・モラルト氏は、約20年にわたりグローバルなメガ・ファーマ(世界的な巨大規模の製薬企業)で仕事をしてきた経験を持つ。2010年にメルクに入社してからは、グローバル・コマーシャル部門でディレクターを歴任し、2014年に台湾のジェネラル・マネージャーに就任。2016年からは香港・マカオのマネージング・ディレクターも兼任した。

「メガ・ファーマに勤めた経験があるからこそ、後ほどお話しするメルク・グローバルが推進する成長戦略、すなわち『グローバル・スペシャリティ・イノベーターを目指す』という成長戦略に深い理解と共感ができるのだと自負しています。私は当社が、日本におけるスペシャリティ領域のリーディングカンパニーとして確固としたポジションを確立することを実現させる役目を担っています」(デ・モラルト氏)

アレキサンダー・デ・モラルト氏

最先端のバイオ医薬品や
ARTのためのテクノロジー製品を提供

メルクセローノ株式会社の重点領域の1つは「がんと腫瘍免疫」である。最先端の医薬品を提供する先進的なグローバル企業として、がん・腫瘍免疫の領域で、複数の新薬候補の開発を進めている。また、「治療選択肢が限られている難治性がんの新規治療薬の開発にも力を入れており、1日も早く患者さんに新しい治療薬を提供できるよう日々努力を続けています」とデ・モラルト氏は語る。

同社が「がんと腫瘍免疫」を重点領域とするのは、「日本が世界に類を見ない超高齢社会を迎えているから」とデ・モラルト氏は説明する。

「日本では今、2人に1人ががんになる時代といわれています。がん対策は喫緊の課題であり、だからこそ重点領域とする意義があると考えています。メルクは日本をグローバル戦略における重要市場の1つと位置づけています。その日本において最もニーズの高い領域の1つが『がんと腫瘍免疫』であることから、そこに資源を集中投下します」(デ・モラルト氏)

東京はメルクが世界に4つ置くハブと呼ばれる拠点の1つで、北東アジアを対象とした研究開発拠点である。「特にアジアで罹患率の高い腫瘍疾患(胃がん、食道がん、胆道がん、肝細胞がんなど)に対する有望な治療薬の開発を日本が主導して進行し、アジア地域の人々の生活の質の向上に寄与することを目指しています」(デ・モラルト氏)。

もう1つ、同社が重点領域としているのが「不妊治療」である。メルクは不妊治療領域のグローバル リーディングカンパニーであり、1950年代から60年以上の実績を誇る。同社の不妊治療領域事業の特長は、医薬品から最先端の技術によるテクノロジー製品まで、総合的な製品ポートフォリオを持っていることだ。

同社が今年6月に実施した妊活®および不妊治療に関する意識と実態調査では、既婚女性の3人に1人が「不妊に悩んだ経験がある」と回答している。少子化に歯止めのかからない日本で不妊治療のソリューションを提供する企業としての存在意義は高く、「生命の誕生」に間接的に関わることは日本の医療や社会への貢献を示すものであろう。

メルクセローノ株式会社は日本において、広く社会に向けた妊活の啓発活動にも力を入れている。

「単に不妊治療の製品を提供するだけでなく、赤ちゃんがほしいと望む方々の夢の実現に向けて、正しい情報を伝えることにも継続して取り組んでいきます」(デ・モラルト氏)

プロフェッショナルが集い、日本の医療に貢献
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