Associe Night '18 ~意識の高い現場ビジネスパーソン交流会~ Report

自己研鑽に励むビジネスパーソンが見据える
次代への挑戦

協賛社講演(2)

学びとキャリア・ビルディング

足立 高德 氏
足立 高德
首都大学東京 大学院経営学研究科
経営学専攻ファイナンスプログラム教授

人生の節目は6年刻みで訪れる

続いて登壇した首都大学東京 大学院経営学研究科経営学専攻ファイナンスプログラム教授の足立高德氏は、「学びとキャリア・ビルディング」をテーマに講演を行った。平均寿命の伸長とともに定年が70歳まで延びると、22歳で学部を卒業したとして、約50年間働き続けなければならないことになる。50年という長い時間の中では、身につけたスキルが陳腐化する可能性もあるし、さまざまなイノベーションによって仕事がなくなってしまう可能性もあるだろう。50年間、学生時代のような系統的な学びをすることなく、次代を生き抜いていけるのだろうか? そのように足立氏は警鐘を鳴らす。

「まずはじめに、『何歳までに何をやるべきか』というあるブログについて紹介したいと思います。人生の節目が訪れるのは、大学を卒業してから6年刻み、28歳、34歳、40歳の時。23歳から28歳までは『結果を残すために全力を尽くした』という経験を持つことが大切で、29歳から34歳までは『人と仕事をする』技術を身に付けること、35歳から40歳までは仕事をあえて選り好みしながら「自分を再発見」することが重要です。そして40歳までにこれらを達成できれば、41歳から50歳までの10年間は『黄金の40代』になる。専門性もあるし、人の使い方も覚えた。だからあとは好きなことをすればいいと。私自身も、40代が最も仕事ができた期間でした」

そして50歳を超えたら、いよいよ学び直しの時である。一般に、50歳になると新しいことに対する感受性が低くなり、過去の成功や経験に捉われやすくなってしまうものだが、学び直すことで、過去ではなく、未来を考えられるようになる。豊富な経験を持ちながら、自分よりも若い世代と一緒に学べる50歳という年齢は、新しいことを始めるのに適したタイミングなのだと、足立氏は説明する。

黄金の40代を経て、学び直しがはじまる

「30代は人生のカタパルト(射出機)だ」。30歳の誕生日の朝、そんな言葉が足立氏の頭に浮かんだという。大学で数学の研究に打ち込んできたものの、本当に仕事ができるのは40代だろうという直感があった。ならば、次の10年を無駄にするわけにはいかない。

ソフトハウスを起業した足立氏は、当時まだマイナーだったC++のコンパイラの開発や販売に着手し、ソニーやNEC、日立といった大企業に売り込んだ。情報処理学会情報企画調査室のC++標準化委員会に所属し、C++の標準化にも携わった。

39歳で会社を手放し、モルガンスタンレーに転職してからは、ニューヨーク・マンハッタンにあるタイムズスクエアが足立氏の職場となった。とにかくよく働いた。ニューヨークと東京、そしてロンドンのマーケットをほぼ24時間、片時も休まずチェックしていた。チームメイトは約30人。半分がアメリカ国籍で、日本人は足立氏一人である。チームメイトが互いに信頼し合いながら、不可能とも思えるミッションに挑み、そして勝利した。黄金の40代。脂がのっていた時期だ。

日本に戻って、後進の指導にあたりたい。そう考えるようになったのは49歳の時だった。「大学院に入り、学び直すことにしたのです。仕事をしながらMBAを取得後博士課程に進学しましたが、博士論文は生半可な気持ちでは書けないですから、仕事は辞め研究に専念し、結局5年をかけてMBAと博士号(経営)を取得しました」。

足立 高德 氏

いつ学び直すのか、そして、何を学ぶべきか

学習曲線が鈍化してきた時こそが、学び直しの好機なのだと足立氏は説明する。はじめのうち、学習曲線は勢いよく伸びていくが、経験を積むにつれて徐々に伸びが鈍化し、やがてフラットになっていく。そこで、学び直し、もう一度ジャンプする。学習曲線の鈍化はすなわち、学び直しを決断するための重要なシグナルとも言えるわけだ。

「大学院で学び直して何がよかったかというと、まず、自分の過去をしっかりと落ち着いて見ることができました。当時抱いていた疑問を深く考えられましたし、哲学的なことも考えられました。そして、同級生の存在。これも大きかったですね。彼らはとても真剣に自分を鍛えようとしていました。そういうポジティブな人たちを仲間に持てたことも、非常によかったと思っています。それともうひとつ、うれしかったのは自分の力を試せるということ。それも肩書無しで。肩書無しで勝負するほど面白いことはありませんから」

足立氏が考える「学び直すべき3つの技術」は、「英語」「定量的推論」「プログラミング言語」。来るべきタイミングにこれらを学び直すことで、生き生きとした人生100年時代を送りたいものである。

英語の重要性

言語 順位 2012/8/13 順位 2016/1/13 順位 2018/8/8
1 4,028 1 5,055 1 5,693
2 1,446 3 1,896 4 2,207
3 1,284 6 1,714 5 2,016
9 818 13 999 13 1,116
11 512 15 856 14 1,017
21 211 27 339 26 424

Wikipediaの場合(アーティクルの数、単位は千)

首都大学東京