経営者のためのテクノロジー講座「AI/IoT」編 ~AI/IoT活用が生み出す新たなビジネスチャンス~

テクノロジーの進化は日本の産業界を大きく変えようとしている。人工知能(AI)によるデータ解析、あらゆる機器がインターネットでつながるIoTによるビジネス変革などの成功事例も増えてきた。テクノロジーの持つ可能性を知り、それをビジネスの力に変える。経営者に課せられた使命と期待に応えるため、日経ビジネスオンラインでは2018年4月20日に「経営者のためのテクノロジー講座」を開催した。今回のテーマは「AI/IoT」。当日は最新の技術動向や成功事例、関連ソリューションなどが数多く紹介された。

マイクロフォーカス
エンタープライズ

機械学習による
高精度な予測分析を実現
IoTビジネスを加速させる
分析基盤とは

機械学習の進化を背景に、IoTデータの予測分析によるビジネス活用の期待が高まっている。一方で「技術的なハードルが高くて取り組めない」「専門知識を要する人材不足により、予測精度が上がらない」といった課題に直面する企業が少なくない。この課題解決のソリューションとなるのが、マイクロフォーカスエンタープライズが提供する分析プラットフォーム「Vertica」である。本講演ではVerticaの機能や提供価値、その事例などが詳しく紹介された。

大規模データを高速に処理できる基盤が不可欠

マイクロフォーカスエンタープライズ株式会社
Vertica事業部
シニアプリセールス
外岡 海人

あらゆるモノがインターネットにつながるIoTは、これまで収集が困難だったモノのデータ分析を可能にし、ビジネスの可能性を大きく広げていく。そのために欠かせないインフラが、データ分析プラットフォームである。データ分析プラットフォームには様々な種類があり、それぞれに一長一短がある。

例えば、従来型の行指向RDBMSはリアルタイム性が求められるデータ処理には適しているが、扱えるデータ量や拡張性が限定的でパフォーマンスも十分とは言えない。大規模データの分散処理を実現するHadoopは、オープンソースベースなので導入コストを低減できる。扱えるデータ量も大きく、拡張性も高いが、こちらもパフォーマンスは決して高いとは言えない。

パフォーマンスを求めるなら、高速処理が可能なメモリ上でデータ分析を行うインメモリデータベースが有効だ。しかし、扱えるデータ量は限定的で拡張性も低い。高度な技術要素によって成り立っているため、コストも高額だ。

本格化するIoT時代には、大規模データを扱え、高いパフォーマンスと拡張性を備えたデータ分析プラットフォームが求められる。高度な予測分析を支える機械学習を利用する上でも、この要件は非常に重要になる。昨今の機械学習技術は大きく進化しており、これまでのビジネスの形を変えてしまうような革新的な取り組みも数多く生まれている。

ただし、一般に機械学習の活用には専門スキルを持つデータサイエンティストが必要とされる。人材の確保・育成が進まないために、機械学習の導入に踏み切れない。思うように成果が上がらない。そんな課題を抱える企業も少なくない。

機械学習で高速かつ高精度な予測分析が可能に

大容量のデータを高速に処理し、機械学習による予測分析をシンプル化したい――。この期待に応えるソリューションが、マイクロフォーカスエンタープライズのデータ分析プラットフォーム「Vertica」である。

Verticaは高速処理を実現する様々な技術的特性を備えている。その1つが、列指向データベースだ。一般的なデータベースに採用されている行指向技術は、行単位でデータを読み込む。そのため、検索の際に1つの行に含まれる不要な列データも読み込んでしまう。これがパフォーマンスの劣化を招く要因の1つになっている。

これに対し、列指向データベースは列ごとにデータを保持し、取り扱う。「必要な列データのみ読み込むため、データの読み込みと展開処理に必要となるディスクI/Oとメモリを劇的に削減。従来型データベースをしのぐ高速処理が可能です」とマイクロフォーカスエンタープライズの外岡 海人氏は説明する。

マイクロフォーカスエンタープライズ株式会社
Vertica事業部
シニアプリセールス
外岡 海人

データ容量や利用ユーザー数の増加に対応し、柔軟にスケールアウトできるのも大きな特徴だ。データベースを動かすSQLという言語も幅広くサポートする。Verticaにデータを取り込み、分析のためのSQL文を覚えこませると、列の並び替えなどのデータ配置を自動でチューニングする「プロジェクション」機能も実装している。「パフォーマンスの最適化に加え、煩雑なチューニングの手間も省力化できます」(外岡氏)。

こうした特徴は、Verticaが実装する機械学習でも大きなアドバンテージとなる(図)。一般に機械学習処理は、分析のためのデータ準備に全体プロセスの60%~80%の工数がかかるという。「多様なSQLに対応するVerticaのメリットを活かせば、複雑なデータ加工を自動化し、煩雑なデータ準備作業を効率化できます」と外岡氏は話す。

ダウンサンプリングなしで高速に機械学習処理を実行できるのも強みの1つだ。ダウンサンプリングとは分析データ量を抑えるため、一部のデータを間引く処理。しかし、これを行うと必要な分析データが制限され、予測モデルの精度低下につながる恐れがある。「Verticaは多様なSQLを使って大容量データを柔軟に取り込み、なおかつ列指向データベースに象徴されるように高速データ処理が可能。精度劣化につながるダウンサンプリングを行う必要がありません」(外岡氏)。

高度な負荷分散機能により、同時多重処理にも対応する。分析チームが同一プラットフォーム上で複数の作業を同時に行えるのだ。分析チーム内でのコラボレーションが加速し、データの分析とそれに基づく高精度な予測モデルの構築を効率的かつスピーディに進めることができる。

しかも、Verticaはクラウドでもオンプレミスでも利用できる柔軟なライセンス体系。コストの最適化につながる。

ビジネスが創出する価値はアイデアの量に単純比例する。より多くのアイデアを形にすることが、ビジネス価値の最大化につながるわけだ。また予測モデルは一度構築して完了ではない。ビジネス環境や市場ニーズの変化を反映し、常に見直しを図ることが成果を上げるポイントになる。「Verticaを活用することで、成果を上げたチャンピオンモデルを倒すチャレンジャーモデルの創出に効率的かつ継続的に取り組むことができます」と外岡氏は強調する。

Verticaは機械学習機能を実装しているため、機械学習用のハードウエア/ソフトウエアを別途購入する必要がない。多様なSQLを活用することで、ダウンサンプリングなしにデータ準備/モデル化/評価/実装という一連のプロセスを単一のプラットフォーム上で実行できる。

多くの企業が収益の拡大、顧客満足度の向上を実現

実際、多くの企業がVerticaを採用し、大きなビジネス価値を創出している。

モバイル配車サービスを提供するUberはその1社だ。Verticaの高速データ処理と同時多重処理の強みを活かし、膨大な配車依頼を迅速に処理。適切な配車と待ち時間の短縮化による顧客サービスの向上を実現している。

ストレージベンダーのNimble Storageは、Verticaを活用したストレージの故障予知監視サービスをグローバルで展開している。具体的には7500以上の顧客が利用する数百万台の仮想マシンから、2500億のセンサー情報、20億のログイベント、1億の構成情報を1日で収集・分析。障害予兆の検知・対応のスピード化と保守業務の自動化により、99.9999%の可用性実績を達成し、5年間で805万ドルの利益創出につながった。

公共分野でも広く利用されている。ニュージーランドのオークランド交通局は、路線バスの利用予測にVerticaの機械学習を活用し、80%のバス停において1名以下の誤差で乗車率を予測。これを基に適切なサイズのバスを配置するとともに路線のタイムテーブルを見直すことで、乗車率80%以下の快適なバス環境を提供し、顧客満足度の向上を実現している。

IoTから価値を生み出すためには、多様かつ大規模なデータを高速に分析し、高精度な予測モデルをスピーディに構築することが重要である。それを可能にするVerticaは、IoTビジネスをリードするために欠かせない有力なソリューションと言えそうだ。

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