デジタルプロフェッショナルが選ぶデバイス

-ハイパフォーマンスを追求するプロは、仕事道具をいかにカスタマイズするか-

最高の仕事のために、プロは道具を選ぶべき

高性能なヘッドマウントディスプレイが次々と発表され、VR 元年といわれた2016年から“ VR アーティスト”として活動するせきぐちあいみ氏。見る人が作品世界に入り込み、平面の絵画ではなしえない体験ができる VRアートは国内外から高い評価を受け、アメリカやドイツをはじめ世界各国でもLIVEパフォーマンスを展開している。VR アートの魅力と今後の可能性、そしてデジタル・プロフェッショナルとして、創作で用いるハイパフォーマンス PC へのこだわりを訊いた。

せきぐちあいみPROFILE

2016年、VR アーティストとして作品制作をスタート。2017年、初の VR アート個展「 Daydream Reality 」を開催。国内外で VR アート制作や LIVE パフォーマンスなどを展開中。

制作した VR アートがソーシャルを通じて世界に拡散

これまで VR アートを描かれてきて、その反響はどのようなものでしたか?

昔から日本文化に興味があり、当初は日本庭園を題材として描いていました。生花や盆栽もそうですが、空間性を大切にする日本文化は VR で映えると感じたからです。

仮想空間でのデジタル・ペインティングである VR アートを始めて数ヶ月後に「空飛ぶ日本庭園」という作品を SNS に上げると、VR という話題性もあり瞬く間に拡散されていきました。ハリウッド女優の方に“ COOL! ”とリツイートされるなど、国内だけでなく海外からも大きな反響があったことには驚きました。

VRアーティスト せきぐちあいみ
VRアーティストとして国内外で活躍中のせきぐちあいみ氏。
VRアーティスト せきぐちあいみ
左は SNSで拡散し大きな反響を呼んだ初期の VR アート「空飛ぶ日本庭園」( Flying Japanese Garden )。右は青森のねぶたをテーマにした VR アート「 NEBUTA 」。空間性のある和のモチーフは VR にマッチするという。

言葉を超えて世界に広がっていくというのは VR アートならではですね。現在はどういった活動をされていますか?

作品づくりを軸にしながら、企業とコラボレートした VR アート制作や、イベントでの LIVE パフォーマンスを行っています。国内の最近の活動では SK-II とのコラボレーションで、表参道ヒルズの期間限定のイベントショップで VR アートを展示させていただいています。これまで VR コンテンツは女性向けのものが少なかったので、新しい試みでした。

国内で行われる VR イベントに加えて、シリコンバレーで開催された VR イベントやマレーシアのアートフェス、ドイツで行われたハノーバー・メッセなど世界各国に招待していただけるのは貴重な体験だと感じています。

和のモチーフを描いているという希少性もあり、世界中からオファーをいただけるのは嬉しいですね。デジタル・テクノロジーを通して、個人が世界とつながれることを実感する日々です。

VRアーティスト せきぐちあいみ
タイでの VR アートパフォーマンスの様子。せきぐちあいみ氏が仮想空間に描くペインティングを観衆はモニターで共有する。

今まで見たことのない世界を体感できる VR アートの可能性

VR アートの魅力や、既存の絵画にない可能性は何でしょう?

絵画と VR アートを比較したときに、立体的に描いた作品の中に観る人が入っていけることが大きな違いです。例えば浮世絵をモチーフにしたその名も「 UKIYO 」という作品を制作しましたが、離れてみると1枚の絵のように見えて、近づいていくと額縁を超えて絵の世界の中に入っていくことができます。

浮世絵は写実的というよりも平面的に立体を表現しているもので、立体になったら面白いだろうなという発想で描きました。360°の空間全体に様々なオブジェクトを描いているので「絵の中に入っていけるのは初めてだ」と多くの皆さんに驚きとご評価をいただきました。

VRアーティスト せきぐちあいみ
作品「 UKIYO 」。近づいていくと、額縁を乗り越えて絵の世界に入り込むことができる。VR アートは見る人がヘッドマウントディスプレイを装着して体験する。

集中できる創作環境を考えた時、BTO のハイパフォーマンス PC しか選択肢がなかった

創作していく中でハイパフォーマンス PC が必要となるのはどういったシーンでしょうか。

VR アートの場合、仮想空間に没入して制作していきますから、PCのスペックが“すべて”です。別空間でいかに快適に作業をするかを考えたときに、ハイパフォーマンス PC 以外に選択肢がないですね。

海外などにも持っていくため、現在は17.3インチのフル HD のノート PC を愛用しています。選択のポイントとしては、VR 推奨環境があること、高性能なグラフィックボードを搭載していること、360°のデータを書き出すために大容量なストレージがあることなど、トータルでカスタマイズされた PC を選びました。ノートでありながら CPU は Core i7-7700、グラフィックボードは NVIDIA GeForce GTX1070、250GB の SSD に1TB の HDD 搭載とデスクトップ級の性能です。VR でハイパフォーマンスを発揮するためには、熱は避けられない問題ですので冷却ファンを2個搭載しています。

VR アートを描く時も、LIVE パフォーマンスを行う時も、流れるように素早く描きたいので PC のスピードには徹底的にこだわっています。一瞬の画面の遅れでも作品のクオリティに影響が出ます。自分の発想と手先のスピードにシンクロできるハイパフォーマンスが必要です。今のマシンはそうしたストレスが全くないからか、夢中になって何時間も描いてしまうこともありますね。

VRアーティスト せきぐちあいみ
デバイスの性能が創作環境の全てだと語るせきぐちあいみ氏。仕事のためにチューニングされたハイパフォーマンスコンピューティング環境が VR アート制作の現場を支えている。

家電量販店で販売されている PC ではなく、オーダーメイド( BTO )の PC ですね。

PC 専門店へ行って、VR アート制作を快適に行うにはどういう環境が最適かスタッフと相談して購入しました。専門店ですときめ細かなカスタマイズの相談に乗ってもらえますし、BTO の PC は余計なソフトも入っていないクリーンな状態から仕事の環境をセットアップできるのがいいですね。

一時期、イベント主催側で用意していただいた VR レディの PC を使っていた時期もあったのですが、少しでも環境が変わると自分のパフォーマンスも変わってしまうと実感して、今は自分専用のハイパフォーマンスノート を世界中に持ち歩くようになりました。プロフェッショナルが集中して仕事をするためには、ストレスなく使える自分だけの IT 環境は欠かせないと思います。

MR(複合現実)が身近になることで未来が変わっていく

最新テクノロジーの活用という点で、Windows 10 に実装された“ Windows MR ”のインプレッションをお聞きしたいのですが。安価なヘッドマウントディスプレイだけで、VR や MR( Mixed Reality:複合現実)を誰もが体験できます。

ハイパフォーマンスの出せる PC でなければ体験できなかったことが、一般的な PC でもできるようになったことは画期的だと感じています。Windows MR の登場で VR や MR に携わる人が増えていくとうれしいですね。VR アート作品を手軽に楽しんでいただける架け橋としても期待しています。私は VR の魅力にひかれ仕事として取り組んできましたが、最終的に広がっていくのは現実世界に仮想のオブジェクトを融合できる MR ではないでしょうか。

実は VR で描いた作品を MR に変換して投影するという試みも進めています。日常の空間に指先だけで新しい世界を生み出していけるのは、本当に魔法のようです。MR はこれから進化していくテクノロジーですが、私自身は、MR アートの可能性にも挑戦していきたいですね。

VRアーティスト せきぐちあいみ
単体で複合現実を体験できる Microsoft HoloLens も真っ先に自分で購入。目の前の現実世界にホログラムが浮き上がるのを見た時、「このデバイスが進化していったら未来がかわる」と確信したと言う。

最高の仕事のために、プロフェッショナルは道具を選ぶべき

せきぐちさんにとって、ハイパフォーマンス PC や VR などのデバイスはどういった存在でしょうか?

VR アートの創作や LIVE パフォーマンスにおいて、PC や VR デバイスの性能は作品のクオリティを決定づけるものです。スペックに妥協はできませんし、制作者がストレスなく使える環境は欠かせません。職人やスポーツ選手が道具にこだわるように、プロフェッショナルをめざすなら最高の道具を選ぶべきだと思います。

これからプロフェッショナルとしてやっていこうと決意した人でも、初心者だからと妥協するのはなく、最良の機材で最良の環境を整えることが成功につながっていくのではないでしょうか。特にデジタル・プロフェッショナルにとっては、ハイパフォーマンスコンピューティングは、そのまま仕事の成果にもつながるものですから。

これからのビジョンは?

VR や MR は現在、医療、建築、製造業などでの活用が始まっていますが、それ以外の分野にも無限の可能性が広がっていると思います。その中で、私の役割は LIVE パフォーマンスなどを通して、世界中の皆さんにこのテクノロジーの魅力を伝えていくことだと考えています。「こんなこともできるんだ」「こんな体験は初めてだ」とより多くの皆さんに感じていただきたいですね。そうして私のアートに興味を持ってくださった方といっしょに、新しい世界を創っていくことができればと思います。

VRアーティスト せきぐちあいみ
デジタル・テクノロジーから生まれる VR アートの可能性を語ってくれたせきぐちあいみ氏。

関連リンク

せきぐちあいみオフィシャルサイト
https://vr-aimi.officialsite.co/
せきぐちあいみの最新の活動はtwitterで
https://twitter.com/sekiguchiaimi/
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