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社員を幸せにしたい 会社がすべきこと 優秀な人材が集まる、社員が幸せを感じる会社になるには何が必要だろうか。給料の額、福利厚生の充実、仕事のやりがいなどはもちろん重要な要素だ。ただ、こうした要素は会社の経営が安定して初めて実現できるものばかり。社員を幸せにできる、安定した会社になるための条件とは何かを探っていく。

最終回 中小企業の経営安定を支援し事業承継を担う世代を応援する

エヌエヌ生命保険
フランク・エイシンク社長に聞く

社員を幸せにできる、事業の安定した会社になるには何が必要か。中小企業の事業継続にとって大きな課題である「事業承継」を巡る事例などを通じ、社員をどう幸せにするかを考え抜く経営者を取材してきた本連載もいよいよ最終回。そこで、今回はその締めくくりとして、中小企業の事業継続を法人保険(役員や社員を保険の対象として企業が加入する生命保険)によってサポートするエヌエヌ生命保険のフランク・エイシンク社長に登場いただく。

エヌエヌ生命保険はオランダに本拠を置くNNグループの生命保険会社。1986年に欧州発の生命保険会社として日本で初めて営業を開始し、中小企業向けの法人保険を主力にしている。中小企業とその経営者が安定した経営を実現できるように、税理士や公認会計士など全国の代理店を通じて保険を販売し、中小企業を支援するきめ細かなサービスを提供している。エヌエヌ生命はどのようなポリシーと価値観の下で事業を進めているのか。2017年2月から社長を務めるオランダ出身のフランク・エイシンク社長に、オランダと日本の経営スタイルの違いなども含めて、日本電鍍工業の伊藤麻美社長が聞いた。

2018.10.26

エヌエヌ生命保険

事業内容中小企業向け生命保険の開発・販売
所在地東京・港区
設立1986年
経常収益8404億7700万円(2018年3月期)
社員875人(2018年3月末時点)

エヌエヌ生命保険は、オランダNNグループの生命保険会社(写真:菊池一郎、以下同)

中小企業向けの保険に
特化した理由

フランク・エイシンク1973年、オランダ・ティルブルフ生まれ。98年にオランダ・アイントホーフェン工科大学理学修士課程修了。同年、経営コンサルティング会社のA.T.カーニー入社。2003年、INGグループ入社。12年、INGグループの保険・資産運用部門が母体となるNNグループの財務戦略部門長。14年、NNグループトルコ法人のCEO。17年よりエヌエヌ生命保険社長

伊藤エヌエヌ生命保険は、1986年に日本法人を設立しています。なぜ、日本で中小企業向けの生命保険を主力にしてきたのですか。

フランク・エイシンク社長(以下、エイシンク)
32年前に「明確な事業プランを持って日本にやって来た!」とお答えしたいところですが、最初の数年間はいろいろな案を試しました(笑)。欧州の生命保険会社としては初めて日本で事業の認可を受けたわけですが、その当時から日本の保険市場は成熟しており、参入するには他社と違う特徴を出す必要があったのです。

当時のチームが試行錯誤を繰り返す中で、中小企業のニーズに合った法人向け生命保険を提供したところヒットして、その後も中小企業向けの保険を中心に据えることになったのです。日本の企業の99.7%は中小企業です。法人向けの生命保険を通じて、企業を事業存続における様々なリスクから守るお手伝いができていることに、意義を感じています。

伊藤エヌエヌ生命は保険の販売に、金融機関や公認会計士、税理士といった代理店を活用する仕組みを採用していると、以前伺いました。日本に進出してからこうした販路を構築したことは意義があると思いますが、一方で真の顧客である中小企業と御社が直接会ってニーズをくみ取る機会が減ってしまうのではないですか。

エイシンク現在、税理士や公認会計士、保険販売店、銀行・証券会社など全国に約5000の代理店があります。これらの代理店が中小企業を支えるプロフェッショナルとして、それぞれの立場から中小企業経営者の相談役になっています。各企業のことをよく分かっている専門家だからこそ、適切なタイミングでその会社の事情に合った保険商品を提案することができるのです。

私が誇りに思っているのが、各代理店の独立性が高いにもかかわらず当社およびその商品に高いロイヤルティーを持っていただいていることです。当社は全国の主要都市28カ所に営業拠点があり、外資系でありながら地域密着型で代理店とのコミュニケーションも活発に行っています。

伊藤麻美 いとう・まみ東京都出身。上智大学を卒業後、ラジオやテレビのDJを経て、米国で宝石の鑑定士・鑑別士の資格を取得。2000年、父が創業した日本電鍍工業の社長に就任。医療器具や管楽器などのめっきを主力とする。貴金属ジュエリーの卸販売を行うジユリコの代表も務める

ですから、代理店があることで、お客様と直接お会いする機会が限られることも事実ですが、我々の代わりに代理店がお客様と密度の濃い関係を築いています。必要であれば、代理店が当社にお客様を喜んで紹介してくれます。

生命保険会社として、お客様に何か万が一があった場合に保険金を速やかに支払うのは当然ですが、それだけに留まらず中小企業であるお客様の支援をしたいと思っています。例えば、オーナーがお亡くなりになり、配偶者などご家族が困難な状況に陥った場合、全国のお客様の中から同じような境遇にあった方々をご紹介して相談相手になってもらうといったお手伝いができると良いと思います。