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Vol.2 事業承継で慌てる経営者 突然訪れるリスクにどう備える? エヌエヌ生命保険 チーフマーケティングオフィサー 信岡良彦氏に聞く 《後編》

保険金は会社の戦略投資

伊藤事業承継税制が改正されて、2018年4月から10年間の特例措置として後継者が先代から株式の贈与を受けた場合、対象株式の100%について、贈与税と相続税の支払いが猶予してもらえることになりました。申請できる条件はいろいろあるようですが。

信岡条件を満たす企業であれば、積極的に利用することをお勧めします。ただし、事業承継が発生する前に、あらかじめ自社の株式評価をしておくことが重要です。

伊藤その株式評価も問題です。最近は企業の株価が高く評価されるようになってきました。しかし、中小企業の経営者は自社株を手放せるわけではありませんから、株価を高くしたいとは思っていません。株価よりも会社の存続が大切なのであって、おカネに換算されてもちょっと困ります。

信岡多額になった相続税を納めるための資金調達の方法はいくつかあります。ただ、日々の経営の中で相続用に自己資金をためるのも大変ですし、金利を払って金融機関から相続のために融資枠を使うのももったいない。そこで、活用できるのが、法人向けの保険です。経営者個人ではなく、会社に保険金が支払われますが、その保険金をもとに会社が個人から株式を買い取ることができ、後継者にかかる相続税の負担を軽減することができます。

伊藤しかし、保険に入ると、業績のいいときも悪いときも一定額の保険料を払い続ける必要があります。業績が悪いときはわずかな額でも企業にとっては負担が重くなってしまいます。

信岡そこはまさにご指摘の通りです。業績が好調なときに掛け金を多く払い、厳しいときには減らすといった柔軟性を導入してほしいという要望は、お客様へのユーザーインタビューで必ず出てきます。一部掛け金を前払いすることや、保障額を下げることなどで、掛け金を減らすことは可能なケースもありますが、基本的には決まった掛け金を継続してお支払いいただくことになります。

伊藤そうなると、経営者が掛け金を支払い続けるためには、支払いに対する考え方を変えるべきでしょうか。

信岡私どもとしては、設備投資と同様、保険金を会社存続のための戦略的資金と考えていただければと思っています。保険商品によっては、保険料は損金算入ができますし、会社の状況に応じて最適な商品をお選びいただければと思います。

「保険の掛け金は企業存続のための戦略投資」と語る信岡CMO