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社員を幸せにしたい 会社がすべきこと

Vol.3 障がい者雇用を持続させるために経営の隠れたリスクを再認識 フジリネンサプライ 小川雅人取締役に聞く

伊藤多くの障がい者を雇用して事業を続けるのは、いろいろとご苦労があるのではないですか。

純人そんなことはありません。私は「経済合理性」という言葉が大嫌いなんです。足し算と引き算だけで商売ができたらそんな楽なことはない。しかし、商いは人間の営みであって、利は薄くても信用と信頼を大切にしながら長いお付き合いをすることが基本ではないでしょうか。これは健常者でも障がい者でも同じこと。従業員にもお客様にも、松山周辺に住む方にも、当社と関わるあらゆる方々に対して言えることです。

フジリネンサプライの工場では、障がい者も一緒に働く

ラグビーに熱中し、
継ぐ気はなかった

伊藤雅人取締役は後継者という立場から、お父様である純人代表の考え方をどのようにご覧になっていますか。

雅人父は発想が違うんですよ(笑)。とにかく私では思い付かないような柔軟な発想が飛び出して、私はすごく刺激を受けています。父のアイデアを聞いていると、そんな考え方もあるのかと気付き、私自身も発想の幅が広がって物の見方が変わりました。

伊藤柔軟な発想で経営ができるように、純人代表が大事にしているのはどんなことですか。

純人基本的に、働いている人に楽しいと感じてもらうことを重視しています。この先、どんな楽しいことが起きるのかとワクワクしてもらうことが働き続けてもらうには大事です。ですから、年中、サプライズを考えているんですよ。私も雅人も学生時代にラグビーをやっていたので、7年前にはフジコグループのラグビー部を作ったんです。健常者も障がい者も一緒に、さらに地元の方々にも参加していただいて一緒にラグビーができるように人工芝のラグビー専用グラウンドまで造りました。社員は驚いていましたが、今は私もみんなと一緒にラグビーを楽しんでいますよ。

伊藤雅人取締役も学生時代にラグビーをされていたんですね。

雅人高校、大学とラグビーに熱中し、プロを目指すつもりだったんです。でも、怪我で断念してラグビーをやめ、日本を1周したり、海外に出たりして、改めて自分は何をしたいのかを見つめ直しました。何のために自分が生まれてきたのかを考えるうち、それまで好き勝手にやらせてくれた両親に感謝し、家業を手伝おうと思ったのです。そこで初めて、会社を継ぐということを考えるようになりました。