日経ビジネスONLINE SPECIAL
Supported by

社員を幸せにしたい 会社がすべきこと 優秀な人材が集まる、社員が幸せを感じる会社になるには何が必要だろうか。給料の額、福利厚生の充実、仕事のやりがいなどはもちろん重要な要素だ。ただ、こうした要素は会社の経営が安定して初めて実現できるものばかり。社員を幸せにできる、安定した会社になるための条件とは何かを探っていく。

Vol.6 「社員の幸せが顧客を呼ぶ」社内改革で業績拡大を目指す

ブルーマリンスポーツクラブ
竹花長雅社長に聞く

2019年3月、新たなフィットネスクラブが長野県小諸市にオープンする。3階建てでプール、フィットネスジムはもちろん、各会員の身体・健康状況に応じたメディカルサポートや運動療法のサービスも提供する県内有数の施設になりそうだ。運営元であるブルーマリンスポーツクラブ(長野県小諸市)の竹花長雅社長は「地域に恩返しをしたい」と建設の狙いを語る。竹花社長は、社員を幸せにすることが顧客の幸せにつながり、ひいては地域の幸せに結び付くと考えている。社員が幸せに働けるための社内改革をどう実現したかを、日本電鍍工業の伊藤麻美社長が聞いた。

2018.9.6

ブルーマリンスポーツクラブ

業種プール、フィットネススタジオの運営
所在地長野県小諸市
設立1982年
売上高3億5100万円(2017年9月期)
従業員50人(パート含む)

上は2019年3月オープン予定の新施設イメージ図。大人も楽しめることを意識した

市議選の公約を守るため、
父が自力で創業

竹花長雅 たけはな・ながまさ1969年長野県生まれ。91年に帝京大学経済学部を卒業後、船井総合研究所で中小企業のコンサルティングなどに従事。同社を退社後、94年に長野県パトロール入社。97年に同社社長。2003年、交通関連の警備を手がけるグループ会社、長野県交通警備社長。12年、ブルーマリンスポーツクラブ社長。13年、グループ持ち株会社のHOPE社長に就任した
写真:菊池一郎(以下同)

伊藤ブルーマリンスポーツクラブにはどんな特色があるのでしょうか。

竹花長雅社長(以下、竹花)警備会社の長野県パトロール(長野県小諸市)を創業した父の竹花谷十郎(やじゅうろう)が、1982年にブルーマリンスポーツクラブを設立しました。まず、スイミングクラブをオープンすると、多くの子供たちが会員になってくれました。その後は、ジャグジーを設置するなどして、大人もターゲットとした施設に衣替えを進めました。これで大人の会員も増やせました。以降は、本格的に大人のスポーツ需要を取り込むべく東京や海外の様々なフィットネス施設、レジャー施設を見て研究を重ね、フィットネスクラブとしての性格を強めてきました。

伊藤なぜ、警備会社の社長だったお父様が、スイミングクラブを始めようと思われたのですか。

竹花まず、長野県パトロール(県パト)の創業当時から経緯をご説明したほうが分かりやすいでしょう。

県パトは父が69年に設立し、警備事業を主力に、消防設備保守などの防災事業、データセンター運営などを手がけています。谷十郎は豪快な親分肌のところがあり、36歳のときに小諸市議会議員に最年少で当選しました。そのときの公約が市民のためにプールを作ることだったのです。

70年代の小諸市ではプールのない小学校も多く、複数校で1つのプールを共同利用することもありました。そこで市民の皆さんから要望を聞き、選挙公約としてプール設置をうたったのですが、議会を通すことができませんでした。そこで議員を辞めた後に自らの力でプールを造ろうと父は考えたのです。自己資金や県パト、親族などからの出資を基に、父はブルーマリンを設立しました。

伊藤麻美 いとう・まみ東京都出身。上智大学を卒業後、ラジオやテレビのDJを経て、米国で宝石の鑑定士・鑑別士の資格を取得。2000年、父が創業した日本電鍍工業の社長に就任。医療器具や管楽器などのめっきを主力とする。貴金属ジュエリーの卸販売を行うジユリコの代表も務める

伊藤なるほど、確かに豪快なお父様ですね(笑い)。

竹花父は強烈なエネルギーを持った人間でして(笑い)、大酒を飲んだ後にもかかわらず、近所の火事で助けを求める声を聞いて消防車より先に現場に駆けつけ、1人で消火作業をしたというエピソードもあります。

県パトは警備という事業内容から、長野県警とも協力関係にあります。私が97年に県パトの社長になったときも、父のことを多くの皆さんがご存じでしたので、慣れない私はいろいろと助けてもらいました。