ペンタブレット・トップ企業の次なる挑戦

「技術」と「顧客志向」の思いを全世界のチームメンバーへ

グローバルテクノロジー企業が 目指す「組織」とは?

提供:SAP

株式会社ワコム
代表取締役社長 兼 CEO

井出 信孝 氏

株式会社ワコム 井出 信孝 氏

 ペンタブレットの世界市場で圧倒的なシェアを誇るワコムは、2018年5月に中期経営計画「Wacom Chapter 2」を策定し、デジタルインクの可能性を追求する「テクノロジー・リーダーシップ・カンパニー」を目指す姿勢を明確にした。そんな同社が、技術の追求と同時にこだわったのが顧客との徹底的な対話である。同時に、全世界で働く“チームメンバー(=社員)”の声を聴き、思いを共有し、組織を成長させていくことが求められている。ワコムでは、この課題に挑むうえで「SAP SuccessFactors」によるグローバル人材マネジメントの仕組みを整え、さらなる変革を実現しようとしている。

ペンタブレット世界ナンバーワンシェアの次なる目標

写真:ワコムペンタブレット1

 いまやデジタルアート、映像制作、商品デザインなどの分野だけでなく、ビジネスの場面でも必要不可欠な入力デバイスとして認知されているペンタブレット。その普及に大きく貢献してきたのが、1983年に埼玉県で創業したワコムだ。同社は独自技術の電磁誘導方式による世界初のワイヤレス・ペンタブレットを開発・製品化し、早い段階で欧米市場への進出を果たしている。1990年にはディズニー映画「美女と野獣」の制作に採用されるといった実績も積み、瞬く間に世界のペンタブレット市場を席巻。現在は150カ国以上でペンタブレット製品を販売し、世界のトップシェアを誇っている。

 そんなワコムを牽引するのが、2018年4月に代表取締役社長に就任した井出信孝氏だ。井出体制がスタートしてすぐ、ワコムは2022年までの中期経営計画「Wacom Chapter 2」を策定、新たな目標として「テクノロジー・リーダーシップ・カンパニー」を掲げた。

 「ワコムは長年にわたり“for a creative world”を経営理念として掲げ、ビジネスを展開してきました。新しい中期経営計画であるWacom Chapter 2では、従来からの理念に加え、“Life-long Ink”というビジョンを追加しました。これは、クリエイターやデザイナーはもちろんのこと、”絵を描くこと”を仕事としない一般のカスタマーも含めて、デジタルインクの持つ無限の可能性と価値を生涯にわたって体験してもらい、『だれが、どこで、いつ、どんな気持ちで描いたのか』という“文脈”と“軌跡”をデータとして捉えてほしいという思いを込めたものです。そのためには、絶え間ない技術革新を提供するテクノロジー・リーダーシップ・カンパニーであり続ける必要があります」(井出氏)

全世界のチームメンバーが同じ思いで技術革新に挑むために

写真:株式会社ワコム 井出 信孝 氏

株式会社ワコム
代表取締役社長 兼 CEO

井出 信孝 氏

 井出氏によると、ワコムの原点は「顧客志向のテクノロジー・カンパニー」だという。

 「ワコムは顧客との対面・対話を重視しており、VOC(Voice of Customer)に耳を澄まして顧客のインサイトやニーズを吸い上げ、デザイン・シンキングのアプローチを大事にしながら、顧客の期待を超える製品を生み出すために努力してきました」(井出氏)

 ところが、ペンタブレット市場が拡大してユニークな価値が求められるようになるにつれ、取るべき施策に迷いの生じることがある。そんなときには、顧客志向のテクノロジー・カンパニーという原点に立ち戻り、テクノロジー・リーダーシップの推進に沿っているか、顧客との関係を深めていくことにつながるか、という2つの視点から社内のチームメンバー同士で議論を重ねることになるという。

 「そうしたときに必要となるのは、議論を戦わせるディベートではなく、『VOT(Voice of Team members)』―― すなわち、チームメンバーの話を聞いて共感・共有することです。そうしたチームを作り上げるために、Wacom Chapter 2の策定に先立って、各国がリージョンごとに何度もタウンホールミーティングなどを実施、チームメンバーとの対話を通じて現場の声も踏まえながら社内に散在する課題を認識し、2018年4月以降に取り組んできた組織改革にも反映しています」(井出氏)

 しかし組織改革にあたって、乗り越えなければならない課題の一つが、グローバルにおけるチームメンバー間の意思統一であり、そのためにはまずダイバーシティに富んだメンバーを知ること、そして国や地域、文化、考え方の違いを超えてリードすることが必要となる。

 「ワコムでは、日本、欧州、米国、中国、インドなど世界10カ所の拠点に約1,200名のメンバーが在籍しています。そのうち日本は3分の1の400名ほどに過ぎないというグローバル企業です。世界中で働くチームメンバーが同じ思いを共有しながら技術革新にチャレンジし、お客様に良い製品やサービスをお届けするために、チームが一丸となって日々の仕事に取り組む必要があるのです」(井出氏)

写真:ワコムペンタブレット2

SAPジャパンとの出会い

写真:株式会社ワコム 薄田 幸生 氏

株式会社ワコム
コーポレート ストラテジー
取締役 Executive Vice President

薄田 幸生 氏

 グローバルで一丸となって変革を進めていくためには、人事情報マネジメントの充実が不可欠だ。例えば、どこにどんなタレントがいて、どんな役割を担い、どんな仕事をしているのといった情報を、グローバルで共有し、最大限に活用する仕組みである。ITインフラの観点から、その構築を支援してきたのが、ワコム 取締役 コーポレート・ストラテジー担当の薄田幸生氏だ。

 「ワコムは1980年代という早い時期に海外へ進出したものの、情報管理はそれぞれの拠点が独自に行っていました。社内の人事情報についても同様で、各拠点ベースで個別にハンドリングしていたため、グローバルベースでの共有・統合が課題でした。そこで2015年、この課題を解決するため、新しいグローバル人事システムを導入することにしました」(薄田氏)

 こうしてワコムが導入したのが、SAPのグローバルHCMソリューション「SAP SuccessFactors」である。薄田氏は「社内のユーザーにとって使いやすく、いつでもどこからでもアクセスができるクラウドベースの人事システムという点が大きなポイントになりました」と話す。

 実はワコムでは、SAPのERPシステムなど、従来からSAPの製品/サービスを利用してきた実績がある。

 「SAPは顧客との対話によって得られたインサイトやニーズを製品開発にも活かし、デザイン・シンキングの手法にも通じたプロフェッショナル企業です。そうしたSAPの経営理念や開発思想はワコムと通じるものがありました。また当社には、すでにSAPの製品/サービスを導入・運用した実績もありました。これらも人事システムにSuccessFactorsを選定するうえでの大きな要因となりました」(薄田氏)

世界共通の人事情報基盤でさらなるカルチャー醸成へ

 SuccessFactorsを導入したワコムでは、グローバルの人事システムを統合し、ビジネス上で必要となるチームメンバーの情報を共有化し、活用できる環境を構築した。またSuccessFactorsに登録されたデータとの連携を通じ、社内の他システムへの展開も今後は可能になるという。

 「SuccessFactorsを導入したことで、ガバナンスを効かせながら、世界中の拠点から共通の人事システムを利用することが可能になりました。ワコムでは国のボーダーを超えた、事業ユニット制の組織体制をとっていますが、例えばドイツに在籍する事業責任者が、日本のメンバーの人事データにアクセスすることも可能です。その結果、目標管理なども事業部ごとに地域を越えて一元管理することができるようになり、とても便利です」(薄田氏)

 本格的な活用はこれからだが、どこにどんな役割を担うメンバーがいるのかという情報を把握し、グローバルに展開するプロジェクト編成に活用するなど、SuccessFactorsは大いに役立っていくだろう。

 「当社はSuccessFactorsのEnterprise Editionを導入しており、システムが持つ豊富な機能の使い方の提案を含めたサポートや支援なども、SAPジャパンには期待しています」(薄田氏)

 井出氏も、SuccessFactorsの今後の活用には期待を寄せる。

 「グローバルにビジネスを展開するテクノロジー・カンパニーのワコムにとって、どの拠点にどんなスキルや専門性を持ったチームメンバーが所属しているのかが分かることは、クロスリージョナルなプロジェクトの運営はもちろんのこと、人材開発やカルチャー醸成の点でも意義のあることです。SAPジャパンからの、今後のサポートを期待したいと思います」(井出氏)

 Wacom Chapter 2の策定により、新たなビジネスステージを目指すワコム。なかでも重要な人材マネジメントの仕組みにSuccessFactorsがどのように応えていくことができるのか。これからの展開に期待したい。

写真:ワコムペンタブレット3

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TEL:0120‐786‐727
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