運動「漫然と歩く」だけではダメ
「心拍数を上げる」!

テストステロンの分泌を増やすには、適度な運動が欠かせない(※4)。
※4 Metabolism ;45(8):935-9,1996

読者調査の結果を見ても、エイジング対策として運動を挙げる人が多く、種目のトップはウオーキングだった。しかし、堀江氏は「高齢者ならともかく、40〜50代の男性が漫然と歩くだけで運動しているつもりになっていてはダメ」と指摘する。

体形や体重の維持、体力アップのため、最も多くの読者がしていたのは「ウオーキング」で49.5%。
次いで「食事管理」37.8%、「ストレッチ」21.8%、「ランニング」15.5%だった。

「近年の研究から、健康を目的としたウオーキングには一定時間は中程度以上の負荷で歩くことが必要だと分かってきた」(堀江氏)。日本の研究では1日8000歩、20分の速歩きで効果が確認されている。

平坦な道をダラダラ1万歩歩いても、十分ではない。心拍数が上がり、筋肉にも負荷がかかる階段歩きがお勧め。

有酸素運動は心拍数を上げること、一方、レジスタンス運動(筋トレ)は筋肉に負荷をかけることで効果が得られる。「その両方ができる方法として、ウオーキングなら坂道や階段を上るのがお勧め。太ももの大腿四頭筋は人体最大の筋肉なので、ここを鍛えることで筋肉量を効率よく増やせる」。

米国では、有名なIT経営者の間で外を歩きながら1対1で話を進める「ウオーキング会議」がビジネス習慣として定着しつつあるという話もある。

最近は座りっぱなしの弊害にも注目が集まっている。座る時間が長いほど死亡リスクが高くなることが分かってきており、1日11時間以上座っていると、4時間未満の人の1.4倍死亡リスクが高まるとの報告も(※5)。運動の習慣を持つとともに、オフィスでも座りっぱなしに注意し、ちょくちょく席を立つようにしよう。
※5 Arch Intern Med. ;172(6):494-500,2012

診療や研究で座る生活が多い堀江氏は、15年前から大学の自室に立って作業する机を導入してエイジングケア。座りっぱなしの生活は病気のリスクを高めることが多くの研究から分かってきている。

極端な糖質制限は
男性ホルモンを減らす

食事についてはどうだろう。このところ、糖質制限がはやっているが、「極端な糖質制限はテストステロンを減らし、筋肉も落ちてしまう」と堀江氏は警告する。代謝が落ちた分、若い頃より食事量を減らすことは大切だが、栄養のバランスには注意したい。

食品の中には、テストステロン値を上げる作用が確認されているものもある。

「カカオやネギのほか、スイカやウリに多いシトルリンという成分もいい。また、抹茶に含まれるテアニンはドーパミン(脳内の神経伝達物質)を増やしてテストステロン値も上げる。戦国武将が抹茶やウリを好んだのも、効果を感じていたからかもしれない」(堀江氏)

日々の食事のバランスに自信がない人は、サプリメントで栄養を補給するのも悪くない。基本はビタミンやミネラルだが、「最近は中高年男性向けのサプリも増えているし、運動量によっても必要な栄養素は変わってくる。薬局やドラッグストアで、薬剤師に運動量やライフスタイル、心配事などを伝えて、自分に合ったものを薦めてもらうといい」と堀江氏はアドバイスする。

読者の50.8%がサプリメントを「摂取している」と答えた。
多い順に「ビタミン系」65.1%、「ミネラル」30.2%、「DHA・EPA」24.1%、
「アミノ酸」21.3%、「カルシウム」17.0%など。

多くの人が心配する脳機能の低下には、“記憶力の維持”をうたった機能性表示食品も登場している。「機能性表示食品は、科学的根拠があるとされている。気になる人は試してみてもいいだろう」(堀江氏)。

趣味ストレス解消のために
「仲間と楽しめる」趣味を

良い睡眠もエイジングケアには不可欠だ。男性は40歳以降から中途覚醒に悩む人が増えてくる(※6)。「50歳を超えたら意識して寝るための準備をしてほしい」と堀江氏。夜の9時以降はパソコンやスマホを見ない、コーヒーを飲まない、部屋を暗くする、ぬるめの風呂に入るなど、良質な睡眠を取るための“努力”をしたい。
※6 女性心身医学 19(1):103-9, 2014

もう1つ、堀江氏が強調するのが、ストレス対策だ。ストレスは睡眠の質を悪くし、テストステロンを減らし、生活習慣病のリスクを高める。自分に合ったリラックスできる方法を見つけておくのがコツという。短時間でいいので、ホッとする時間を作ることは脳のリフレッシュにも役立つ。

長期的には、仲間と一緒に楽しめる趣味を持つことを堀江氏は勧めている。「一人より、人と一緒に楽しむ趣味の方がテストステロンが増える。するとストレスも感じにくくなる。運動にしても一人で黙々と走るより、仲間と楽しめるものを。リタイア後のためにも、楽しいと感じる自分の居場所を作っておくことがポイント」と話す。

この先、20年、30年、エネルギッシュに仕事をこなし、後半生を末永く楽しむためにも、「40歳過ぎたらエイジングケア」を積極的に実践したい。

堀江理事長式 エイジングケアのポイント

肌や髪、体形など見た目を意識して対人関係を良好に

筋肉を増やす運動・食事を心がける

メンタルストレスを減らす自分なりの策を持つ

食べ過ぎず、減らし過ぎず、必要な栄養に気を配る

良い睡眠を取ることに積極的になる

仲間とつながり、楽しいと感じる自分の居場所を持つ

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