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データを活用して企業と人を元気にしたい 他社プラットフォームとも連携し健康管理の新サービスを提供【ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社】

コーポレート・ウェルネスの分野で存在感を高めているウェルネス・コミュニケーションズが資本業務提携を発表。
企業だけでなく個人にも届くサービスを模索する。

煩雑な健康診断業務から企業を解放し
健康支援を提案

国民の健康寿命の延伸は、日本再興戦略にも盛り込まれている政府の方針の一つだ。将来的に就労人口が減少していくのは明らか。それに対応するべく、人的生産性を向上させることは企業の喫緊の課題となっている。ダイバーシティーの推進、働き方改革関連法案の施行、健康経営の推進もあり、従業員の健康増進を図る企業側の負担は増すばかりだ。

そんな社会的変化を予測し、2006年にウェルネス・コミュニケーションズは生まれた。目指したのは、企業と人を元気にするヘルスケア業界のリーディングカンパニー。現在の柱はコーポレート・ウェルネス事業だ。企業や健保組合における、従業員や家族の健康管理の課題を解決するサービスを提供する。

「以前は健康診断結果や問診回答データなどは、紙や事業所別に設置された専用端末で管理するのが一般的でした。これだと人事異動の際や事業所間でデータを更新するのに非常に手間がかかっていたんです。その負担を軽減するため、データを一元化し、可視化するための仕組みとしてヘルスサポートシステムを開発しました」と語るのは同社代表取締役社長の松田泰秀氏である。

創業から12年、その間ヘルスサポートシステムは多くの企業で活用され、ユーザーから集められた声を反映し、2018年夏に大きく刷新した。健診結果のデータ管理だけでなく、産業医面談記録や保健指導記録、勤怠データの管理、ウェブを活用したストレスチェックなどに至るまで対応するクラウドサービスとしての進化を遂げ、今後は、この基盤上で、企業における健康管理業務の半自動化を目指している。

また、ネットワーク健診サービスも同社の中核事業にまで成長してきた。全国約1,850の医療機関と提携し、健診の案内、予約、受診、結果の一元化、進捗確認、受診勧奨、精算まで、健診業務の一切を代行してくれる。これらの進捗状況や健診結果を企業や健保組合の管理者、受診者がリアルタイムに確認できる専用ポータルサイトi-wellnessを軸としたサービスがリリースされている。

全国を網羅する
医療機関のデータベースを活用

i-wellnessの拡充とさらなる事業展開を目指して、10月31日にはウェルネス医療情報センターによる第三者割当増資を引受け、同社との資本業務提携が発表された。ウェルネス医療情報センターは、医療介護関連データベースを主事業とするウェルネスから2016年に分社。健康相談サービスならびに、人間ドック紹介予約サービスを柱とする健康医療情報提供事業を行っている。

「我々にとっても、この提携には大きな意味があります」と語るのは同社代表取締役社長の柏原純一氏。

「ウェルネス・コミュニケーションズの法人顧客に対し、受診者の一次健診結果や住所情報等から専門医や再検査医療機関等をご紹介できる。また、我々は約40社の保険会社等に対し、専門のコンシェルジュスタッフによる人間ドック施設の紹介や、セカンドオピニオンなど専門性の高い健康相談サービスを提供しています。こちらにも、ウェルネス・コミュニケーションズの健診データ管理のクラウドサービス等を提供することで、データに基づいた付加価値の高いサービスを提供していけると考えています」

業種の垣根を超えて
さまざまなデータの活用法を探る

提携によるシナジー効果を期待するのは松田社長も同じだ。

「我々としても保険業界というのは新市場。国民世帯の約8~9割は生命・医療保険に加入しているといわれていますから、うまく連携すれば国民の多くに我々が持つデータを活かした健康づくりを提案できる。保険会社が急ぐデジタル化、InsureTech領域への参入布石にもなる」

ウェルネスの医療データベースは、カーナビ、地図会社、金融、リース会社、自治体、大学、シンクタンクなど多くの企業や研究機関に利用されている。ウェルネス・コミュニケーションズが預かる毎年65万人にものぼるサービスのエンドユーザーに対しそこに新たなサービスを生み出せるかもしれないのだ。

「画一的に幅広い層に訴求するより、特定のセグメントに対して、その健康課題やニーズに対応した特定のサービスを提供することが、特にヘルスケアの世界では強く求められています。まずは企業や健保組合、保険会社における健康管理・支援業務の基盤を提供し、その基盤につながる新たなサービスを広く模索していきたいと思います」(松田氏)

The voice of the person in charge

データの一元化・可視化により、
組織や個人に最適な
健康支援の在り方を提案する

データを、お預かりしているだけではあまり意味がありません。健康診断も、受診して終わりではありません。そこで得た健診結果や生活習慣データをどう健康づくりに役立てていくかが重要。今後はヘルスケアのアプリやウェアラブル端末とも連携し、データの種類や量を増やすとともに、アウトプットするサービスを多様化させていきたいですね。

株式会社ウェルネス
医療情報センター
代表取締役社長

柏原 純一 氏

ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社
代表取締役社長

松田 泰秀 氏

ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社
〒108-0073 東京都港区三田1-4-28
三田国際ビル22階
https://wellcoms.jp