
自動車やものづくり、ものに触るのが好きな方
一緒に働きましょう
人材サポート室 アシスタントマネージャー
藤田 昌光 氏
部品や製品のテストを通じて
先端技術に携わる仕事
テイ・アイ・シイ(以下、TIC)は、名古屋で自動車・車載製品における「テストエンジニアリング(検証試験)」サービスを行っている企業。同社を含め5社でTICグループを形成し、自動車・車載製品をはじめ家電製品などに対し、委託請負型のサービスを提供している。
テストエンジニアリングとは、メーカーが開発した部品や製品を預かり、様々な条件下での動作をテストして、その結果やデータをメーカーにフィードバックする工程である。
同社が得意とするのは、創業時から手がける自動車関連の部品や製品のテストだ。最近増えているテストの対象はEV(電気自動車)。EVの柱であるバッテリー、モーター、インバーターに注力している。
「テストは自動車に載せた状態と部品単体の2パターンで行います。ただ自動車を走らせる動作テストだけでなく、粉じん、温度、湿度などの外的要因で製品や動作に変化が起こるのかを詳しく調べる環境試験も実施します」と、人材サポート室アシスタントマネージャーの藤田昌光氏は語る。
EVのバッテリーは「セル」と呼ばれる電池を複数組み合わせて構成される。携帯電話と同じで、使用すれば温度の上昇・下降によって性能に変化が生じる。そこで、部品単体の様々な温度を設定できる冷蔵庫のような恒温槽を使用。この装置にセル(単体)を入れ、1000時間、厳しい温度環境にさらし、充放電を続けながらバッテリーがどのような変化を見せるかをチェックする。このほか、複数のセルをつなぎ、バッテリーに組み上げて実際に自動車に組み込み、大規模な装置内で熱風を当て続けるテストも行う。
モーターなら、あえて水浸しにして豪雨地帯や洪水を想定したテストもある。モーターやバッテリーは多様なバリエーションがあり、テスト項目も多く、時間やコストがかかる。それらの作業を地道にコツコツとクリアしていくことで、多様な環境の中でも安全な自動車が造られているのだ。
エンジン車やハイブリッド車とは異なり、電気だけを動力とするEVならではの課題もある。
「高電圧のバッテリーやモーターが発する電波や熱は、他の部品に影響して誤動作を招くことがあります。そのため、近年は電波テスト(EMC)と熱関連のテストのニーズが急激に高まっています。私たちに求められているのは、そのニーズに対して積極的に取り組み、解決していく姿勢です」(藤田氏)
右/EVガレージパークの外観。実物の自動車や様々な部品などが置かれており、物に実際に触れられる施設。社員の交流の場でもある。
「自動車に関わりたい」
「ものづくりが好き」を仕事に
TICでの仕事は、細分化された組織の中での単一的なものとは異なり、必要とされる基礎知識の幅が広く、学ぶことも多い。「様々な分野に触れながら個人の価値を形成してほしい」と藤田氏は続ける。
自動車メーカーは理論を基にした推定データを持っている。それと実際のテストで出てきたデータには差が生じることもある。そんなとき、一人前のテストエンジニアは、部品や製品に原因があるのか、他の部品からの影響なのかなどを検討し、不具合の原因を推測した上で、依頼者に説明しなければならない。
「成長していくエンジニアには、得意分野があります。まずは、興味を持って『やりたい』という思いが大切。会社として、いろいろなチャレンジができる体制を整えています」(藤田氏)
今後、EV関連のEMCテストとPCを使用したシミュレーションの増加が見込まれる。同社は先を見据えて、この1年間でEVガレージパークの他、「EMCトレーニングパーク」「TesTツールパーク」といった特化型研修施設を開設し、社員らが自ら学べる環境を整備。時代の最先端の自動車開発に寄与すべく、TICのテストエンジニアリングも進化を続ける。
ABOUT COMPANY
- 所在地
- 愛知県名古屋市中村区太閤3-1-18
名古屋KSビル 11階
- 沿革
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1984年 「テイ・アイ・シイ」を名古屋市中区錦にて創業 1985年 有限会社から株式会社に組織変更 1997年 グループ会社の「エイスタッフ」を愛知県一宮市に設立 1998年 資本金を5000万円に増資 2001年 グループ会社の「チャンスメーカー」を株式会社に組織変更 2003年 グループ会社の「トップギア」を株式会社に組織変更 2004年 名古屋市中区金山にTICグループ本部を設置
グループ会社の「アクトセンター」を株式会社に組織変更2018年 栃木県さくら市にEVガレージパークを開設
- 資本金
- 1億3000万円(グループ合計)
- 売上高
- 32億7100万円(2017年度グループ合計)
- 従業員数
- 479人(グループ合計)