リサーチで、デザインの価値をさらに高める

デザインコンサルティングサービス「bondo」は、どのように企業の経営課題を解決していくのか?

nendo代表 佐藤オオキと日経デザインラボ 丸尾弘志が、bondoが務める役割を語る。

佐藤私たちnendoというデザインオフィスでは、現在400を超えるプロジェクトを同時に進行させています。新商品開発や定番商品のリニューアル、デザインを通じて未来の事業モデルを生み出すお手伝いや、企業のコミュニケーション戦略の提案など、プロジェクトの内容はさまざま。特に最近は「なにかしないといけないが、なにをしていいのかわからない」という企業のお悩みを、企業の皆さんと一緒になって考えるという依頼が増えています。

こうした漠然としたお悩みを解決する時にまず重要になるのが、デザインの「要件定義」をきちんと行うということです。つまりこうした悩みの陰にある、企業自身も気付いていない本当の問題を整理し、浮き彫りにしてあげることが欠かせません。

丸尾例えば、自分たちの展開する商品やサービスが、思ったように売れていないという悩みを抱える企業があったとします。その時に解決すべき問題はなんでしょうか?

佐藤あまり知られていない商品だったら、まずは認知度を高める取り組みが必要です。知られているのに売れていないのなら、商品やサービスの魅力がきちんと伝わっていない可能性がある。もしかしたら商品そのものの魅力が薄いのかもしれません。考えられる問題はさまざまです。

そして、その解決の手段も、広告からプロモーション、パッケージデザインや商品そのもののリニューアル、売り場などのインテリアデザインや、ウェブサイトのリデザインなど、やり方は多岐にわたります。
とにかくたくさんの問題と、その解決策が存在するなかでどこに絞り込んでデザインによる問題解決に取り組むか。それを知るためにまず最初に行わなければいけないのが、その企業の状況を正確に把握して問題解決につなげるためのリサーチです。なりたい姿を思い描くまえに、まず自分たちの現状を知りましょう、ということです。

丸尾最終的なデザインの質は、このリサーチがどこまで上手にできるかにかかっています。そこでbondoでは、企業の現状を把握し、デザイン投資の判断を行うための多様な調査メニューを用意しています。

企業のさまざまな関係者の方から多方面にわたるヒアリングを行うのはもちろん、有識者や専門家を集めて外部の視点でその企業を分析する。また日経グループが持つさまざまな情報ソースから業界の動向を把握し、そこから企業の立ち位置や進むべき方向性を提案します。

日経デザインラボではデザインやブランドの価値を客観的な「数字」として算出する調査も行っています。近年「デザインシンキング」と呼ばれる、デザイナーの思考を一般のビジネスパーソンが学び、ユーザー観察などを通じて新しいビジネスチャンスを見出す活動が盛んですが、こうした手法も、企業が抱える課題の顕在化に役立つこともあります。

このように、企業が課題がどのようなものなのかをさまざまな角度から分析し、課題を可能なかぎり顕在化する。それによって、nendoが今まで以上に精度の高いデザイン提案を行えるようにし、多くの企業の悩みに対し、これまで以上の成果を出していく。そういった、デザインの上流工程でのコラボレーションが、bondoのまず第一の役割です。

日経BP社の持つ調査力とメディアの力、そしてnendoが持つ高い問題解決の力とビジュアライゼーション力。この2つが一緒になることで、デザインが持つ問題解決力をさらに高めていく。そんなサービスを目指していきます。

丸尾 弘志
日経デザインラボ
日経BPビジョナリー経営研究所 上席研究員

1998年国際基督教大学卒。同年日経BP社に入社、日経システムプロバイダ記者、日経デザイン記者、2014年日経デザイン編集長を経て。16年に現職。ブランディング、知的財産活用、デザインイノベーションにまつわる取材と調査研究を主に手掛ける。主な著書に「アップルのデザイン」「素材とデザインの教科書」など。

佐藤 オオキ
デザインオフィスnendo代表

1977年、カナダ生まれ。2002年、早稲田大学大学院理工学研究科建築学専攻修了後、nendo東京オフィス設立。06年、Newsweek誌「世界が尊敬する日本人100人」。15年、日経ビジネスオンライン 「CHANGE MAKER OF THE YEAR」などを受賞。主な著書 に『佐藤オオキのボツ本』(日経BP)など。