医療・ヘルスケアデータを活用した新たなサービスの創出「ビッグデータ=ソフトバンクの強み」を生かす医療・ヘルスケア事業

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医療・健康分野におけるスマートデバイスやクラウド環境が整備される中、体重・血圧・運動実績・投薬履歴・健診データなどの医療・健康情報を個人と医療機関で共有し、きめ細かな医療・健康サービスを実現する日本のPHR は実用化へ向けて加速しつつある。医療・健康データの連携によるセルフメディケーションの推進について、医療機関側のアプローチを福井大学医学部附属病院 医療情報部 副部長の山下芳範氏が、ヘルスケアサービス事業者側のアプローチをソフトバンク 医療・健康事業推進室 室長の高橋宏祐氏がそれぞれ語った。

PHRとの連携により患者参加型の医療モデルへ

第36回医療情報学連合大会のランチョンセミナー(ソフトバンク共催)で、医療におけるクラウドやIoTの活用について講演する山下氏

 「院内の患者情報(EMR)を地域で連携・共有するEHRとして活用するようになりつつある現在、今後考えるべきは患者さんの健康情報(PHR)を取り込んで、患者参加型の医療モデルを構築していくことだ」――。山下氏は、医療系ICTの進化・活用を概観しつつ、現在の地域医療連携に足りないことは患者の参加だとし、地域医療連携活用基盤と健康情報活用基盤の連携の必要性をこう力説する。

 山下氏はこの10年間、病院情報システム(HIS)の仮想化に取り組み、パソコンに固定化されていた医療情報へのアクセス手段にスマートデバイスの活用を推進し、さらにセンサーネットワーク構築による医療機器のIoT(Internet of Things)化を積極的に進めてきた。「こうした技術の導入により、効率化・省力化による業務改善、医療安全、情報活用が進展し、医療者のワークスタイルが変わってきた」と説明する。

 スマートデバイスを活用したベッドサイドでのバイタルデータの収集、IoT技術を駆使した医療機器のアラームや患者の転倒・転落事象の通報データなども自動で収集する環境によって、「データ活用は医療安全や業務負担軽減に寄与するとともに、蓄積されたイベント情報のビッグデータ分析で異常の予兆検知なども可能になってくる」。山下氏は、こうした技術は在宅医療や介護にも適用可能だとし、医療者だけでなく、患者や家族のメリットにもなるという。

 一方、スマートデバイスやクラウド技術は、個人が様々な健康情報を収集したライフログの蓄積を促し、PHRとして活用する環境も整いつつある。「PHRが確立すれば、患者として医療機関を受診したとき、自身の健康情報を医療者に提示する日も近い」とし、EHRとPHRとの連携によって患者の医療情報と健康情報を統合的に見ていく「理想的な医療体制の世界が形づくられる」と強調した。

ヘルスケアサービスが医療費控除になる時代へ

高橋 宏祐氏 ソフトバンク株式会社 サービスコンテンツ本部 医療・ヘルスケア事業推進室 室長

 「われわれが実現したいのは、未病状態の人々を健康にするためのセルフメディケーションの推進。健康状態を自ら維持することによって、医療費削減につなげていくことだ」――。ソフトバンクの医療・ヘルスケア事業のスコープを高橋氏はこう話す。

 同社の医療・ヘルスケア事業が支援したいのは、健康状態を自ら改善できる段階で医療支援を必要としない“未病”とされる人々。日本の人間ドックの現況から見ると、検診者全体の65%に当たる「ほぼ正常」「要経過観察」と評価された人だ。事業テーマは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な体の不調は自分で手当てすること、とWHOが定義する「セルフメディケーション」。

 「われわれが期待する予想未来図は、ヘルスケアサービスが医療費控除になる時代」。高橋氏は、セルフメディケーションを可能にするヘルスケアサービスを提供・強化していくことの背景をこう説明する。

 2017年1月より、健康維持や疾病予防に取り組む人が、スイッチOTC医薬品(医療用から転用された一般医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができる「セルフメディケーション税制」が始まる。また、健康増進のために努力した人に商品券などと交換可能なポイントを与える「セルフケアポイント制度」、あるいは小泉進次郎議員が提唱した「健康ゴールド免許構想」のように普段から能動的に健康管理に努めている人に交付され、成果が出ていれば医療費の自己負担が軽減されるインセンティブを付与する制度を政府は構想している。

 「われわれが描く健康社会はまさにこうした制度が後押しするもの。それに向けたヘルスケアサービス構想を事業の柱にしていく」と高橋氏は語る。ただ、こうしたサービスは「ソフトバンク単独で実現できるものではない」とし、生命保険・損害保険業界、製薬業界、健康食品業界などと協業し、様々なヘルスケアサービスを提供していく考えである。

 そうしたヘルスケアサービスを形成・提供していくために、その土台となる医療・ヘルスケアデータを収集・蓄積するプラットフォームが重要な役割を担う。蓄積されたそのデータを軸に健康サービスの提供から周辺事業との協業までが、同社が推進する医療・ヘルスケア事業の全体像ということになる。

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