【デジタルヘルス Online Special】施設系・居宅系全サービスでワイズマンシステムSP運用 -全老健版ケアマネジメント方式もシステム運用開始-

埼玉県鶴ヶ島市で介護老人保健施設、デイケア、訪問看護・介護サービスなどを提供する鶴ヶ島ケアホーム。1994年に老健を開設して以降、全サービスにおいてワイズマンの介護・福祉向けシステムを長年にわたり運用している。「介護報酬にかかわるノウハウも含めた運用サポートを高く評価している」(鶴ヶ島ケアホーム)とし、在宅強化型老健施設としてスタートしたことを契機に全老健版ケアマネジメント方式の運用を開始した。ワイズマンシステムSPのR4システム対応オプションの運用によって、多職種協働を強化しつつ、ケアサービスの質の向上、さらなる在宅復帰を推進していく。

グループ一丸で在宅復帰・在宅療養を推進

 医療法人社団 満寿会は、鶴ヶ島ケアホームのほか、鶴ヶ島在宅医療診療所、鶴ヶ島耳鼻咽喉科診療所を運営する。耳鼻咽喉科医であり、理事長を務める小川郁男氏が介護老人保健施設を開設したのが1994年。施設入所サービス(定員108人)から始まり、通所サービス(定員92人/日)、短期入所サービス、訪問看護サービス、訪問介護サービスなどと機能を拡張してきた。

医療法人社団 満寿会 理事長 小川 邦男 氏
医療法人社団 満寿会
理事長 小川 郁男 氏
 「元々は、開業医だった父が認知症を患い、自宅で寝たきりになったことで生じた在宅介護の問題を契機に、入浴サービスを始めようと考えました。“医師が介護事業を始めるなら介護老人保健施設”という助言を受けて開設したのが始まりです」(小川理事長)。耳鼻科医が老健を開設するという異色の経緯をこう話す。

 老健の運営に医療機能は不可欠と感じた同氏は、2003年5月に訪問診療部門を持つ有床(19床)の鶴ヶ島在宅医療診療所を開設、訪問看護ステーションも開設・拡充し、対応可能な限度はあるもののグループとして医療・介護の連携を完結でき、地域のニーズに応える体制を構築してきた。現在、満寿会全体では、医師5人、看護師30人、理学・作業療法士14人、介護支援専門員10人、介護福祉士40人、介護職員50人など、100人を超えるスタッフが各施設、サービスを支えている。

 老健は本来、在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設であり、そのためにリハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を担う。「利用者が居宅での生活へ復帰することを目指すのが基本理念ではあるが、個々の利用者の状況、家庭環境などをきめ細かく見ていかなければならず、なかなか現実は難しい。一方で、経営的側面では在宅復帰率を向上させることは重要課題です」(小川理事長)と指摘する。近年の介護報酬改定、診療報酬改定で機能分化・特化と在宅復帰への流れは加速されており、その対応が急がれている。また、地域包括ケアシステムの中で老健は、在宅復帰支援(リハビリテーション)機能や医療ニーズへの対応などの機能がより重要視されている。

 こうした中で鶴ヶ島ケアホームも2015年10月より、在宅復帰率50%以上などの施設要件が課される強化型介護老人保健施設に移行した。「単独型の老健として、多職種が在席していることを利点として、連携を強化しつつ良質なケアの提供、サービスの質向上を目指し、在宅復帰を進めていこうと考えています」(小川理事長)という。

老健開設時からワイズマンのシステム一筋に運用

 様々な介護ソフトが発売されるようになったのは、2000年の介護保険制度がスタートした時期だが、1991年に介護老人保健施設が誕生した頃に、ワイズマン(1990年6月 社会福祉法人向けのコンピューターシステム開発・販売開始)をはじめいくつかメーカーが介護・福祉向けソフトやシステムの販売を開始していた。鶴ヶ島ケアホームは、開設後の間もない時期からワイズマンの介護・福祉向けコンピューターシステムを導入し、20年近くにわたって運用してきた。現在は、施設サービス向けの介護老人保健施設管理システムSPをはじめ、居宅サービス系の訪問看護ステーション管理システムSP、デイサービス管理システムSP、通所・訪問リハビリ管理システムSPなど全サービスでワイズマンシステムSPを利用している。また、ケア記録支援ソフトも、バーコードを利用したシステムから、ニンテンドーDSを用いた「すぐろくDS」を経て、タブレット端末を用いる「すぐろくTablet」と使い続けてきた。

ケア記録支援ツールの運用も変遷を経て現在は「すぐろくTablet」を利用
 いわばワイズマン初期の介護・福祉向けコンピューターシステムの頃からパイロットユーザーとして開発にも協力してきた。「システムのバージョンアップや介護報酬改定時には、毎日夜遅くまで、そのシステム対応にとても献身的に取り組んでくれました」と、小川理事長はワイズマンの営業・サポートサービスを高く評価している。

 そして現在、鶴ヶ島ケアホームは在宅強化型介護老人保健施設としてスタートしたことを機に、老健におけるケアサービスの質の評価・向上を目的として開発された全老健版ケアマネジメント方式「R4システム」の導入に踏み切り、介護老人保健施設管理システムSPの「新全老健版R4システム対応オプション」の運用を開始した。

 「在宅強化型老健として、在宅復帰支援を強化するためにR4システムの意義が生きてくるだろうと思っている。初版のテキスト版がリリースされて5年経ちますが、私の知る限りでは実際に導入し、かつコンピューターシステムで運用している施設は非常に少ない。導入が進まない課題を明らかにしつつ、どうすれば効果的な運用ができるのか実践し、実績づくりをしたいと考えています」。R4システムの導入・運用の経緯を小川理事長はこう説明する。

在宅強化型老健移行を契機にR4システム導入

現場での運用が始まったR4システム。新たなケアマネジメント方式による多職種協働を強化していく。
 全老健版ケアマネジメント方式「R4システム」は、(施設)利用者のアセスメント(R-1)、ケアプランの作成(R-2)、ケアプランの実施と確認(R-3)、利用者の変化のチェックとモニタリング(R-4)の4つケアプロセスをパッケージ化したシステムで、文字通りケアマネジメントの実践を推進するもの。特にアセスメント方式で国際生活機能分類(ICF)の考えを一部取り入れた「ICFステージング」と呼ぶ方式を採用していることが特徴とされている。従来のアセスメント方式が利用者の「できないこと」(障害)を分類して評価してきたことに対して、ICFは「できること」(正常な機能)に着目して、その変化を客観的に見ていこうというものだ。ちなみに、アセスメントの種類には、インテーク面接によるニーズアセスメント(A-1)、インテーク面接による適正アセスメント(A-2)、ICFステージングによる生活機能アセスメント(A-3)、専門職アセスメント(A-4)の4種類を実施する。

鶴ヶ島ケアホーム 事務長 小鷹 政仁 氏
鶴ヶ島ケアホーム
事務長 小鷹 政仁 氏
 鶴ヶ島ケアホーム事務長の小鷹政仁氏によるとR4システムは、「ケアの現場にとっては、従来と異なる方式であるため、老健全体が初心者マークを付けている状態。取り組んでいる施設でも紙ベースで運用しているところが多く、電子化シートを導入しているところでもスタンドアロンで運用している状態」と指摘。介護老人保健施設管理システム上で運用していくには、「他施設を参考にさせていただくことは難しく、自分たちで独自に実践するしかありません」(小鷹氏)という。

 実際にR4システム導入・運用を指揮している事務室の小川一成氏は、まず介護サービスの質の評価方式として同システムを採用した理由を、「形式が固定されず、老健の業務に根ざしているので使いやすいであろうし、今後の拡張も期待できる」と説明。その上で、ワイズマンのR4システム対応オプション機能について、「介護報酬請求を軸にケア記録機能など実装し、長年にわたって介護事業所向けシステムで培ってきた歴史があるので、連携性が高いだろうと判断しました。また、今後さらに使い勝手の良さへの進化も期待しています」と評価している。
鶴ヶ島ケアホーム 事務室 小川 一成 氏
鶴ヶ島ケアホーム
事務室 小川 一成 氏
 R4システム対応オプションは、各種アセスメントから統合計画書、リハビリ実施計画書の進捗状況をまとめて確認できることをはじめ、ケア内容の単位で実施したかどうかのチェックとともにケア内容や気づきなども日単位で記録できる、生活機能の変化をレーダーチャートで表示できるため状態把握が容易といった機能的な特徴がある。

 R4システムの運用を開始してまだわずかであるため、介護サービスの質を評価・向上という成果があらわれるのは、今後の期待だという。実際に運用している現場の職員は、「今まで実施してきたアセスメントと異なるため、慣れるまで難しいというのが実情。まずは、全スタッフがR4そのものをしっかり理解していくことが重要。従来、手書きだった事務作業の軽減など、業務の効率化は進んでいます」と話す。

システム画面
生活機能(ICF)評価入力では、履歴管理や複写機能を使用することで入力作業を簡略化できる。(画面はサンプルです)


医療・介護サービス連携を含め多職種協働を推進

 在宅強化型老健となったことで、より重視されるのが在宅復帰率の向上。「(単に経営的な視点での在宅復帰の推進でなく)多職種連携を強化しながら良質で効果的なケアの提供とサービスの質向上が重要。R4システムの浸透がその実現に寄与するよう取り組んでいきたい」(小川理事長)と期待する。

 小鷹氏も、限られた人的リソースの中で多職種協働を図ることで効率的なケア運営を達成していけるかがポイントだと指摘し、R4システムの運用を成果に結びつけたいと話す。

利用者はリハビリやレクリェーションを通して生活機能回復に取り組む。
 一方、デイケアや訪問看護など居宅系サービス、在宅医療診療所などグループとしての医療・介護サービスを一体化して提供していく実効性を高めるため、医療従事者を含めた多職種連携・情報共有の推進も図っていく。「有床・在宅診療所を併設しているので、患者・利用者として一体的な情報管理・共有は課題の1つ」(事務室 小川氏)といい、ワイズマンの医療・介護連携サービス「MeLL+」に関心を示す。「展示会等で概要を見ていますし、実際に導入提案もいただいています」(同氏)とし、今後導入を検討していくと話す。

病院概要

■医療法人社団 満寿会
 介護老人保健施設 鶴ヶ島ケアホーム
所在地
埼玉県鶴ヶ島市脚折1877
サービス概要
施設入所サービス(定員108人)、通所サービス(定員92人/日、登録約210人)、短期入所サービス、訪問看護サービス、訪問介護サービス
併設施設
鶴ヶ島在宅医療診療所、鶴ヶ島耳鼻咽喉科診療所、訪問看護ステーション、ヘルパーステーションぺんぎん、鶴ヶ島市高齢者相談支援センター「ぺんぎん」

■お問い合わせ■

株式会社ワイズマン

〒020-0045
岩手県盛岡市盛岡駅西通2丁目11番1号

TEL:019-604-0750
FAX:019-604-0770
URL:http://www.wiseman.co.jp/

:0120-442-993