疾患名別検索で的確な連携先医療機関を選定 聖路加国際病院の逆紹介率向上に寄与する「メドプラス」

地域医療支援病院はもちろんのこと、地域の中核病院が効率的な医療供給体制を確立するとともに、病院経営を改善していくためには地域医療連携の強化・推進は不可欠。かかりつけ医との連携強化が求められる中で、地域医療支援病院の認定要件において医療連携の指標となる紹介率・逆紹介率の見直しも行われた。地域中核病院の多くが地域連携室の機能強化を図り、退院調整や退院支援に留まらず、地域の情報収集や病院の広報活動を強化することによって、逆紹介や紹介数の増加を狙っている。聖路加国際病院もその1つである。
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3年間で逆紹介率が1.7倍に

 聖路加国際病院の入院患者分布は、立地する中央区周辺が最も多いものの23区外と都外が3割以上を占めている。都市圏の大学病院はこうした傾向が強いが同病院のブランド力もあり、非常に広範囲が診療圏となっている。「そうした入院患者を逆紹介するには、膨大な地域医療機関のデータを収集・管理する必要があります。しかも診療所の開院・閉院など情報の変動もあり、タイムリーに情報収集しなければなりません」。聖路加国際病院 相談・支援センター/医療連携室マネジャーの岡田太郎氏は、連携先医療機関の情報収集・管理の重要性、課題をこう説明する。

聖路加国際病院 相談・支援センター 医療連携室 マネジャー 岡田 太郎 氏

 同病院の医療連携室では、地方厚生局への医療機関届出情報やアンケート調査などで独自に情報収集し、データベース化して活用してきた。こうしたツールを使いながら積極的にクリニックとの連携強化を図り、過去3年間で逆紹介率を1.7倍に高めることができたという。「単に逆紹介できるクリニックを増やすだけでなく、患者さんに責任を持って適切なクリニックにお返しすることが重要です。そのためには疾患別にクリニックを把握し、どのような専門医であるか、あるいは設備環境も含めた医療機関情報を管理する必要があります」(岡田氏)と、逆紹介率向上への取り組み姿勢を話す。

 一方、その実現には、自ら精度の高い医療機関情報を収集・管理することの業務負担が大きいことが課題だという。そこで聖路加国際病院が導入したのが、Appdateの「メドプラス」である。

現役医師監修の疾患名による施設選定

 メドプラスの最大の特徴は、特許出願中である疾患名ベースで地域医療機関を検索できる技術にある。疾患名に加え、合併症を入力すると、対応可能な医療機関の一覧が表示される。各医療機関の詳細情報としては、医療機関名、住所、電話/FAX番号、診療科目、外来受付時間、理学療法士や作業療法士などのコメディカルの在籍状況などが収載されている。

疾患名および合併症名による検索、さらに具体的な薬剤処方などの処置対応力などで適切な連携医療機関を選定可能

 また、疾患名と合併症名で検索する際に、それらの処置対応力として経過観察、薬剤調整、専門治療の3つの対応力いずれかを付加選択して検索することも可能である。この基本3対応とは別に、具体的な薬剤調整ができるかどうかも候補リストから選択することもできる。例えば、疾患名に「2型糖尿病」を入力した場合では、「SGLT2阻害薬を処方できる」「インスリン調整ができる」「GLP-1受容体作動薬(自己注射)を処方できる」など、具体的な薬剤調整が可能かどうか、などである。また、検索で抽出された医療機関は地図上にマッピングされて表示することもでき、通院の利便性も考慮して紹介できる。

検索した連携医療機関は地図上にマッピング表示可能。

 「対応可能な疾患で検索できることは、非常に大きなメリットです。また、対応可能な薬剤調整で具体的に検索できる点は、継続した薬物療法を行えるという意味で有効です。こうした詳細なデータの収集、分類手法などを現役の医師が監修・収載しているため、信頼性が高いと評価しています」(岡田氏)。

連携医との関係強化にCRM機能活用

 患者の疾患、状態に合わせた的確な連携医療機関を見出すことに加え、かかりつけ医との間に紹介・逆紹介を継続していくためには、いかに連携医療機関との関係性を維持・強化できるかが重要である。患者の紹介・逆紹介をスムーズに行える環境を整えることは、病院経営の改善につながるからだ。

 一般企業は顧客との関係強化を構築・維持していくために、CRM(Customer Relationship Management)戦略を展開する。今では多くの企業が顧客の情報を効率的に共有・管理するために、CRMシステムを導入している。

 メドプラスのもう1つの特徴は、連携医との関係を営業日誌として残し、地域連携室内での共有を可能にするCRM機能も実装されていることだ。「連携先の新規開拓は非常に重要であり、限られた時間ではあるが、実際に連携先医療機関を訪問し、信頼関係を築くことが大切。訪問で得られた詳細な医療機能、機器・設備、患者受け入れ体制などの情報を随時蓄積し、スタッフで共有しています」(岡田氏)とし、訪問履歴を蓄積・共有することの重要性を強調する。

 訪問日誌という形で蓄積された情報は、訪問したスタッフ以外にも共有され、病院内の誰もが参照・活用できる。連携先医療機関との関係性強化とともに、情報を病院の資産として生かすことが可能になる。関係性の強化は、連携先医療機関からの紹介数上昇、病床稼働率向上へとつながる。メドプラスは、医療連携の促進を通じて病院経営を改善するソリューションとしての価値を持つサービスといえよう。

営業日誌として訪問等の情報をスタッフ間で共有できるため、より効率のよい医療機関との連携が可能になる。
学校法人 聖路加国際大学 聖路加国際病院
東京都中央区明石町9-1

● 院 長 福井 次矢 氏
● 病床数 520床
● 平均入院期間 8.5日
● 紹介率/逆紹介率 55.1%/82.4%(2016年度)
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