低消費電力のインクジェットプリンターが寄与 河北総合病院が取り組む環境活動

環境に配慮した医療の提供を実践している社会医療法人 河北医療財団。その活動の一環として、院内で稼働するレーザープリンターを200台の低消費電力のインクジェットプリンターへ置き換えを図っている。そのプリンターとして採用されたのが、エプソンのA4モノクロインクジェットプリンター「PX-S380」である。河北総合病院 臨床検査科の髙野小百合氏が、その取り組みを「国際モダンホスピタルショウ2019」の出展者プレゼンテーションセミナーで発表した。

理念に基づいた環境マネジメントシステムを構築

河北総合病院 臨床検査科 髙野 小百合 氏

 河北医療財団は、地域医療支援病院である河北総合病院本院(東京都杉並区、331床)を中核として、杉並エリアと多摩エリアにおいて救急医療から在宅療養まで包括的な医療を提供している。「社会文化を背景とし 地球環境と調和した よりよい医療への挑戦」という理念を掲げ、経営方針の重要項目の1つに「地球環境保全」を打ち出している。

 「環境に配慮した医療の提供、目的指向型組織への変革を実現するという目標を掲げ、1997年に環境マネジメント室を発足、環境マネジメントシステム(EMS)構築の取り組みを開始しました」。臨床検査科の髙野小百合氏は、環境対策への取り組み経緯をこう説明する。同氏は当時の臨床検査科環境プロモーターで、現在は東京都病院協会 環境問題検討委員会の委員も務めている。

 環境活動は、「全員参加型を目指して取り組んできた」(髙野氏)とし、(1)環境意識の高揚・教育、(2)社会貢献、(3)省エネルギー、(4)リサイクル、(5)廃棄物の適正処理および減量の5つに関して、それぞれの部署が何を履行できるか具体的な目標を掲げて実践した。具体的には、目標として「不要な電気を消す」と掲げた場合、いつ誰が消灯チェックしたかの記録を残して、結果確認・評価して、実践できていない場合の改善を行う――というPDCAサイクルを回すものである。

 取り組みの一例として、病院業務において環境負荷が大きい消費電力量の抑制がある。財団全体のパソコンディスプレーの83%である699台の輝度調整を実施した取り組みでは、平均輝度を61%に落とすことによって、1日当たりの家庭の消費電力約8軒分に相当する電力削減につながったという。その結果を受け院内のIT機器の見直しを行い、レーザープリンターからインクジェットプリンターへの置き換えプロジェクトが開始された。

電力容量の問題を解決したインクジェットプリンター

 河北総合病院では、診察室3ブースに1台の割合でプリンターが使用されていた。台数の少なさが、医師や看護師など現場職員の業務負荷になっており、各ブースに1台を導入してほしいという要望が上がっていた。しかしながら、「建物自体が古いため電気容量が小さく、電気工事や容量契約変更によるコスト増を考え、台数増加になかなか踏み切れませんでした」(髙野氏)という。その電力容量の問題を解決したのが、エプソンのインクジェットプリンター導入である。

 インクジェットプリンターが、なぜ低消費電力を可能にするのか――。それはインクジェットプリンターとレーザープリンターの印刷方式の違いにある。

 レーザープリンターは、帯電、露光、現像など複雑な工程で印刷を行い、定着には紙とトナーを接触させて印刷する。また、定着の際に熱を利用して印刷するため、消費電力が大きくなる。一方、インクジェット方式は熱を使わずに印刷を行うため、低消費電力での稼働が可能になる。両者の消費電力量を比較すると、エプソンのインクジェット方式はレーザー方式に対して83%もの電力低減を実現するという。この低消費電力という優位性が、河北総合病院のインクジェットプリンター導入の決め手となった。

インクジェットプリンター導入の決め手

消費電力量の抑制と業務効率化を両立

 河北総合病院では、レーザープリンターからの置き換えを順次進めており、最終的にトータルで200台のA4モノクロインクジェットプリンター「PX-S380」が稼働予定だ。電力容量変更の工事を行うことなく、診察室の各ブース1台のプリンター設置を実現している際中である。

 「プリンターの全消費電力で約88%の低減効果があります。これは一般家庭における1日当たりの消費電力約4軒分の電力削減につながり、年間で杉の木が吸収できる二酸化炭素では約116本分の減量に相当します」(髙野氏)。環境対策の取り組みとしても、大きな効果があったことを強調する。

 インクジェットプリンターの導入は、消費電力の低減以外にも様々なメリットを生み出した。導入整備を担当した情報システム部によると、次のような効果を指摘する。1つは1枚目の印刷(ファーストプリント)速度が速いことで、設置した外来診察室では評価も高く、非常に喜ばれていること。

 外来診察室では複数枚印刷することは少なく、処方箋など2~3枚程度の印刷が多数であったため、初期動作が速く少ない枚数をすぐに印刷できるインクジェットプリンターが印刷時間の短縮に効果的であった。

 結果として患者を待たせる時間の減少にもつながっている。

 また、導入前と比較すると消耗品費のコストが約50%削減できているなど、多くのメリットを感じているという。

 さらに現場職員にとっては、プリンターの台数が増えたことで業務効率の向上を実現できたことを高く評価している。各診察ブースへのプリンター設置により印刷物を取りに行く手間がなくなり、看護師、医療・看護補助者の患者との対応時間が増えるなど、サービス向上にも寄与している。

 環境対策の取り組みにおいては、業務に負担がかからないことが前提と言う髙野氏。インクジェットプリンターの導入は、「業務負担が軽減された上に低消費電力で環境負荷が軽減され、本来の環境活動の目的を達成できる導入となりました」(同氏)と述べた。

レーザー方式と比較すると、桁違いの低消費電力
国際モダンホスピタルショウ2019にエプソンが出展 河北総合病院が導入した「PX-S380」をはじめ、医療現場が抱える様々な課題に応える多彩な機器やソリューションを展示。
エプソンが取り組む環境対策

 エプソンは、2019年7月1日より「環境配慮型オフィスプロジェクト」をスタートした。環境配慮型オフィスは、水をほとんど使わずに新たな紙を再生する乾式オフィス製紙機「PaperLab」と低消費電力を特長とする。環境性能に強みを持つ高速ラインインクジェット複合機/プリンターを組み合わせることで、紙を有効に活用しながら資源サイクルを活性化させ、環境負荷の低減に貢献するものである。

 第1フェーズとして、エプソンの新宿オフィス内にオフィス製紙機と高速ラインインクジェットプリンターによる「環境配慮型オフィスセンター」を設置し、オフィス内での紙の再生と低消費電力で使用できるアップサイクル機能を本格稼働した。この取り組みにより、購入するコピー用紙を今後1年で年間約30%削減することを目指し、中期的にはさらなるコピー用紙使用量の削減や、オフィスの電力消費量の削減が実現できるよう取り組んでいく。秋以降の第2フェーズでは、この環境配慮型オフィスをお客様に提供していく活動を強化していく。

■エプソンの環境配慮型オフィスプロジェクト、スタート
https://www.epson.jp/osirase/2019/190701.htm
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