インターネットやPCの普及によって、以前より格段に実施しやすくなった市場調査・アンケート。しかしこの3~4年で、回答者たる生活者のメインデバイスはPCからスマートフォンにすっかり様変わり。しかし、調査サービスの依頼構造は、PC時代のまま変化を見せない。このズレによって、若年層の調査不参加・ライト回答者の脱落による回答の偏り・プロ化などの問題が顕在化してきたのだ。LINEリサーチはこうした課題を真正面から克服し、“市場調査の本質価値”に取り組もうとしている。
生活者に寄り添った商品を次々に開発し、多くのヒット商品を生み出してきた無印良品。そんな無印良品が、例年行ってきたプロモーションに、“無印コアファン”以外の潜在顧客の声を取り入れたことで、成果をさらに上げたという。その背景には、聞きたい相手から本音を聞けるLINEリサーチの仕組みと、その力を最大限に引き出す調査パートナーであるモニタスの知見があった。
無印良品を展開する良品計画は、これまでもユーザー起点での商品作りを重ねてきた。スマートフォンアプリ「MUJI passport」を窓口にしたアンケート、ユーザーとコラボレートする「くらしの良品研究所」、一般家庭を訪問し、暮らしぶりを実際に見ることで家庭内の課題を見つけることを目的とした商品開発手法「オブザベーション」などは、同社らしさをよく表した取り組みだ。
商品開発だけでなく、前述した「MUJI passport」や店頭施策、Webストアなども常にユーザーのことを考えた展開を行っている同社。これら販売促進を担うオープンコミュニケーション部が昨年、同社の中で売り上げの柱の一つともなっている「春の新生活需要」の販促準備のために取り入れたのが、LINEリサーチのモニター調査だ。
オープンコミュニケーション部 インフォメーション担当の滝澤大輔氏は、「2019年は、1年の中でも大きな売り上げを占める春の新生活需要に向けて、モニター調査を行いました。春の新生活のためのモニター調査は今回が初めてになります」と話す。
春は移動の季節。親元を離れる学生や職場が変わる社会人が、新しい拠点での生活に必要な物を買いそろえるという需要があり、ライフステージが変化する学生や新社会人といった若年層の声が必要になる。そこで、「若年層に強いモニターベースを持っているLINEリサーチ」の評判を聞き、利用することにしたという。
「新生活についてのアクティブでフレッシュなデータが欲しかったのです。アンケートは「MUJI passport」でも可能ですが、ここで答えてくださるのは既に無印良品をよくご存じの方で、結果が偏ってしまうと考えました」(滝澤氏)
設問作りなどは、LINEリサーチのオフィシャルパートナーであるモニタスと共に進めた。モニタスは1991年創業のマーケティングリサーチを支援する会社。同社の大きな柱の一つが、このLINEリサーチに関する事業だ。
「消費者の生活環境が変われば、最適な情報を集める手法も変わります。日常的に使われているLINEを活用しての調査は、今の時代を反映できる声を集めるのに適していると考えています」とモニタスの代表取締役社長 林秀紀氏は言う。
では、具体的にどのような調査を行い、その結果、春を迎える無印良品のプロモーションはどう変わったのだろうか。次ページで詳しく紹介しよう。