人生のすべてにおいて、万が一の備えは重要だ。保険商品は、分かりやすい例だろう。スマホにも最近では保険をかけることができる。しかし、保険で購入代金や新しい筐体が補償されても、戻ってこないものがある。それは、写真や動画、連絡先といったデータだ。そういったデータを失わないためにも、バックアップでリスクヘッジしておくのは重要なこと。定期的にバックアップを取ることで、スマホ本体の写真や動画を整理して、容量不足を解消することもできる。
「多くのユーザーはその重要性を分かっていながら、定期的に作業するのは面倒だと感じています」と教えてくれたのは、サンディスク マーケティング部 プロダクトマネージャー の大久保 淳氏だ。同社の調べによると、スマホユーザーの約7割はバックアップを面倒と感じており、約8割は手間をかけずにバックアップを取りたいと考えているという。
「誰もが手軽にバックアップが取れる方法はないか。そう考えたとき、スマホを充電するときに自動でバックアップも取るといったアイデアが生まれました」と大久保氏。そして2019年7月に発売されたのが、「iXpand ワイヤレス チャージャー」だ。
手間をかけずにバックアップしたいというユーザーニーズに応えた「iXpand ワイヤレス チャージャー」。誕生のきっかけは発想の転換だった、と大久保氏は語る。
「逆説的ですが、バックアップを取るという目的を一旦忘れて、誰もがスマホを使うときに習慣として、必ずやっていることはなにかを考えました。それは、充電です。多くの人は、寝る前に電源をつないでベッドに入るのではないでしょうか。寝ている間は、スマホを触りません。バックアップを取る時間としても最適です。そういった発想から、充電といったルーティンワークにバックアップを紐付けたら、面倒という課題を解決し、利便性を大きく上げることができると確信しました」
面倒という課題を解決するために、簡単にできる設定や使い方にもこだわった。本体の準備は、コンセントに差し込むだけ。あとは、App StoreまたはGoogle Play ストアでダウンロードできる専⽤アプリ「iXpand Charger」をインストールして案内に従うだけで設定が完了する。
バックアップされるファイルは、写真と動画、連絡先。絞り込んだ理由を「アプリなどは購入履歴が残っており、復元が可能です。しかし、写真や動画、連絡先は唯一の個人財産。なにより、大切な思い出でもあります」と語る大久保氏。自宅にWi-Fiルーターがある場合はそのWi-Fi経由で、ルーターがない場合はスマホと「iXpand ワイヤレス チャージャー」を直接接続して転送する。
大久保氏は「最近の若い一人暮らしの方は、自宅にWi-Fiルーターをお持ちでないケースも多い。そういった場合でも、『iXpand ワイヤレス チャージャー』とスマホを直接、Wi-Fiで接続できるので、副次的なコストが発生しないのも強みです」と語る。
バックアップの作業は、「iXpand ワイヤレス チャージャー」にスマホを置くだけだ。充電と同時にデータの転送が始まる。データの転送が始まればスマホを離しても転送は続く。最初の転送時は、スマホ内の写真と動画、連絡先のデータをすべて転送するが、容量によっては時間がかかるので、就寝時にセッティングしておくといいだろう。その後は、更新された新しいファイルだけが転送されるので、初回ほど時間がかかることはない。
バックアップしたファイルは、スマホのアプリで閲覧・管理ができる。スマホ内に残す必要がない写真や動画を削除できるので、容量不足の解決にもなるのも嬉しいポイントだ。もちろん、削除しても「iXpand ワイヤレス チャージャー」にはデータはバックアップされており、必要に応じてファイルをスマホに戻すことも可能である。
では、実際に日常のどういったシーンで活躍するのか。次のページで具体例を見ていこう。