日経クロストレンド SPECIAL

コロナ禍で知った“便利さ”を、生活者は手放さないデジタル時代の生活者を惹きつける
Eコマース戦略の極意

CHAPTER02

D2Cを成功させるには、
外部の専門家をうまく使うことが必要

生活者のデジタルシフトに対応するため、メーカーは自社のECサイトを強化して、生活者と直接つながろうとしています。いわゆる「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」と呼ばれる取り組みです。しかし、これがうまくいかないケースも多く見られますが、D2Cを成功させるために企業はどう進めたらいいのでしょうか。

大きく4つのポイントがあると考えています(図1)。企業がECサイトを構築する際によくあるケースが、ECサイトを作ったらそれで満足してしまい、そこで手を止めてしまうことです。企業を支援する立場からすると、実はそこがスタートラインで、継続的に成長していくための改善活動が欠かせません。

ところが、構築だけを完璧にやろうと集中しすぎていると、その先の準備をしていないことが多々あります。特に、外部の協力会社が構築だけやって、後のことは面倒を見ませんという場合、もうお手上げです。

図1

他にも、ECの変革を目指している一方で、実際のシステムは古いものをベースに改修しようというケースもよく見られます。システムを変えると仕事が変わってしまうことを恐れるためです。しかし、それでは根本的な解決になりません。

総論では賛成でも、現場に降りていくと、業務プロセスを変えるなんてとんでもないという雰囲気になることはあります。ですが、自社の組織や業務を変えずに、ツールだけを変えても、真に顧客のほうを向いた変革にはなりません。

改革の機運を萎えさせないためにも、うまく外部のパートナーの力を使っていくべきということでしょうか。

まさにそうだと思います。我々のように第三者的な立場からのアドバイスは、こういうときに有効です。私は、プロジェクトに入るときに、「内部を説得するために、我々をうまく利用してほしい」と話しています。

自社で進める際には、必要な人材が少ないという問題もあります。

消費行動の多様化に対応するため、企業はコミュニケーションの再設計が必要になっています。その設計を実現するために、どういうテクノロジーやデータが必要なのかも考えていかなければいけません。これにはかなり高い専門性が求められます。また、いろいろな社内の利害関係者との調整も、マーケターにとって重要な仕事です。デジタル分野でこうした豊富な知識と各所の調整業務ができる人材は、不足していると思います。

ECの領域はスピード感が大事です。小さな取り組みを繰り返して、失敗は修正し、成功したものは横に広げていくことが重要です。自社の社員だけでそれに追いつくのはかなり難しくなっています。うまく外部のパートナーを使って、施策のスピードを上げていく必要があると思います。

杉本 昭彦
日経クロストレンド 発行人
杉本 昭彦
AKIHIKO SUGIMOTO
日経BP入社後、『日経ネットナビ』、日本経済新聞社東京編集局産業部などでインターネット業界の取材を長年続ける。2007年の『日経ネットマーケティング』(日経デジタルマーケティング)創刊時より副編集長、13年4月、編集長。14年1月、『日経ビッグデータ』編集長。18年4月より日経クロストレンド開発長 兼 日経クロストレンド副編集長、19年4月より現職。
CHAPTER03

合併で、企業の顧客体験を
一気通貫に支援できる体制が整った

電通デジタルは2021年7月に電通アイソバーと合併しました。両社が1つになることで、顧客企業の課題解決にどのような強みを発揮できるようになったのでしょうか。

電通アイソバーの母体であるアイソバー(Isobar)は、英国・ロンドンを拠点に全世界で企業の顧客体験向上をテーマに活動してきました。目指しているのは企業、ブランドと顧客の「特別な、長い関係性」の構築です。そのための戦略立案から技術導入までを行ってきました。中でも、セールスフォース・ドットコム、アドビなどが提供している大企業向けコマースプラットフォームの開発に強く、顧客体験向上のUI/UX構築で多くの実績を上げています。このアイソバーが持つグローバルの知見は、今後も電通デジタルから日本の企業に提供していきます。

電通デジタルは、デジタルマーケティングという言葉が出てくるかなり前から、その本質を実施してきた企業です。多くの顧客企業に対して、製品やサービスの認知から、購入までのコミュニケーション全体の変革を支援してきました。ここに、コマース領域で高い技術と豊富な知見を持った電通アイソバーの力が加わることで、マーケティング、販売の構想から開発、実装、運用までのフルサービスを、さらに高いレベルで提供可能になったと考えています。

合併により、社員数約2000人と国内最大規模のデジタルマーケティング会社になりました。メンバーの多くはデジタルマーケティングや業界知識が豊富な人など、各分野で強みを持った専門家が集結しています。企業の課題を一気通貫で解決する能力が、より深みを増して強化されたと感じています(図2)。

図2

デジタルマーケティングの分野には非常に多くのサービスベンダーが存在します。その中には開発だけをして、運用や成長戦略は支援しない(あるいは、できない)企業も多いのですが、新生・電通デジタルは国内最大規模のデジタルマーケティング会社として、実行すべきすべての能力を備え、一貫した支援体制が取れるようになったと思います。豊富な経験を持った第三者として、必要に応じてプロジェクト全体を牽引できる力も備えています。

既にEC分野で多くの企業を支援しています。一例を挙げますと、とあるECのリニューアルプロジェクトでは、マーケティングオートメーション導入やライブコマースの仕組み化、実施など、包括的な顧客体験の向上に取り組んでいます。

こうした事例を含めた電通デジタルの取り組みを紹介するウェビナーイベント「Commerce Week 2021 顧客視点のコマース変革最前線~収益化をもたらすデジタルコマースの在り方と変革への道しるべ~」を、10月25日(月)~29日(金)の5日間開催します。コマースのトレンドや事例をはじめ、デジタル広告の最新技術も幅広く配信します。ぜひご視聴ください。

Commerce Week2021

コマース領域に対して生活者の期待は高まっています。この期待に応えるのは企業にとっての命題です。我々はそれを支える企業として、チャレンジし続けていきたいと考えています。

DENTSU DIGITAL
株式会社電通デジタル
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