ディープラーニングで変わるビジネス ディープラーニングで変わるビジネス

酒蔵という枠組みを超えて

三浦氏は言う。「それぞれの酒蔵という枠組みを超えて、可能な部分の情報を共有し合い、協力していくきっかけにして、伝統産業を盛り上げていきたかった」。

門外不出の技を囲い込む酒蔵もある。当然といえば当然。だが、その数は減少傾向にあるというのもまた現実だ。国税庁の調べによれば、2000年には1977あった全国の清酒製造業者数は、2016年には1405まで減っている。こうした状況を、業界のDXによって反転したい。活用したのが、ディープラーニングだったというわけだ。

実証実験を手掛けた久慈氏にしても、自らの酒蔵で杜氏の後継者で困っていたわけではないようだ。実験で確かめた内容は、また別の酒蔵が引き継いで実際の活用に向けて調整中だという。三浦氏が目指す、お互いがつながっていき、協力し合うことが少しずつだが始まっている。

日本酒

大切なのは、想像力と寛容さ

日本酒造りとディープラーニング──。

伝統と先端技術を結びつけるには「想像力と寛容さが大切だと思うんです」と三浦氏は言う。

何しろ、話す言語は違うし、仕事の進め方も大いに異なっている。だから、「寛容さがないと両者の距離は近づいていかない」(三浦氏)。また、相手の身になって考える。そんな想像力も必要だという。その二つがあれば、伝統と先端の距離は縮まり、イノベーションが起き、そして業界のDXが進みやすいと三浦氏は説く。ちなみに同社の社名は、こうした「あいま」をつないで、大きな変革を呼び起こすことをイメージしてつけたという。

DXのため投資も実践

伝統産業の持続支援、あるいは承継支援に向け、4月21日、三浦氏は次なる大きな手を打った。未公開株に投資するプライベートエクイティ(PE)投資会社の設立を発表したのだ。地域の酒蔵やバス会社など、既存ファンドの投資が行き渡っていない、社会に大切な企業へ投資する。こうした産業をディープラーニングでDX支援し、それに必要な資金も手当てする体制を整えた。

設立の記者会見で、運営会社である志本(東京・港)の共同ファウンダーとなったアレン・マイナー氏は三浦氏をこう語った。「酒蔵などを含めて、地域の人々を結びつける大きな力のようなものを持っている」。日本オラクル初代代表で、日本でのベンチャー投資家としても著名な人物である。あいまをつなぐDX。果たして、どこまで伝統産業を変革できるのだろうか。

imaの三浦社長(左)と、インタビュアーの日経BP 杉山俊幸

imaの三浦社長(左)と、
インタビュアーの日経BP 杉山俊幸

聞き手

インタビュアー
日経BP 総合研究所 主席研究員

杉山 俊幸

日経ビジネス副編集長、日経ビッグデータラボ所長、日経クロストレンド発行人を経て、2020年1月から現職。

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