ディープラーニングで変わるビジネス ディープラーニングで変わるビジネス

子どもの写真一枚あるだけで、保育施設と家庭が笑顔で一つに。
一人で子育て、悩んで育児。そんな状態をチーム育児へ変えていく。
“いい写真”を撮るため、可視化にディープラーニング。
保育士不足に挑み、少子化を克服へ、ユニファが仕掛ける保育業界DX。
社長の土岐泰之氏は、もう一つのディープラーニング活用を考えていた。

必ずしも最初から、保育施設が抱えるペイン(痛み)をデジタル技術で支援し、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)で保育業界を変革しようと取り組んできたわけではない。自身も“主夫”に近い経験をし、見知らぬ土地で戸惑うことも多かった。みんなで子育てをする“チーム育児”という考え方が広がればいいのにと思ってきた。保護者と保育施設をつなぐプラットフォームあるいはインフラを作りたい。そう考えた土岐泰之氏の作った会社が、保育施設をデジタルで支援するユニファ(東京・千代田)である。今から8年前、2013年5月のことだった。

写真で園児と家庭を
つないでみる

「保育施設での写真が1枚あるだけで、保護者や祖父母と、そこに通う子どもとの会話って、ものすごく盛り上がるなって思っていたんです」と土岐氏は語る。チーム育児を進めるきっかけとして、保育者に園児を撮影してもらって、その写真を保護者へ販売するサービスを始めてみる。ユニファは、撮影機器やシステムなどインフラを提供する。

すぐに見えてきたのは、深刻な現実だった。保育者は慢性的に不足している。厚生労働省によれば、2021年1月の保育士の有効求人倍率は2.94倍で、全職種平均の1.15倍より大幅に高い。つまり足りていない。

施設内や自治体、保護者への報告書類にせき立てられながら、お昼寝タイムにはうつぶせ寝をチェックする。せっかく撮った写真を保護者へ見せても、うちの子はどこに写っているの、子どもの下着が見えてるじゃない、写真がブレている、とか言われてしまう──。

お互い別に悪気があるわけじゃない。ただ、どこか、ぎくしゃくしている。それらの歯車を回し始めたのは、AI(人工知能)の中でも画像認識などを得意とするディープラーニングだった。それを使えば「写真の内容を、保育者の代わりに自動で判別してくれるはず」。土岐氏はそう考えた。

ユニファ

事業内容:AIやIoTなどを使った保育関連テクノロジーの研究開発、それらを使ったサービス「ルクミー」シリーズと「スマート保育園・スマート幼稚園・スマートこども園」の企画、開発、販売、運営。/本社所在地: 東京都千代田区/設立:2013年/従業員数: 約200名 ※派遣スタッフ・パートなどを含む(2021年4月現在)

我が子を優先表示、
不適切画像も自動排除

保育者が撮影した写真は次々とクラウドへアップされていく。そこへ保護者がアクセスした際、事前に自分の子どもの顔を登録しておけば、自然と自分の子どもが上位に表示される。ブレていたり、不適切な画像が含まれる写真は自動で判別。保育者の手間は大幅に減った。土岐氏によれば「ディープラーニングほかデジタル技術の導入で、従前より業務時間が65%減った保育施設もある」という。

気づけばユニファは、「保育施設サイドのペインを軽減する立ち位置になっていた」(土岐氏)。保育者の負担が軽減されれば、気持ちにゆとりが生まれる。すると子どもの写真をもっと撮ってあげたくなる。いい写真が撮れれば、保護者への販売枚数も増える。販売額の一部が保育者に還元される仕組みも、保育者の撮るモチベーションを後押しした。

午睡チェックには
体動センサー

さらなる負担軽減には、午睡チェックをなんとかする必要があった。お昼寝のチェックのことで、うつぶせ寝による事故を防ぐため、保育者は常に見張りながら5分おきに乳幼児の体の向きを手書きで矢印で記入する。薄暗い部屋の中での作業なので、保育者のストレスも高くなる。

対策として体動センサーを付けることにした。うつぶせ寝になっていないかをセンサーでチェックする。異常は秒単位で把握できる。NECの感情分析ソリューションを使った実証実験では、導入後に保育者のストレスが軽減されたバイタルデータを確認した保育施設もあるという。ただし、ここで集まる膨大なデータを午睡チェックへの活用にとどめないのが、後に触れていく土岐流の保育DXである。

ユニファ

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ディープラーニングの
知識・能力を検定する「G検定」
2021年7月17日に開催

G検定

ディープラーニングを中心とする技術による日本の産業競争力の向上を目指す日本ディープラーニング協会は、第2回 ジェネラリスト検定(G検定)を2021年7月17日(土)に開催する。G検定はディープラーニングを活用したプロジェクトに関わる全ての人(ジェネラリスト)向けの検定で、プロジェクトの検討・企画・推進のために必要な実践要素を含むリテラシー習得に関する試験内容となっている。合格者には認定ロゴと合格証の配付のほか、協会主催の「合格者の会」やハッカソン、勉強会など、オフラインの場でも合格者同士の交流ができる合格者コミュニティ「CDLE(Community of Deep Learning Evangelists)」に招待される。

「G検定」 詳細ページへ

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一般社団法人 日本ディープラーニング協会
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