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霧島連山の恵みがもたらす清冽な水『霧島裂罅水』霧島連山の恵みがもたらす清冽な水『霧島裂罅水』
研ぎ澄まされた醸造技術で発売から18年間絶好調研ぎ澄まされた醸造技術で発売から18年間絶好調

本格芋焼酎「赤霧島」の人気の理由に迫る本格芋焼酎「赤霧島」の人気の理由に迫る

提供:霧島酒造

“華やかな香り”“果実のような印象”など、香りを特長の1つとする“香り系焼酎”の人気が高まっている。相次いで商品が登場する中、ひときわ存在感を放っているのが“赤キリ”こと本格芋焼酎「赤霧島」だ。蔵元は日本の焼酎ブームの立役者としておなじみの宮崎県の霧島酒造。なぜ同社はヒット商品を生み出し続けるのか。「赤霧島」が支持される理由とは。日経BP 総合研究所の品田英雄が江夏拓三専務に迫った。

焼酎ブームの旗手・霧島酒造が
さらなる改革を起こす

品田この数年、メディアで“香り系焼酎”という言葉が出るときに、貴社の「赤霧島」がしばしば紹介されます。“香り系”志向の高まりを「赤霧島」がリードしているといわれますが、どう受け止めておられますか。

江夏氏いわゆる“香り系焼酎”の市場は、2017年から2020年で約1.5倍(※)に拡大しているようです。一方「赤霧島」は、2003年の発売開始以降、年2回の限定出荷を続け、2018年10月より通年販売を開始しました。購入金額(千人当たり)を見ると、通年販売開始前の2017年に対し、開始後の2019年は1.7倍強(※)に増えています。

品田「赤霧島」の販売数増加に伴い市場が拡大していると読めますね。

江夏氏はい。“香り系焼酎”市場全体における「赤霧島」の購入金額の割合は、19、20年と連続して約8割(※)を占めています。これらの数値から見ると、“香り系”の市場拡大に貢献できていると考えています。

(※) 日経POSデータ焼酎9銘柄をもとに当社調べ

年々拡大する「香り系焼酎」市場の中で、圧倒的な存在感を見せる「赤霧島」。
2019年、20年は消費者の購入金額の約8割を占めた。
(※)日経POSデータ焼酎9銘柄をもとに当社調べ

品田霧島酒造さんといえば、「黒霧島」で2000年代初頭の焼酎ブームをけん引した蔵元として、抜群の知名度と売り上げを誇っておられます。「赤霧島」人気の背景を探るために、まずは貴社の焼酎造りについてお教えください。

江夏氏霧島酒造は霧島連山を望む都城市で、シラス台地でろ過された「霧島裂罅水」(キリシマレッカスイ)を使って1916(大正5)年から焼酎造りを行っています。当地がサツマイモの産地であることから芋焼酎を製造してきたのですが、芋焼酎は都市部の方からは「芋臭い」と言われ、レベルの低いものだとみなされることもありました。それに奮起したのが、私の父、2代目社長の江夏順吉です。「都会の人が感動するようなおいしい芋焼酎を作ろう」と改良に取り組みました。

品田私たちが日常的においしい芋焼酎を飲めているのも、当時の霧島酒造さんの努力があってこそなのですね。具体的にはどのような改良を行ったのでしょうか?

江夏氏「芋臭さ」の原因を分析し、サツマイモからその成分を含む部分を手作業でていねいに取り除くなど、原料の処理等を改善しました。また「江夏式E-Ⅱ型蒸留機」など新しい蒸留機も開発しました。「本格焼酎」という言葉を提唱したのも父です。

 兄が後を継ぎ、私が専務に就任して以降も先代の想いを引継ぎ、1998年に世に送り出したのが「黒霧島」通称“黒キリ”です。これが、「うまみがあって芋臭さがない」と都会の人にも受け入れられ、爆発的に売れました。

品田霧島酒造さんのお名前は、地方創生を話題にする際にもよく登場します。地元の水と特産品を生かし、伝統技術を核に新しいテクニックを積極的に採用することで、地域の伝統品を全国に押し出すことに成功したのですね。では「赤霧島」はどのように開発されたのでしょうか?

江夏氏1990年代初頭に、サツマイモの研究者である山川理先生から、「ヤマカワムラサキというサツマイモを改良して新品種を開発したから、それで焼酎を造れないか」と相談がありました。さっそく製造テストをしたのですが、最初はうまくいかなかった。でも、新しい原料を使えばまた新しい味わいを生み出せるのではないかと考え、山川先生と共に芋の改良と醸造を重ねました。出す以上はどこにも負けないものをつくりたいと、十数年をかけてたどり着いたのが、紫優(ムラサキマサリ)という改良種を原料に、霧島酒造に伝わる白麹を使って仕込む「赤霧島」だったのです。仕込むともろみが真っ赤になることから、この名をつけました。

 少量を販売してみたところ、日ごろ芋焼酎を飲まない女性や若い人からも、「香りがいい」「飲みやすい」と大好評を博しました。紫優の収穫量の関係で数量限定販売だったこともあり、“入手困難な芋焼酎”といわれました。

品田未知の品種を使って開発をスタートさせるには不安もあったはず。それでも可能性を信じて開発を続けたからこそ「赤霧島」のおいしさが生まれたのですね。芋焼酎造りへの並々ならぬ熱意を感じます。

赤霧島の原料「紫優(ムラサキマサリ)」とは?

サツマイモの研究者として名高い山川理博士が当時所属していた九州沖縄農業研究センターが、ヤマカワムラサキという小さな紫色のサツマイモを改良し新品種を開発。これに焼酎の原料として知られる黄金千貫の系統をかけあわせて生み出したのが紫優だ。特徴は滑らかな紡錘形のフォルム。そして抗酸化作用で知られるアントシアニン由来の鮮やかな紫色。南九州のシラス台地が育んだこの新しいサツマイモが、赤霧島の類のない華やかさの元となっている。

農学博士 山川 理 氏

元九州沖縄農業研究センター所長、山川アグリコンサルツ代表。サツマイモの品種改良に取り組む一方、そのルーツや文化面にも精通。「赤霧島」は山川氏の「紫色のサツマイモを使ったらワインのような酒にならないだろうか」というアイデアと、「新しいおいしさで消費者をときめかせたい」という霧島酒造の思いが合致した賜物といえる。

唯一無二のおいしさと飲みやすさで
ロングヒットに

品田「赤霧島」のおいしさを、貴社では「みやびにするっと」という言葉で表現されています。確かに、口に含むと、優雅でフルーティーな香りが立ち、ほのかな甘みが広がって、するっとのどを通っていきます。印象的な味だけれど、食べ物の邪魔をしない。むしろ食べ物と一緒だとさらにおいしくなる。品の良さを感じます。

江夏氏焼酎は口の中をリフレッシュしてくれるんですよ。脂っぽいものを食べても、ちょっと飲むと味覚がリセットされ、次の一口がまた新鮮に感じられる。焼酎好きな人だけでなく、食を堪能したい人にもぴったりです。霧島酒造のブレンダーのお勧めはロックですが、お湯割りだと芋の甘い香りが立ちます。炭酸で割ると、さらに華やかさが際立ち、また違う楽しみ方ができますよ。いろいろな飲み方を試していただきたいですね。

品田このおいしさは原料にも由来しているとお聞きしました。

江夏氏はい、まず「霧島裂罅水」は、発酵を阻害する鉄の含有量が非常に少なく、酒造りに適した軟水です。紫優はワインの色や味、香りの成分として知られるアントシアニンを豊富に含んでいます。これらを原料に、霧島酒造独自の発酵技術と蒸留機を用いて香りを引き出し、ブレンダーが、「みやびにするっと」飲める焼酎に仕上げます。

 実は当初、社員や試飲された方からは好評だったのですが、品評会では「これは芋焼酎ではない」と言われたことも。フルーティーな香りは、焼酎としてはマイナス要因だったのです。でも審査員より、消費者の感覚に近い社員の意見を重視し、販売を開始しました。

おいしさの秘訣は
100%へのこだわり

100%九州産さつまいも

おいしい焼酎造りは地元の恵みがあってこそ。原料のさつまいもは、九州産100%にこだわっています。

100%霧島裂罅水

都城盆地の地下岩盤の割れ目に蓄えられた清冽な地下水、「霧島裂罅水(キリシマレッカスイ)」を100%使用。

100%国産米

安心安全な焼酎をお届けするため、国産米100%にこだわっています。そのうちおよそ3分の1は宮崎県産米。

100%自社工場生産

おいしい焼酎をお届けするため、都城市での焼酎造りにこだわっています。霧島酒造は2つの製造場内に5つの工場を持っています。

品田その結果、消費者から大いに歓迎されたというわけですね。ところで発売以来、味も製法も変えていないとうかがいます。18年の間、人々のライフスタイルも変わる中で、売り上げを伸ばし続けられたのはなぜだとお考えですか。

江夏氏やはり芋臭さがなく飲みやすい点が理由の1つだと思います。クセがないから飽きないのでしょう。また、芋焼酎をはじめとした本格焼酎は糖質ゼロ(※1)・プリン体ゼロ(※2)なので、健康志向が高い消費者からも支持されています。

品田こんなにおいしくて糖質ゼロ・プリン体ゼロというのは嬉しいですね。2000年前後の焼酎ブームの背景にも健康志向があったとお聞きします。

江夏氏そうなんです。主な購入者層の50、60代だけでなく、若い女性にとっても嬉しいポイントですよね。また、製法も味も変えてはいませんが、そうした消費者の志向に応じて新しい飲み方を提案するなど、コミュニケーションは変えています。その点も長く手に取っていただける要因ではないでしょうか。

品田貴社が消費者だけを向いて焼酎造りをしてきたことが、消費者の感性を刺激し、潮流を生み出して、結果的に時代をけん引し続けていることが分かります。

(※1) 食品表示基準による
(※2) 100mlあたりプリン体0.5mg未満を「プリン体ゼロ」と表示

◎飲酒は20歳から。
◎飲酒運転は、法律で禁じられています。
◎飲酒は適量を。
◎妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。