日経クロストレンド SPECIAL
NEXCHAIN

企業間連携で
新規ビジネスを創成
オープンイノベーション」を加速

企業同士が議論する場と
データ連携のインフラを提供

齊藤氏によれば、現在NEXCHAINには35社の企業が参加し、オープンなディスカッションを行っている。例えば、「社内を説得する」という面においては、次のような効果も生まれているという。

「すべての情報には、コンソーシアム内での守秘義務が課せられる為、安心して情報を開示していただけます。さらに、ビジネスアイデアを複数企業と議論する中で、事業構想検討と企業同士のアライアンスが並行して進むことで、社内の巻き込みが容易になったとの会員企業様の声もよく伺います。“あの企業が一緒にやると言っています”という一言は、社内を大きく動かすからです」(齊藤氏)

NEXCHAINではアイデアが実装されるまでのプロセスを次のようなサイクルで行っている。まず、アイデアの創出だ。「テーマを設定してイベントを開催するなど、様々な企業と議論する場を設け、アイデアのタネが生まれやすい環境を用意しています」と齊藤氏。その後、シナリオ検討、PoC実施と移っていき、最後が商用サービスの開始だ。

こうしてアイデアを社会実装する過程では、データ連携のインフラも提供する。「もしご希望であれば、NEXCHAINが持っている基盤を使って速やかにサービスの立ち上げにまで進んでいただけます」と齊藤氏は語る。

フラットな連携が
NEXCHAINの魅力

では、実際にNEXCHAINはどのように活用されているのか、その魅力はどこにあるのかを会員企業に聞いた。まずは電通事業共創局ビジネス開発シニア・ディレクターの上杉剛弘氏だ。上杉氏はNEXCHAINの良さを「新規事業に取り組んでいる異業種の方と話ができるところです。他社視点で自社に新たな気づきを得ることもありますし、社外に同志を得ることは大きな支えになります。社内では言いにくいようなことでも、ここはフラットな場なので、思いきって発言することもできます」と言う。

また、新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が増えた中、NEXCHAINが主宰するオンラインでの会合で自由闊達な議論ができたことも大きなメリットだという。

電通 事業共創局 ビジネス開発シニア・ディレクター 上杉 剛弘 氏

電通
事業共創局
ビジネス開発シニア・ディレクター
上杉 剛弘

一方、NEXCHAINで成立した水道局との官民連携について語るのは、積水ハウス経営企画部新規事業戦略室課長の田原陽一氏だ。積水ハウスは2021年5月から6月にかけて、大阪市で賃貸契約と水道使用開始手続きをワンストップで提供する実証実験を行った。

積水ハウス 経営企画部/ 新規事業戦略室 課長 田原 陽一 氏

積水ハウス
経営企画部/
新規事業戦略室 課長
田原 陽一

「私達が提供する賃貸住宅の入居者の方から個人情報の連携に関する同意を得られた場合、NEXCHAINのプラットフォームを通じて大阪市水道局にデータを提供することで入居者の手続きレスを実現しました。ワンストップでの手続きは、入居者の利便性を高めることと、水道局のコストダウンを両立させます。入居者の個人情報は私達にとっても非常に大切な情報なので、いつどこからどこへデータを送ったかが捕捉できるプラットフォームが使えるのは非常にありがたいです」(田原氏)

NEXCHAINの齊藤氏は、こうした事例が次々と生まれるよう、組織として高い透明性を保ちながら、会員企業との新しいビジネス創出にコミットしていくという。

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