日経クロストレンドSpecial

顧客データ連携による先進的なマーケティングでDXシフトを促進

実店舗を持つ小売業で加速するデジタルマーケティング。顧客データを活用したサッポロドラッグストアーの取り組みについて、同社の坂本武史氏と日経クロストレンド発行人の杉本昭彦が対談した。

地域密着型の新たなドラッグストアの形

杉本昭彦(以下、杉本) 顧客データを活用したマーケティングという点で、サッポロドラッグストアー(以下、サツドラ)さんは先進的な取り組みをされています。具体的なお話を伺う前に、まずは企業概要からお話しいただけますか。

坂本武史氏(以下、坂本氏) 当社は、北海道内で約200店舗、道外で5店舗を展開する地域密着型のドラッグストアです。北海道の中でも、人口の少ない地域では買い物のインフラとしてお客様にご愛顧いただいており、早い時期から食品も扱っています。

杉本 最近はドラッグストアの役割も変化してきていますよね。さらに面白いのは、本社併設の店舗内にはコミュニティスペースも提供していらっしゃいます。

坂本氏 地域コミュニティの活性化を応援したいということで、コワーキングスペースとして貸し出しています。実店舗がある強みを生かしながら、新しいドラッグストアの形を模索しているところです。

杉本 販促とは別に、「サツドラウォーク」というアプリがあると伺いました。これもユニークな取り組みだと感じます。

坂本氏 お客様の健康支援アプリで、歩数計のような機能の他に健康相談ができたり、自治体さんと協力してウォーキング大会を開催することも計画しております。ストアコンセプトが「北海道の『いつも』を楽しく」なので、ブランド力を高める一環としての取り組みですね。

杉本 客層としてはいかがでしょう。やはり女性が多いですか。

坂本氏 AIカメラの分析だと男性が少ないというわけではありませんが、ID-POSシステムの集計ですと、やはり中心は女性ですね。年代で見ると、中心が40代、次に多いのが30代ですが、最近は50代も増えてきています。

坂本氏(左)/杉本(右)
写真左からサッポロドラッグストアー ドラッグストア事業本部 営業企画部 マーケティング担当 マネジャー 坂本武史氏、日経BP 日経クロストレンド発行人 杉本昭彦

独自の共通ポイントで見えてきた課題

杉本 サツドラさんでは、独自のポイントカードシステムを導入されています。今、ID-POSの話が出ましたが、マーケティングはポイントカードを活用されているのですか。

坂本氏 ええ。北海道内で使える共通ポイントカードがあれば、地域密着の面でも優位性が出ますし、自社でマーケティングもできるということで、6年ほど前に北海道共通ポイントカード「EZOCA」を導入しました。開発・運営は、サツドラホールディングスのグループ会社、リージョナルマーケティングです。

杉本 効果はいかがでしたか。

坂本氏 おかげさまで提携店が道内670店、会員数が約195万人に達し、共通で使えるという利便性もあってリピート効果もありました。ただ、課題も見えてきました。ID-POSだけではお客様の属性までは分からないので、マーケティングや販促に活かすにも限界があります。定着率を上げるには、より精密なデータマーケティングができるようなツールが必要だということになったのです。

杉本 確かに独自カードだけですと、属性情報や自社以外での購買行動は捕捉しづらいかもしれません。そこで、新たに活用範囲の広い全国クラスのポイントカードの導入を検討されたわけですね。検討に当たって重視したのはどのあたりですか。

坂本氏 やはり基盤の大きさですね。せっかく導入するなら多様な情報を可視化してマーケティングに活かしたいというのもありましたし、ポイントの利用範囲が広ければ新規顧客の獲得にもつながります。また、EZOCAと併用することで既存顧客の囲い込みにも効果が期待できると考えて検討を進めました。

サッポロドラッグストアー店舗
地域密着型ドラッグストアとして北海道を中心に展開するサツドラ。実店舗の強みを活かしてコワーキングスペースの設置を行うなど、地域コミュニティの活性化にも尽力している
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解決するために導入したのは?