日経クロストレンド SPECIAL

歯周ポケットに着目した『ドルツ EW-DT52』が挑む技術革新

歯周病の患者が年々、増加している。最近は虫歯だけでなく、歯周病対策も重要なオーラルケアと認識されているが、30年以上前から歯周ポケットに注目した電動歯ブラシを開発していたのがパナソニックだ。以来、常に進化を続け、今秋には最新モデル『ドルツ EW-DT52』が発売された。同社商品企画部の細川慎氏への取材から、その技術力に迫る。

音波振動ハブラシ(電動歯ブラシ) ドルツ EW-DT52

歯周ポケットに着目した『ドルツ EW-DT52』が挑む技術革新

歯周病の患者が年々、増加している。最近は虫歯だけでなく、歯周病対策も重要なオーラルケアと認識されているが、30年以上前から歯周ポケットに注目した電動歯ブラシを開発していたのがパナソニックだ。以来、常に進化を続け、今秋には最新モデル『ドルツ EW-DT52』が発売された。同社商品企画部の細川慎氏への取材から、その技術力に迫る。

音波振動ハブラシ(電動歯ブラシ) ドルツ EW-DT52

早くから「ヨコ磨き」の歯磨き指導に着目した
パナソニックの『ドルツ』シリーズ

パナソニックの電動歯ブラシの歴史は、40年以上に及ぶ。得意分野であったモーター開発を活用し、生活を豊かにする小物家電を開発する過程で生まれたという。「電動歯ブラシの開発を始めた当時、歯科の歯磨き指導はタテ磨きが主流でした。その後、歯科の歯磨き指導がヨコ磨きに変化したことを受け、当社では約30年前にヨコ磨きに着目した電動歯ブラシを開発することにしました」と当時の事情を語るのは、パナソニックで電動歯ブラシ『ドルツ』の商品企画に携わる細川慎氏だ。

時代のニーズに合わせて、常に進化した電動歯ブラシを発売しているパナソニックが今回発売した新製品『ドルツ EW-DT52』では、「極細毛ブラシ」「ヨコ磨き」「細かな動き」という3つの要素を強化し、より歯周ポケットのケアを重視した。

歯周病の原因プラークをかき出す

「極細毛ブラシの毛先の直径は、0.02mmを採用しています。これは、歯周ポケットや歯間に入り込んで、プラークをかき出せる細さです。ただ、歯周ポケットの奥まで入り込みすぎると、歯ぐきを痛める可能性もある。そこで、ブラシに3mmの段差を設けました。1mm、2mm、3mmと複数の段差で歯科大学との共同研究を行い、プラークのかき出しと歯ぐき保護のバランスが最もいい3mmを採用しています」と細川氏は言う。

  • ※1 プラークとは歯垢のこと
  • ※2 音波領域内での、ヨコ3万1000、タタキ1万2000 ブラシストローク/分の振動
  • ※3 使用前にお使いのスマートフォンのバージョンが、スマートフォンOS:iOS(iPhone など)13.0以上/Android7.0 以上、Bluetooth®:4.2以上であることを確認してください(2021年7月現在)。なお、ドルツアプリの内容は予告なく変更・削除されることがあります
音波振動ハブラシ(電動歯ブラシ)ドルツ EW-DT52
音波振動ハブラシ(電動歯ブラシ)
ドルツ EW-DT52
独自の「W音波振動※2」や「極細毛ブラシ」で、磨きにくい歯周ポケットや歯間、奥歯のプラークを除去。また、「ドルツアプリ※3」を使うことで、正しい磨き方を実践できる。

実は複雑で難しい歯磨き
正しい磨き方を電動歯ブラシがサポート

また、「ヨコ磨き」を実現したのは、パナソニックの得意分野、モーター開発技術が大きく貢献している。細川氏は、「『ドルツ EW-DT52』では、リニアと回転、2種類のモーターを使用しています。リニアモーターは、毎分3万1000回のストロークでヨコ磨きを実現。正しい場所に正しい角度で当てるだけで、『バス法』『スクラビング法』を再現でき、歯周ポケットのプラークをかき出します」と語る。

パナソニックの調査によると、現在では日本の歯科医師の89%が歯ブラシはヨコに細かく動かす「バス法」と「スクラビング法」での歯磨きを推奨※4しているという。

バス法 スクラビング法
「バス法」は、毛先を歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当てて細かく動かし、歯周ポケットにあるプラーク(歯垢)をかき出す。「スクラビング法」は、毛先を歯の表面に90度の角度で当てて細かく動かし、歯の表面のプラークを除去する。

「実は、歯磨きは、複雑で難しい作業。歯は固く歯ぐきは柔らかいので、磨く力加減も異なります。また、歯間や奥歯の奥は磨きにくいのでプラークが残りやすい。特に、テレビやスマホを見ながらのながら磨きをしている人は、その傾向が顕著です。手磨きでは難しい複雑な作業を機械でサポートする。これが、パナソニックが電動歯ブラシの開発を続けている理由です」

  • ※4 バス法、スクラビング法。歯科医師400人の89%が推奨。2021年2月調査実施。パナソニック調べ

培ったモーター技術を生かして
W音波振動による立体磨きを実現

歯周ポケットケアで重要となるブラシヘッドの「細かい動き」にも、パナソニックのモーター技術が生かされている。

「当社の調べによると日本の歯科医師の多くは、ブラシを1mm幅で細かく動かす歯磨きを推奨しています。大きな動きでは、歯周ポケットというデリケートな部位に対して刺激が強すぎたり、入り込んだ毛先が歯周ポケットから飛び出してうまくプラークをかき出せなかったりします」と細川氏。手磨きでは再現の難しい1mmの動きを、リニアモーターを制御することで実現したという。

さらに2個目の回転モーターがヘッドをタタキ方向に動かし、歯間深くに毛先を届かせ磨くために存在している。ヨコ磨きでも十分にプラークを除去できることを考えると、ある意味、ぜいたくな装備とも言える。

「実は、当社の中でもリニアモーターだけで十分に磨けているのに、さらに2個目の回転モーターを加える必要があるのか、という議論はありました。増える分、モーターのサイズや消費電力を小さくしたり、振動や騒音を減らす工夫が必要になったりしますから。それでも、お客様に満足いただける歯磨き性能が実現できるのであればやるべきだ、という判断で搭載しました」

その判断は正しかった。ヨコ方向の動きとタタキ方向の動きを組み合わせることで『W音波振動』を実現。歯周ポケットだけでなく、歯間の汚れへ立体的にアプローチし、さまざまな汚れをパワフルに除去することを可能にした。

ヨコ磨き タタキ磨き

ヘッドを薄くしつつも
極細毛をしっかりと植え付ける

今秋に発売された『ドルツ EW-DT52』には、従来の電動歯ブラシ業界に一石を投じる新しい技術も搭載された。それが、『薄ヘッド・細ネックブラシ』である。「電動歯ブラシはモーターを搭載するため、ブラシのヘッドが大型化する風潮があり、『奥歯が磨けていない』と歯科指導を受ける一因にもなっています。そこで『ドルツ EW-DT52』ではヘッドを薄く、ネックを細くし、奥歯の歯周ポケットまでブラシをしっかり届かせることで磨き残しを少なくしました」

単にヘッドを薄く、ネックを細くするだけではなく、毛束の植毛に適した厚さを残すための緻密な開発が行われた。

新ブラシ 旧ブラシ

「ヘッドに毛束をしっかりと植毛するには、ある程度の厚みが必要です。ヘッドが薄すぎると、毛束の保持力が足りず毛が抜けやすくなってしまう。これによって、本来の歯磨き性能が確保できなくなるのは本末転倒です。電動歯ブラシは手磨きに比べパワフルに磨く、かつ重量もあるのでこれまでと変わらない品質を確保しつつどこまで薄くできるのか。そのせめぎ合いで開発は苦労しましたが、試行錯誤を重ねて実現しました」

『薄ヘッド・細ネックブラシ』により、奥歯の奥の磨き残しを少なくすることができた『ドルツ』。しかし、ハードだけで完璧を目指すのには限界がある。そこで採用したのが『ドルツ アプリ』だ。

「歯磨きには癖がありますが、専門家が監修したレッスン動画を見ながら歯磨きをすることで、正しい歯磨き方法を身に付けることができます」

さまざまなメーカーから発売されている電動歯ブラシ。実は、ヘッドが動いている方向は各社さまざまである。その中で、細かなヨコ磨きにこだわるパナソニック。それは、歯周ポケットの正しいケアこそが、健やかな口内環境へとつながるという信念からだ。

「電動歯ブラシを使うことで、歯の表面がツルツルになったという話はよく耳にします。しかし、それは部屋の掃除で床の目立つところだけをきれいにしているようなもの。私たちは、目立たないサッシにたまった汚れまでしっかりと落としたい。つまり、自覚症状がない歯周ポケットの汚れこそ、しっかりと落としたいと思っています。まずは、歯科健診で歯周ポケットを測って自分の歯ぐきの状態を把握し、日々のお手入れに『ドルツ』を活用してください」

ドルツ EW-DT52
パナソニックが提案するオーラルケアと健康
パナソニック
https://panasonic.jp/teeth/
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