マーケティングにおける
「これまで」と「これから」のSNS活用
今や、マーケティングでSNSの果たす役割は非常に大きくなっている。一気通貫したSNSマーケティング支援を行うテテマーチ取締役の三島悠太氏は、「この1年、SNSの滞在時間は伸びています。リアルでのイベントの開催が難しい中、企業側も、デジタル上でいかにお客様とつながるかを考え、SNS活用へとシフトしてきました」と語る。

テテマーチ
取締役
三島 悠太氏
その中でより戦略的にSNSを活用するためには、「どのような目的でSNSを使うのか」、その目的を企業が明確にすることが求められるという。
「これまでの時代は、多くの企業はお客様に認知してもらうため、届けたいことを届けるためにSNSを活用してきました。しかし今は、ただ届けるのではなく、しっかりと伝わるマーケティング施策が求められます。単に面を取ればいいというのではなく、ブランドに共感してもらい、そこからの広がりを作れるような、量より質が問われる取り組みが求められているのです」(三島氏)
SNS活用の課題は
売り上げへの貢献が
見えにくいこと
同社はこれまで多くの企業でSNSマーケティングを支援してきたが、常に抱え続けてきた課題があるという。
「SNSを活用しても売り上げへの貢献が見えにくい、成果の実感が得られないというものです。この指摘はこれまで何度も受けてきました」(三島氏)
デジタルコミュニケーションツールの中でも、SNSは消費者の生の声を引き出しやすいという特性がある。そうした声が口コミで広がってきたのは間違いないだろう。しかし三島氏は、口コミの数を増やすことを目的とするのではなく、その先の成果につなげる施策が重要だと語る。

「SNSは、消費者にとってブランドとのつながりを強化できる場です。だからこそ、そのブランドの魅力をしっかり伝える必要があります。企業はSNSを、ブランドへの共感者やファンを見つけ、積極的にコミュニケーションをとる場にしていく必要があるのです」
実際に、毎日ライブ配信を行うことで、手に取らないと分かりにくい商品の特性を伝え、購買に結びつけているアパレルブランドもあるという。
「情報が溢れている今の時代、最も求められるのがブランド体験です。そのブランドに消費者のニーズを満たす商品があったとしても、ブランドそのものを認知してもらい、共感してもらい、ロイヤルティを高められなければ、消費者はその商品を選びません。特に今は、個人に届く情報がパーソナライズ化されているので、出会える情報が限られています。いかにして伝え、深め、買ってもらい、関係を構築した上でSNSでシェアしてもらうか、そのプロセスを重視する必要があります」(三島氏)
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