日経クロストレンド Special
テテマーチ

SNS活用の課題と
売り上げにつながる
ソーシャルコマース戦略

マーケティングは「点」ではなく
全体の施策が重要

では、消費者に対してどのような情報を届け、どのような体験をしてもらうべきなのか。三島氏は、3つのポイントを挙げる。

「まず、好感度を上げること。単に認知してもらうのではなく、好感認知を向上させ、エンゲージメントを高める必要があります。次に、純粋想起率の向上です。この商品ならこのブランド、こんな課題があるときにはこのブランドのアカウントを見ればいいと想起してもらうためのコミュニケーションが必要です。それから最後に、LTVを向上させること。一度買ってもらって終わりではなく、ファンになってもらい、継続的にコミュニケーションを続けることで、リピートをしてもらいます。点で終わらせず、関係を続けるのです」

SNS活用における3つのテーマ

こうした仕掛けをするために、同社では「サキダチラボ」と名付けた調査機関を運営している。

「SNSと様々なデータを結びつけて、どのデータや指標が売り上げに貢献しているかを調査しています。SNSプラットフォームごとの分析も可能ですし、それぞれのSNSでのどのようなアクションがどういったインパクトをもたらすかも調査できます。そうしてつぶさに見ていくと、SNSからeコマースへの直接の送客だけを見ていたら見落としてしまう、間接的な貢献も可視化できます。今後、より調査を進めることで、SNSの売り上げ貢献度を明確にできると考えています」(三島氏)

マーケティングの設計を見直し
顧客目線で本質的な価値を提供

また、三島氏は、SNSへの過度な期待が誤解を生んでいるケースもあると指摘する。

「それほどコストやリソースを使わなくても、大きな成果が得られるという誤解です。まだまだ企業のSNSへの理解は浅いのかもしれません。例えばSNSにはきれいな写真を載せて世界観を伝えればいいという、古い常識を引きずっている企業もあります。しかし今は、投稿内容そのものに有益性が求められています。例として挙げられるのが、商品の使い方や、サービスに関連したTipsといったお役立ち情報です。画像として“きれい”や“かわいい”など、目を引く好感度の高いクリエイティブを作るのも重要ですが、同時にその投稿自体にユーザーメリットがあることが必要になっています。また、SNSではあらゆる業種に共通する“勝ちパターン”はありません。企業・ブランドの業界や事業規模、ターゲットとしているユーザーによって効果的な施策が大きく異なるからです」

だからこそ、そうした実態にいち早く気づき、早期にマーケティング戦略を見直すことは、競合他社を引き離すことにもつながる。

「今後、SNSコマースは確実に拡大していきます。そうした時代には、SNSで消費者とコミュニケーションを取ること、情報を収集することの重要性が上がります。常にユーザーのニーズを探りながら、ブランドの価値をコンテンツとして届け続ける。それによって、消費者にSNSでその体験を発信したくなってもらう。そうしたサイクルを作り続けることが重要です」(三島氏)

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