日経クロストレンド Special
“おいしさ”でビール市場に革命を。「キリン一番搾り 糖質ゼロ」
立役者・山形常務に訊く大ヒットの裏側

一番搾りのおいしさで、糖質ゼロ。奇跡の組み合わせで日本中を驚かせた「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は、2021年も驚異的な売上を更新し続け、12月には史上最速※1で約2.5億本を記録※2。その勢いは今なお衰えを見せず、新年から大きな注目を集めている。ビール市場の革命児は、どのようにして生まれたのか。キリンビール常務執行役員でマーケティング部長の山形光晴氏に聞く。

※1 キリンビ-ル過去10年のビール新商品
※2 発売後累計出荷本数(350ml缶換算)

——2020年10月の新発売でビール市場に衝撃をもたらし、2021年も快走し続けた「一番搾り 糖質ゼロ」。この1年を振り返ってみていかがでしたか。

まずは、お客様が本当に求めているものをお届けできたことをうれしく思っております。多くのお客様から予想以上のご反響をいただき、ビールカテゴリーの中でも注目を集めることができました。

「一番搾り 糖質ゼロ」発売後にビール市場は大きく拡大しており、カテゴリー全体の活性化の源泉となっていると感じており、うれしい限りです。「一番搾り 糖質ゼロ」によって、お客様の中で今までのビールの常識が変わったのだと思います。これまでビールは「おいしく飲むには糖質を気にしなければならないもの」でしたが、「おいしさを我慢せず、さらに糖質にも気兼ねなく飲めるもの」になりました。

キリンビール 常務執行役員
マーケティング本部 マーケティング部 部長
兼事業創造部 部長

山形 光晴 氏

実際、「一番搾り 糖質ゼロ」はビール好きのお客様に好評いただいています。また「一番搾り 糖質ゼロ」ユーザーは、ビール自体の飲用量も増えていることが分かっています。ビール市場に革命を起こしたのみならず、市場全体の拡大にも貢献できたのだと自負しております。

発売以来驚異的な売り上げで推移してきた「一番搾り 糖質ゼロ」。2021年12月には史上最速※3で2.5億本の売り上げを記録した※4

※3 キリンビ-ル過去10年のビール新商品
※4 発売後累計出荷本数(350ml缶換算)

——「一番搾り 糖質ゼロ」と、これまでの糖質ゼロ・オフ商品との違いはどこにありますか。

糖質ゼロ・オフのビールとしておいしいもの、ではなく、まずビールとしておいしいものをつくろうという想いが根本にありました。そのために弊社のフラッグシップである「一番搾り」ブランドで糖質ゼロをつくろうと決めました。一番搾り麦汁だけをつかう当社独自の「一番搾り製法」をベースに、麦芽の選定から仕込み・発酵の方法や温度を細かく調整して糖質ゼロを実現。ビールづくりの王道を貫くことで、おいしさを徹底追究しました。ビールで糖質ゼロを実現したのは日本初※5の試みでしたから、革新的な違いといえるかと思います。※5 ビールで糖質ゼロを実現した国内で初めての缶商品(Mintel GNPDを用いたキリンビール調べ)

——一番搾り製法でつくったから「一番搾り 糖質ゼロ」。フラッグシップの名に恥じないおいしさへの自信が感じられます。

私たちは、一番おいしいビールを目指して、「一番搾り」をつくっています。「一番搾り 糖質ゼロ」は、製法だけでなく、そのおいしさも含めて「一番搾り」と名乗れる味わいを実現できた。だから、堂々と自信をもって「一番搾り」ブランドから発売しました。

「おいしい糖質ゼロ」を世に出すだけなら、開発に5年もかからなかったかもしれません。「一番搾りのおいしさのビール」として納得のいくものができるまで、全社をあげて妥協せずチャレンジしたからこそ、今の評価につながっているのだと思います。実際、この商品名から「一番搾りのおいしさ」を想起されるお客様は多く、購入者の約7割が「一番搾りブランドだから」を選択理由に挙げておられます。そして、飲んでみておいしいと実感されたお客様の輪が広がったことが、2.5億本の売上に結実したのではないでしょうか。

——お客様からはどのようなお声があがっていますか。

「いつもの一番搾りと変わらないおいしさ」「ビールのおいしさそのままで糖質ゼロなんて夢のようなビール」といった声を多数いただいています。なかには、「大好きなビールを、糖質を気にせず飲めるようになりました」「これからはおいしいビールもガマンせずに楽しめます」とお手紙をくださる方もおられ、チーム一同うれしく感じております。

「一番搾り 糖質ゼロ」ユーザーの多くは、ふだんからビールを飲まれている方々です。そうしたお客様にとって、これまでの糖質オフ・ゼロ系のビール類は「ビールの代わりにガマンして飲むもの」という認識があったようです。だからこそ、「一番搾りのおいしさで糖質ゼロ」の本商品は驚きをもって迎えられ、「夢のようなビール」とまで形容していただけたのでしょう。

「一番搾り 糖質ゼロ」は、お食事どきやお風呂上がり、一日のお仕事終わりなど、ビールが飲みたくなるシーンで選ばれることが多く、その点からも「一番搾り」となんら変わりなくお楽しみいただけていることがわかります。

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