「アメリカ大豆」が支える日本の大豆食品 食品業界の二大新潮流「プラントベースフード」「サステナブル調達」に迫る

日本の食品業界において、急速な広がりを見せている「プラントベースフード」。
一方、多くを輸入に頼る原料の大豆においては、「サステナブル調達」実現が求められている。
食品業界の二大新潮流の動向に迫る。

輸入原料調達でも広がるサステナブル調達の動き

植物由来の食品、いわゆる「プラントベースフード」という言葉を耳にする機会が増えている。その代表が、大豆を原料として作られる食品群。今や、肉の代替品として話題を集めた大豆ミートだけでなく、ヨーグルトや麺類、デザートと、急速に多様化が進み、プラントベースフードは日本の食品業界の新たな潮流となっている。

大豆食品は「植物性たんぱく質が摂れる」ことで、人気に拍車がかかった。豆腐を主役に電子レンジで温めるだけの手軽さが人気の「ひとり鍋」シリーズを販売する相模屋食料代表取締役社長の鳥越淳司氏は、「もともと好調の『ひとり鍋』シリーズでしたが、2021年秋より1食あたりのたんぱく質量をパッケージの目立つところに記載したところ、さらなる売り上げ増加につながりました」と話す。

また、「もっと“植物由来”」をテーマに植物置き換え食品、トップバリュ「Vegetive」シリーズを展開するイオントップバリュでは、国内のスタートアップが開発した発芽大豆を原料の一部に採用した大豆ミンチやそれを素材とした大豆ハンバーグなどを販売。同社畜産商品部長の杉本浩也氏は、「グループを挙げて、イニシアティブを取って、この分野に取り組んでいきたい」と語っている。

一方、大豆は日本の伝統食であるにもかかわらず、その多くを米国からの輸入に頼っているのが現状で、全世界的に求められている「サステナブル調達」への取り組みという喫緊の課題もある。農林水産省は21年5月、「みどりの食料システム戦略」を策定し30年までに海外農産品の原料調達についてもサステナブル調達を実現するという目標を明確にした。

こうした動きを背景に、サステナブル調達の実現に向けて、相模屋食料は、アメリカ大豆を原料とする「ひとり鍋」シリーズに今春からSSAP認証マークを導入する予定。SSAP認証マークとは「サステナブルな大豆」であることを証明する認証マークのこと(下記参照)。企業責任としてのサステナブルな取り組みを一般消費者に目に見える形でアピールするのが、導入目的の一つ。今後、多くの大豆食品売り場で目にすることは間違いないだろう。

「アメリカ大豆のサステナビリティ認証」の
4つのルール

1
生物多様性と生態系の維持

生産地域を制限して、森林を伐採せずに、生態系を守りながら生産する

2
サステナブルな生産活動

「保全耕期法」他の法律に基づき、輪作やGPS技術などを活用した精密農業を取り入れ、環境を守りながら生産活動を行う

3
生産農家の労働環境改善

労働者の健康と福祉に留意し、サステナブルな手法(無駄なエネルギーを使わない、肥料・農薬は最小限に正しく使う、水質を守る)で生産管理する

4
生産活動と環境保護の継続的改善

継続的な生産活動の改善と、環境保護の向上を目指す。これらの実現のために技術やデータを利用する

日本でも広がるSSAP認証マーク
ロゴ:SUSTAINABLE U.S. SOY

環境への負荷が少なく、サステナブルな方法で生産された大豆とサプライチェーン業者に対し、出荷先の要望に応じて、輸出時に証明書を発行する制度。4つのルールに基づき「サステナブルなルールを守って生産された大豆」であることを証明する認証マークも発行している。

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