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先が見えない未来を、見えるものに変えていく マイナビが目指す顧客体験価値とは
 先が見えない未来を、見えるものに変えていく マイナビが目指す顧客体験価値とは

人材情報や広告をはじめ、ウエディング情報、ニュースメディアなど多種多様なサービスを展開するマイナビ。同社のデジタルテクノロジー戦略本部長を務め、デジタル戦略の要でもある坂本一弘氏にマイナビが目指す理想の未来図とCX向上戦略について話を伺った。

50以上のサービスをつなぎ
一気通貫で顧客体験価値向上を目指す

様々な領域でサービスを展開するマイナビはどのような顧客体験価値を重視しているのだろうか。
「パーパスにも掲げていますが、時代を越えて、一人ひとりの可能性と向き合ってきたマイナビは、先が見えない未来を、誰一人取り残さず未来が見える世界に変えていきたいと考えています。そのためには顧客体験価値をさらに上げていく必要があると昨年あたりから社内で議論しています。
その上でマイナビにとっての顧客体験価値とは、人材事業であればまず採用・マッチングができること。さらにその人が気づいていない可能性にどれだけ早く導くことができるか。それが最重要な顧客体験価値になると考えています。
我々の部門にはテクノロジーとマーケティングの専門チームがいて、行動データを元に一人ひとりに適したことを提案できます。それを、サービスを超えてやっていこうと考えています。ある人が転職サイトやニュースメディアを使ってどんな情報を探したか、そこからインサイトを探って、次の行動を予測する。そんなマーケティングができれば理想です。自分が思う前に気づかせてあげること、そして自らの可能性に気付いていただくことが最良の顧客体験価値だと。それを目指して、データを活用しながら取り組んでいるところですね」

例えば移住をしたい人がいれば、まず仕事を探して次に住まいを決める。マイナビは不動産サービスも有しており、地域コミュニティのサイトもある。一連の行動変容の中で、マイナビグループが提供する50以上のサービスを一気通貫で使えるのが強みだ。
「現代の社会では、多くの事業が横で切られている。それはユーザー視点ではなく、ビジネス視点でそうなっていると思います。単発の事業で収益を上げる方が商品は分かりやすくて、収益構造としても非常に分かりやすいです。それを縦軸で全部をつなげると基盤構築やマーケティングの管理が大変で難しいですし、収益観点でも複雑になります。ただ、それでも当社は様々なサービスを縦でつなげていけばユーザーはより効率的な情報収集、サービス体験の向上ができるはずだと信じて、そこにチャレンジしていきます」

多様なサービスを縦軸でつなげようというマイナビのCX戦略と、未来が見える世界をつくるというパーパスはどうつながっているのか。
「なりたい未来像は誰しもが持っているわけではないと感じています。我々はそこに多くの気づきを与えたい。複数の選択肢を提供し、その人の可能性に対して適切な情報を届け、一歩でも前に進めるようにする。それが我々のパーパスに一番近いのかなと。例えば就職活動中に、自分の長所ややりたいことが分からなくなってしまう学生さんもいます。自分の適性が理解できていないとファーストキャリアを選ぶのは難しいと思いますし、企業も自社にマッチしているか見極めるのが難しいですよね。そんな実態があるからこそ、個人と企業の双方にとって我々は手助けができると思うんです」

守谷 昭彦 氏

株式会社 マイナビ
上席執行役員
デジタルテクノロジー戦略本部 本部長

坂本 一弘

約2000万人のユーザーデータとAIを活用して
理想的なOne to Oneマーケティングを実現したい

マイナビグループが展開する50以上のサービスをつなぎ、事業の枠を超えて顧客体験価値向上に取り組むとどのような強みが生まれるのだろうか。
「サービスの数が多いことは我々の大きな強みです。人材領域に限らず、ニュースやふるさと納税、ECまで領域も広い。同時に企業や個人を合わせて月間約2000万人におよぶ情報も有しています。今後、このデータをうまく活用して縦につなげていきたいのですが、みなさまに喜んでいただける情報をいかにタイムリーに提供し、気づきを与えられるかが課題ですね。個人単位だけでなく、企業間をつなげることにも取り組んでいきたい。困っている企業同士をマッチングさせて課題を解決するようなこともデータを持っている我々には可能だと思います。しかも、大企業だけでなく中小企業や個人事業者という幅広いデータを豊富に持っていますので、様々な形で企業やユーザーを助けることを実現したいと思っています」

マイナビでは、広告出稿の最適化、サービス間の情報連携のデータ活用、眠っているアセットを利用した効果改善、DX・AIなど様々な取り組みを行っているが、一番力を入れていくべきはAI活用だという。
「究極の顧客体験は、やはり検索する前にその人の行動が予見でき、マイナビのサービスに入った段階で、その人が何をしたいのかが分かること。そのためにはAI活用が必要です。
過去のデータからその人が何をしたいのかを予測し、その人に適したOne to Oneのコミュニケーションで広告を作って提供することを目指しています。例えば、30代の仕事を探している女性に求人広告を見せる場合、もちろん、会社の所在地や給与といった情報の中身は変えられませんが、コピーや写真、見せ方などはその人に合わせて変えられるでしょう。ニュース記事にしても同様で、40代の管理職の人と20代の若手社員では捉え方も異なるはずで、読ませ方も変えたほうがいいですよね。同じニュースでも、その人が見やすいように書かれていたほうがいいし、逆に不要な部分を排除することもできるはずです。マイナビのサービスに訪れたユーザーに対して、その人個人にマッチした情報を検索せずにご提供することができれば、理想的なOne to Oneのコミュニケーションの一つにもなるのではないか。今、そういう取り組みを構想していて、そう遠くない未来、数年後くらいには実現したいと思っています」

坂本 一弘氏

未来を見据えてチャレンジしているマイナビだが、社員もモチベーションは非常に高い。デジタルテクノロジー戦略本部の社員エンゲージメントスコアは昨年と比較して14ポイント上昇。退職率も直近で約2%台となっているという。
「マイナビには若くしてチャレンジできる環境がある。平均年齢が31歳で、若い社員が多い分活気がある会社かなと思います。専門職領域の強化もしているので、多様な職種に携われるチャンスもあります。エンジニアからデザイナーになるとか、デザイナーがデジタルマーケティングに行くとか、希望すれば異なるキャリアに挑戦できる制度もあります。様々な専門職に触れる機会があるということは、広告、デザイン、AI、エンジニアなど、転職しなくても異なる職種にチャレンジができる環境があるんです。それも社員のやりがいにつながるはずです」

さらなる顧客体験価値の向上に向けて、マイナビは何を目指すのか。5年後、10年後にどんなサービスを提供していきたいのか、今後の展望についても坂本氏は語ってくれた。
「何が必要なのかといえば、間違いなくデータだと思います。データのプラットフォームをいかに精緻に捉えられるか。作るだけじゃなく使う側のマーケティングの施策も必要だし、セキュリティー、ガバナンス、データのクリーンルームの構築も課題になる。多種多様な高精度のマーケティングをするのであれば、当然データが最重要になるでしょう。その根元さえ堅固であれば、様々な企画やアイデア、マーケティング施策などは自ずと出てくると私は思っています。まずは、データを活用してしっかり土台を作れるのか、それが2024年の大きなアジェンダですね。
そのための一番の課題は、社内調整とガバナンスです。各種システムをうまく連携しサイロをどう解消するか、実際に使う時のガバナンスをどうするか。プラスオンのアイデアはいくらでも出てくるけれど、実用環境にするための文化の変革やガバナンス、セキュリティー、そこがとても大切なのと、最終的には人が重要です。幸い、当社は人の強さと、質量ともにデータが豊富なことが武器になる。あとは地方を含めて日本国内の拠点を有効に活用したい。そこには人がいますから。

「データは今後より民主化されていきますよね。保有している企業がクローズドな環境で、ビジネス活用のみを目的としてデータ利用を行う時代は、徐々に過去のものになっていると感じています。また、データクリーンルームなどの進化により、よりセキュアにオープン化できるようになってきています。
我々のみでビジネスを考えていくのではなくて、データはもとより当社が持っているアセットをより幅広いユーザー、企業にご利用いただき、様々なパートナー様と一緒に有効活用してチャンスを広げていきたい。マイナビとして、多様な企業や団体のプラットフォームになるという構想を抱いて動いています。そんな社会にしていくことが我々のパーパスである『一人ひとりの 可能性と向き合い、未来が見える 世界をつくる。』にもつながっていくと思いますね」

パーパスに掲げた「未来が見える世界」に向けて、着実に歩みを進めているマイナビ。その構想が実現する時には、多くの企業やユーザーも恩恵を受けることになるだろう。社会的な意義を持つ同社の動向に今後も注目したい。

坂本 一弘氏 坂本 一弘氏

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