Case Study:バイク王&カンパニー

オンラインの顧客接点がますます重要に バイク王が挑むCX変革とその現在地

オートバイの買取・販売店「バイク王」を全国展開するバイク王&カンパニー。同社は今、パートナーのセプテーニと共に、データを活用した顧客接点の高度化に力を入れている。プレイドのKARTE Blocksを活用し、Webサイト来訪者の顧客体験を高める。それによりCVRやブランド価値の向上につなげる狙いだ。セプテーニとバイク王のキーパーソンに話を聞いた。

顧客ニーズの多様化に伴い、Webの接点の見直しが必須に

「バイクライフの生涯パートナー」をビジョンに掲げ、中古バイクの買取・販売をはじめとする多様な事業を展開するバイク王&カンパニー(以下、バイク王)。2024年10月現在、全国に76の直営店を展開しており、受けるバイク関連の相談は年間30万件を超える。

同社のマーケティング戦略において、重要な役目を担うのがデジタルチャネルだ。中でもWebサイトは、テレビ・雑誌などのマス媒体の広告でバイク王を知った人が、サービスを利用する際の最初のコミュニケーション窓口になるものと同社は位置付けている。「検索連動型広告やバナー広告、動画広告など、様々な手法を活用するとともに、それぞれに最適な導線を意識することで、求める情報に対してお客様がスムーズにアクセスできるよう心掛けてきました」と同社の髙須 雅也氏は話す。

株式会社バイク王&カンパニー
マーケティング部門 部門長
兼 電動モビリティ普及推進室長

髙須 雅也

※2024年10月11日 取材当時のものです

株式会社バイク王&カンパニー マーケティング部門 部門長 兼 電動モビリティ普及推進室長 髙須 雅也氏

しかし、従来のWebサイトには課題もあった。デジタルチャネルの利用拡大につれて多様化するユーザーニーズを、正しく捉えきれなくなっていたのだ。

「例えば『バイク王』というキーワードを検索してアクセスしてくる方と、『バイク買取』というキーワードでアクセスしてくる方とでは、求める情報が大きく異なります」と同社の大石 和生氏は言う。前者はブランドを認知しているため、店舗での対応などを詳しく知りたいというニーズが高い。一方、後者はまだ他社も含めて検討中であることが多いため、この場合はバイク王の差別化ポイントを訴求することが重要になるという。

株式会社バイク王&カンパニー マーケティング部門 メディアマーケティンググループ担当 マネージャー 大石 和生氏

株式会社バイク王&カンパニー
マーケティング部門
メディアマーケティンググループ担当
マネージャー

大石 和生

「Webサイトで画一的な情報を提供するだけでは、お客様の期待に応えることができません。ただ、広告のクリック率などの従来の指標だけでは、状況を正確に可視化できず、改善することも難しい状態だったのです」(大石氏)

バイク王が中古バイクの買取・販売の代名詞と言える存在にまで成長できたのは、顧客との関係性をしっかり構築し、納得感を醸成することを重視してきたからだ。このことはリアル店舗ではもちろん、デジタルの世界でも変わらない。

「バイクライフを楽しみながら、その中で買取や新規購入、乗り換えの際の相談相手としてバイク王を選んでもらう。そういった関係性をお客様と構築したいというのが当社の思いです。それには、Webサイト来訪者の要望を把握してエンゲージメントを高めること、およびそこからリアル店舗での接客向上につないで、さらに質の高い購買体験をしていただくことが不可欠でした」と髙須氏は語る。

KARTE Blocksを軸に、パートナーと共にCXを再設計

そこでバイク王は、顧客との関係性を大きく左右する顧客体験(CX)の変革に挑むことを決断。この領域に知見を持つパートナーであるセプテーニと共に、Webサイトの体験向上と顧客ニーズの把握に向けて取り組むことにした。

セプテーニは、バイク王と過去10年以上にわたるパートナーシップのもと、デジタル広告のプランニング・出稿などに取り組んできたデジタルマーケティング支援企業だ。プロモーション施策の企画・設計、広告出稿からデータ活用に基づくソリューション提供まで、トータルにサポートできる点を強みとする。

Septeni Japan株式会社
データ事業本部
ソリューション営業部 部長

今井 涼介

Septeni Japan株式会社 データ事業本部 ソリューション営業部 部長 今井 涼介氏

両社が取り組みに際して採用したのが、プレイドの「KARTE」シリーズだ。

中でも目の前の課題解決に役立つものと位置付けたのが、リーン・サイト運営プラットフォーム「KARTE Blocks」である。リーン・サイト運営とは、サイト運営・改善のアイデアをスピーディに検証して実現することで、Webサイト来訪者の体験と事業成果を継続的に高めるアプローチのこと。KARTE Blocksは、このリーン・サイト運営を支援する多様な機能を備えている(図1)。

図1 KARTE Blocksの特徴

図1 KARTE Blocksの特徴

サイトのあらゆる構成要素を「ブロック」ととらえることで、Webページの編集・更新を簡単・迅速に行えるようにする。A/Bテストやパーソナライズした仮説の検証が容易に実施できるほか、データを集計・分析することで課題の発見やインサイトの深掘りも可能だ

「コンテンツ表示のA/Bテストや施策実施後のデータ管理、UI/UX改善など、顧客ニーズの可視化とCX向上に欠かせない機能を網羅的に備えている点を評価しました。データ分析機能やリアルタイムなレポート機能など、スピーディに改善につなげられる機能が充実していたこともKARTE Blocksを評価した理由です」とSepteni Japanの今井 涼介氏は選定理由を述べる。

また、KARTEシリーズは、Web接客を実現する「KARTE Web」、データ統合を支援する「KARTE Datahub」、広告配信最適化を図れる「KARTE Signals」など、顧客の行動データによる解像度の高い顧客理解に基づいたアクションをあらゆる接点で実行できるよう、多様なラインナップをそろえている。もともと広告戦略を支援してきたセプテーニにとって、これらのプロダクトによってWebサイトへのアクセスから実際の来店時まで一気通貫の体験設計を行える点は重要なポイントだった。ランディングページの最適化で終わらない、バイク王のCX全体の変革につなげていけると判断した。

「ツール自体の使いやすさもポイントでした。各種設定や情報の確認が簡単な操作で行えるため、バイク王様自身が現状を素早く把握できます。取り組みをサポートする当社としても、企画立案や顧客体験の設計など、より戦略的な業務にリソースを集中できると考えたのです」とSepteni Japanの中村 匠氏は続ける。

Septeni Japan株式会社 データ事業本部 ソリューション営業部 課長 中村 匠氏

Septeni Japan株式会社
データ事業本部
ソリューション営業部 課長

中村 匠

ツールの導入で会議が変わり、ランディングページのCVRは従来の140%に

バイク王とセプテーニは2023年秋からKARTE Blocksを活用したWebサイトの改善に取り組んでいる。

「定例ミーティングでは、当社があらかじめKARTE Blocksの管理画面の数字を見て、状況を把握した上でセプテーニとの対話に臨んでいます。そのため、ディスカッションの時間を施策立案などの本質的な内容に充てられています」(大石氏)。これは、情報が見やすく扱いやすいKARTE Blocksならではの進め方といえるだろう。

デジタル広告の受け皿になるランディングページ(LP)については、セプテーニが保有している広告経由の流入に関わるデータを活用することで、来訪者の属性や来訪時間帯などに合わせて最適なWebサイトを表示するようにした。「高度なデータ分析に基づいた表示最適化を図るほか、来訪者のペルソナの仮説を立ててA/Bテストを実施することで、より深いインサイトに基づくCX向上にも取り組んでいます」と今井氏。改善サイクルを高速に回してこられたのはKARTE Blocksの効果といえるだろう。

あるLPでは店舗への問い合わせにつながるCVR(コンバージョンレート)が従来の約140%になった。「CVRは当社の重要なKPIです。連動して、KGI(経営目標達成指数)である契約件数や売上も増加しています」と大石氏は強調する。

さらに現在は、TOPページの分析・改善にも着手している。TOPページはLPと異なり、オーガニックの流入が主になる。そのため、来訪者へのインタビューなども実施してより詳細なインサイトを明らかにするとともに、検索ワード別のA/Bテストなどを繰り返すことで改善につなげている。これにより、例えば「バイク王」で検索してきた人には「具体的な買取のステップ」、「バイク買取」で検索してきた人には「バイク王ならではの強み」に関わるコンテンツを表示する、といったことが実現できているという。

「また、Webサイトの効果検証でボトルネックになりがちなのがコンテンツの制作と差し替えにかかる期間です。HTMLのコーディングやアップロード、組み込みなどの作業に時間がかかると、それが取り組みの遅延要因になるほか、インサイトの深堀りに充てるべき時間を圧迫してしまいます。その点KARTE Blocksはあらかじめコンテンツを用意しておき、ブロック単位で素早く、簡単に差し替えることが可能です」と中村氏は述べる。

現場発のアイデアを柔軟に取り込めるようにもなっている。例えば、顧客の問い合わせを受けるインフォメーションセンターからの要望を受けて、Webサイト上に来店予約ボタンを実装した。「増大する電話対応の負荷を分散する狙いです。このような声は、これまで実施にかかる期間やコストがネックとなって、なかなか反映できませんでした。試すリスクを低減できたのも、KARTE Blocksの大きな効果です」と大石氏は話す。

なお、取扱商品の特性上、バイク王の顧客対応は最終的にはリアル店舗に行きつく。そのため、対面接客の重要性はこれからも変わらないが、組織全体が提供するCXを向上する上でWebサイトの役割はどんどん増大している。ここで、KARTEシリーズの他のプロダクトが強みを発揮するだろう(図2)。

図2 KARTEシリーズの特徴

図2 KARTEシリーズの特徴

複数チャネルのデータを統合して解像度高い顧客理解につなげ、マルチチャネルで顧客起点の施策を実現

「ブランドサイト全体のCX向上に向けて、KARTE Webの活用を検討しています。また、お客様が電話での対応を求めているのか、チャットやオンラインでの対応を求めているのかといったことまでを把握するには、より多面的なデータ活用が不可欠です。それに向けてはKARTE Datahubの活用も検討していきます」と大石氏は期待を込める。

KARTE Blocksの活用は、バイク王にとってCX変革の第一歩といえる。将来的には中古バイクの買取・販売だけではなく、レンタルサービスの立ち上げやバイク愛好家向けのイベント開催なども考えている。デジタルの接点で得たデータを基に、リピーターやファンを増やし、そこからリアルのCX向上につなげたい考えだ。

セプテーニとのコラボレーションとKARTEシリーズの活用によって、取り組みをさらに加速するバイク王。その挑戦はこれからも続いていく。


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