USSEC サステナビリティ シンポジウム 2024
The future and possibilities of sustainable soybeans

サステナブル大豆未来可能性

講演 1

サステナブルな大豆の役割と可能性

セブン&アイ・ホールディングスのサステナブルな取り組み

芳賀 氏
セブン&アイ・ホールディングス
グループ商品戦略本部
セブンプレミアム開発戦略部
デイリー食品MD
芳賀 正延

セッション④では、セブン&アイ・ホールディングスで、デイリー食品を担当する芳賀正延氏が、同グループのサステナブルな取り組みについて講演した。その具体的な取り組みとして、同グループで掲げる環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」を紹介。「目指す姿を4つにカテゴライズしていて、その中の一つが『持続可能な調達』です。オリジナル商品の原材料において、2030年までに持続可能性が担保された材料が50%使われていること、50年までにはそれらが100%の状態にすることを目標として活動を進めています」(芳賀氏)。

続いて、プライベートブランドである「セブンプレミアム」について。同ブランドでは、「上質な商品」「値ごろ感がある価格を訴求した商品」「健康」「環境」という4つのサステナブルな目標を掲げ、これらの指針にのっとった商品開発を進めている。「特に健康・環境については、グループ全体で取り組む最重要テーマとして設定しています」(芳賀氏)。

その実例として芳賀氏は、「USSECのSSAP認証マークを商品に付けてお客様に訴求しています。豆腐バーや納豆など、販売数量が大きな商品にマークを付けることで、お客様に、安全、安心、サステナブルな取り組みを知っていただきたいと思っています」と語った。

最後に芳賀氏は、「お客様とのコミュニケーションの手段」として、24年3月に実施した親子料理教室でSSAP認証商品を使ってもらったこと、また、社内で設定した環境月間に実施した、店舗内への専用ポスターの設置、団体と連携しての「認証ラベル」の取得、特設のウェブサイトの制作などの取り組みを挙げた。「こうした場を通じて、お客様に弊社のサステナブルな取り組みについて知っていただけるように、これからも続けていきたいと考えています」として講演を終えた。

サステナブルな大豆の役割と可能性

講演第1部の最後は、夫馬氏が二井氏、アビー氏、芳賀氏に質問をする形で、「サステナブルな大豆の役割と可能性」について、ディスカッションが行われた(アビー氏はオンライン参加)。

二井氏には、改正法の中での「大豆のサステナブル調達」および「食料安全保障」の位置付けについての質問が投げかけられた。これに対し二井氏は、改正法の第14条「消費者の役割」の条文を挙げ、「環境への負荷の低減に資する物、その他の食料の持続的な供給に資する物の選択に努める」という部分が、「SSAP認証によるアメリカ大豆やその加工品が当たると考えます」と回答。また、食料安全保障については、「第24条の第1項で、食料不足などの不測の事態に対して、国が必要な施策を講じるものと規定されています」と説明し、関連する法律として、「食料供給困難事態対策法」が制定されたことを報告した。

USSECのアビー氏に対しては、SSAP認証マークを付けることの信頼性について夫馬氏が質問。「SSAP認証マークが付いているということは、その製品の60%以上の大豆がSSAP認証を受けているということ、その点で信頼性が高まる」とアビー氏は説明した。

芳賀氏に対する質問は、セブン&アイグループのサステナブルな取り組みについて。これに対し芳賀氏は、SSAP認証や水産ラベルのMSC認証を取得し、パッケージにラベルを付けて顧客に伝えていること、環境負荷低減のために、テクノロジーを活用した工場野菜や、水産物の陸上養殖も進めていること、直営農場のセブンファームで循環型農業に取り組んでいることなどを挙げた。

講演 2

サステナブルな農業慣行の今と未来と多様性

ティム・シャフト 氏
オハイオ ティル
ファームステッド
ティム・シャフト
山本 氏
KG アグリ プロダクツ 社
COO
山本 貴明

講演第2部には、「サステナブルな農業慣行の今と未来と多様性」をテーマに、アメリカから、穀物、トウモロコシ、大豆などの有機栽培を行うオハイオ ティル ファームステッドのティム・シャフト氏と、オハイオ州の大豆種子選別業者KG アグリ プロダクツのCOOである山本貴明氏が動画にて参加した。

ティム氏は、自身の農場で行っている取り組みについて、有機栽培に移行後、被覆作物を導入し、土壌の栄養分を使い、肥料など外からの投入物を購入しないことで、サステナブルな輪作を行っている現状を紹介。その輪作では、大豆に加えて7種類の作物を栽培していることで、天候不良などによって生じる生産リスクが分散され、利益バランスも取れていると説明した。

山本氏は食品大豆業界が抱える課題として、大豆原価の高騰の流れの継続や、高収量で強靱な遺伝子組み換え大豆品種開発のスピードの加速などを背景に、農家が求めるニーズ(単収)と大豆加工業者などの生産サイドが求めるニーズ間のミスマッチがさらに広がっていることを挙げた。

それに対するKG アグリ プロダクツの強みとしては、「独自の品種開発プログラム」と外部の第三者認証機関と提携して作った「生産から出荷までの一貫したプロトコルプログラム」を持つ点を挙げ、前者については、農家と生産サイドのギャップを埋めるべく品種開発に重点を置いていること、後者においては、「農家とのコミュニケーションが密になり、実需サイドが求めるものを農家に伝えられる機会が増えました」(山本氏)と語った。

講演 3

大豆食品市場のグローバルトレンド
サステナブルな消費者行動の促進

ティム・シャフト 氏
アグロメリス
ジェイコブ・ゴルビッツ

講演第3部は、大豆食品市場のグローバルトレンドである、「サステナブルな消費者行動の促進」をテーマに行われた。最初に、アメリカの食品業界でコンサルティングを手掛けるアグロメリスのジェイコブ・ゴルビッツ氏が2021年に同社が実施した調査を基に、アメリカの大豆食品市場の現状について分析、報告。続いて、オランダのマーケットリサーチ、イノーバマーケットインサイトのトム・ヴィアハイル氏が、サステナビリティの現状、サステナビリティへの消費者の関心、持続可能な大豆製品などをテーマに講演した。

トム・ヴィアハイル 氏
ストラテジック
インサイト
ヴァイスプレジデント
/イノーバマーケット
インサイト
トム・ヴィアハイル