- 香川・多肥店では麺の手打ちを実演
- 香川のご当地キャラ「うどん脳」を宣伝隊長に任命する前田良博社長
- 香川県内店舗ではさぬきの夢を配合した麺を提供。今後店舗拡大予定
- 県出身作家・オビカカズミ氏の壁画(多肥店)
- 地元ローカル電車とのコラボも
- 「はなまるうどん肉店(高松兵庫店)」の衝撃的な“肉盛り”
讃岐うどん店「はなまるうどん」を全国展開するはなまる(高松市)が2025年1月1日、讃岐うどんの聖地、香川県に東京から本社を移し、新たな挑戦を始めている。
同社は香川県で2000年に創業。2002年には東京・渋谷にうどんチェーンとして初出店し、讃岐うどんブームの先駆者的役割を果たした。一方、多店舗化を進める中で、チェーンとしての「均一性」を超える、時代に対応した次の一手の必要性も感じていた。
「そもそも本場、香川では個店が多く、各々だしや麺にこだわり、日々進化している。こうした多様性のある讃岐うどんの魅力をもっと深くもっと多面的に掘り起こすべく、社内で自由闊達に思いを話し合う中で、その答えは創業の地である香川にあるのではと、創業25年を機に本場、香川への原点回帰の道筋が生まれた」と同社マーケティング本部CMOを務める髙口裕之氏は振り返る。
伝統と革新を形に
はなまるは23年度、24年度2期連続の過去最高益を達成、25年度も更新する見込みで推移している。データ分析をはじめ、メニュー開発から調理、POP作成、情報発信など新たに始めた取り組みを高い意識を持って磨き上げた従業員全員の努力の賜物だが、讃岐うどんには、さらなる成長をもたらすポテンシャルがある。
「基本の施策を丁寧に進める一方で、はなまるがもっと光り輝き続けるためには、セルフ式うどんチェーンの固定概念にとらわれない、次のステップへのエンジンとなる取り組みが必要だと考えた。
そこで本社移転と同時に、讃岐うどんの多様な魅力を発信する「おいでまい!さぬきプロジェクト」を始動した。「伝統とは革新の繰り返しによって作られるもの。讃岐うどんの“伝統”を守りながらも時代のニーズを先行する“革新”に挑戦し、讃岐うどんの新たな価値を本場、香川で提案していこうとなった」(髙口氏)

マーケティング本部 CMO
高口裕之氏
同社には社員やアルバイトからの提案一つひとつに経営陣が真摯に向き合い、改善につなげる「なんかいいよね・はなまる改善委員会(通称NHK)」という会議体があり、社員が思ったことを口に出しやすいムードがあるという。そんな風通しのいい社風も原点回帰で讃岐うどんの新しい価値を作ろうという全社員・スタッフの熱量を押し上げた。
本社移転に続いて、2月には地元の高松琴平電気鉄道(通称ことでん)と協業し、創業店舗の最寄り駅である「ことでん長尾線林道駅」の副駅名を「はなまるうどん駅」に。「はなまる」が創業の地に帰ってきたと喜ぶ、住民の投稿などがSNSでも反響を呼んだ。
讃岐うどんチェーンにとっての生命線・麺も進化させた。香川県が讃岐うどん用に開発した小麦「さぬきの夢」を3割以上配合した麺を、香川県全14店、高知県2店で導入した。「この麺はコシがあり、見た目にもツヤがあり美味しいと味に厳しい香川で評判に。県への感謝の想いを込めて今後全国に紹介し、小麦の生産支援にも取り組みたい」(髙口氏)考えだ。
5店舗を違う切り口で刷新
香川県内の5店舗を全面改装し、讃岐うどんの“伝統と革新”を、異なる5つの切り口で提案していく取り組みも始まった。
第一弾が、「未来」をテーマに7月に開店した「手打ちと創造 はなまるうどん多肥店」。従来、工場製麺を使ってきた同社としては初めて店内製造の手打ち麺を採用。だしは、伊吹島産いりこ、琴平産薄口醤油などの県産食材を活用し、奥行のある味を追求した。食材だけではない。店舗資材には香川産ヒノキを使い、県出身アーティストの作品を飾り、香川らしさを五感で堪能できる店にした。
第二弾は8月に開店した、「煩悩」がテーマの高松兵庫町店。インパクトのある“肉盛り”を前面に出し、店名も「はなまるうどん肉店」に。「(牛・豚・鶏)三種の煮込み肉まみれうどん」「あふれ盛り肉カレーうどん」など見た目もメニュー名も刺激的な新商品4品を打ち出した。
両店ともに来店客の反応は上々。新たな「はなまる」への期待感が高まる中、12月以降も、「日常」「時間」「探求」をテーマにした3店舗のリニューアルが控える。 ほかにも閉業した讃岐うどんの名店のメニューを再現、復活させる、ファンには嬉しい取り組みも計画中だ。
広がりを見せる「おいでまい!さぬきプロジェクト」と並行して、新業態の立ち上げも進む。この秋には東京都内で狭小立地を生かした新感覚のうどん店「ずずず」が登場。さらに、きしめんを主軸とする新業態も開発し、海外出店も視野に入れつつ、攻勢を加速する構えだ。
讃岐うどんの正統な継承者として、原点回帰を経てどんな革新的な一手を繰り出すのか、はなまるの進化に目が離せない。
はなまるうどんの歴史
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2000
香川県高松市木太町に
はなまるうどん1号店オープン -
2002
渋谷公園通り店オープン(東京進出)
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2003
8月国内100店舗、12月150店舗達
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2004
吉野家ディー・アンド・シー(現吉野家ホールディングス)と資本業務提携
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2007
月500円で毎日うどんが食べられる
「うどん定期券」発売 -
2011
国内300店舗達成
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2013
「サラダうどん」定番メニュー化
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2015
さぬきうどん未来遺産プロジェクト*開始
*さぬきうどんの歴史と今を未来につなぐための「歴史編纂プロジェクト」
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2019
デリバリーサービス導入開始
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2025おいでまい! さぬきプロジェクト始動
伝統を生かしながら
様々なアプローチで
新たな価値を創造
“ことでん”とコラボ
地元への挨拶の気持ちを込め、創業店の最寄り駅「ことでん長尾線林道駅」の副駅名を「はなまるうどん駅」に。同社のロゴを付けた「幸運のはなまる号」も運行。駅壁面のうどんの画像に、車窓のどんぶりと箸の画像が重なるピッタリ広告は大きな話題を呼んだ。
“聖地”高松に本社移転
2025年元旦、高松市の田町商店街に本社を移し、四国新聞に「すべては、讃岐うどんとともに。」との見出しで、はなまるが讃岐うどんの伝統を守り、革新を起こすべく新たな挑戦を始めるとの決意表明広告を掲出した。2025年度中に、香川県5店舗の刷新や各地域の独自のメニュー開発を進める。
“香川生まれ”にこだわる
県産小麦「さぬきの夢」を3割以上配合した麺に刷新。小麦品種を選抜して製麺適性を十分に高めたことで、もちもち感がありツヤもある麺が完成した。ほかにも県産の青ねぎや県産ブランド米「おいでまい」を使用する。多肥店の店内には香川産ヒノキを多用し、高松出身の人気アーティスト・オビカカズミ氏による山や波をモチーフにした壁画も飾られ、香川の自然の温もりを五感で体感できる。


新・讃岐うどん体験を提供
香川県内店舗刷新の第一弾、多肥店のテーマは「手打ちと創造」。本場さぬきうどん協同組合の香川隆昭理事長のもと修行を積んだ職人が店内で製麺し、打ちたて、ゆでたてを提供する。麺打ち場はガラス張りになっており、麺打ちの様子が客席からライブ感をもって見られる。
リニューアル2号店のテーマはなんと「煩悩」。「煩悩を開放せよ」とのメッセージとともに、背徳感を刺激するほどがっつりした“肉盛り”と讃岐うどんという、新しい讃岐うどん体験を提案。チラシや幟にも「肉マシマシ!」などパンチの効いたワードが躍る。
