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アプリ決済市場が変わる  “税務・法務まで一括支援”するNuveiの決済モデル

今、デジタルコンテンツ事業者にとってアプリ課金をめぐる環境が大きく変わろうとしている。欧米での動きに加え日本でも2025年12月にアプリ外での課金が可能になる見込みで、長らくストア純正が前提だったアプリ内決済は転換点に差し掛かっている。こうした変化を追い風に、Nuvei(ヌヴェイ)はグローバルでの決済に必要な税務や法務、ローカル決済まで束ねたソリューションで、日本企業の越境ビジネスを支える。Nuvei Payment Services Japan 株式会社 代表取締役 ジョナサン・エプスタイン氏に、この変化がもたらすビジネスチャンスと日本市場への戦略を聞いた。

日本のアプリ課金市場が迎える転換期

Nuvei Payment Services Japan 株式会社
代表取締役

ジョナサン・エプスタイン

グローバルな決済、金融テクノロジー、インターネット分野で豊富な経験を持つ熟練経営者。これまでのキャリアを通じ、世界有数の決済・金融サービス企業にてシニア・リーダーのポジションを歴任。 アディエン・ジャパンのカントリー・マネージャー、ペイパル・ジャパンCEO、コーナーストーン・ジャパンのカントリー・マネージャー、アシュリオン・ジャパンのチーフ・リスク・オフィサー、AIGのリージョナル・バイス・プレジデント、ナスダック・ジャパンのCFO、ソフトバンクのストラテジー・ディレクターを務めてきている。

日本のアプリ課金市場は、ここ数年で大きな転換点を迎えている。これまでスマートフォンアプリの決済はAppleやGoogleといったストア純正の課金システムを使うのが事実上の常識だったが、欧米ではアプリストアによる手数料や決済手段の独占を是正し、AppleやGoogleなどのプラットフォーマーに対して、外部決済や第三者アプリストアの利用を認めることを義務化する動きが進んでいる。

この世界的な潮流を受け、日本でも2025年12月に「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」が全面施行される予定だ。外部決済や代替課金が可能になれば、ゲーム・アニメ・マンガといった日本発のデジタルコンテンツの海外市場にも追い風になる。

こうした中で、グローバルに幅広い市場と決済手段に対応するNuveiは、日本企業にとって頼もしい選択肢となりつつある。 Nuveiは2003年にカナダのモントリオールで創業し、世界200以上の都市で数千社以上の企業の決済を支援するフィンテック企業だ。

「日本の決済環境は大きく変化しています。今こそ、決済戦略を再構築するタイミングです。特にゲーム業界は競争がし烈な世界で、アジア企業の躍進がめざましい。日本企業がグローバルに進出するには、一早く最適な武器を身につけないと競争力で負けてしまいます」とエプスタイン氏は語る。ストア純正に依存しない新しい選択肢が広がる今、日本発コンテンツのグローバル展開は新たなステージに入ろうとしている。

MORが支えるNuveiの強み

「日本のゲーム業界には素晴らしいコンテンツが豊富にある一方で、中小のゲーム会社には世界進出に対して様々な壁があります。現地特有の決済システムや、世界各国それぞれの法律への対応。そんな壁のすべてに対応するのは非常に難しく、二の足を踏む会社が非常に多いのです。中小企業に限らず、大手でも頭を抱えているのが現状ですね」

グローバルに展開するための障壁は確かに少なくない。海外に拠点を置くという選択肢もあるが、相当なコストと時間がかかる。最も効率的なのは、信頼できるパートナーに任せることだ。Nuveiは、世界200以上の都市と150以上の通貨、750種以上の決済手段に対応。日本においてもコンビニ払い・QRコード決済など現地特有の決済手段を幅広くカバー。これにより、日本企業はクレジットカードを持たないユーザーや若年層、地域ごとに異なる決済文化を持つユーザーにもシームレスにリーチできるようになる。

Nuveiのグローバルネットワーク

また、Nuveiは税務・法務・請求・返金管理などを包括的に代行するMOR(Merchant of Record)サービスも提供している。このサービスでは支払いの処理だけでなく、国ごとに異なる世界中の税制やコンプライアンスなど、取引に関するあらゆるルールに対応し、法的責任も負う。これを利用すれば、企業は国や地域ごとの複雑なルールを自社で調べて対応する必要がなくなり、商品やサービスの企画・マーケティングに専念できる。

各企業が特に手を焼いているのが税務処理で、グローバル展開の大きな壁になっている。現地法人を設立せずに、Nuvei社が税務処理を代行するシステムは、非常に好評だ。世界の幅広い都市で対応可能であり、しかもスピード感があるので企業側は安心できる。仮に現地法人を立てるともなれば、多大なコストに加えて年単位の準備期間も必要だ。Nuvei社に依頼すれば、早ければ1カ月で対応できるという。この点も他社に対して圧倒的な優位性があり、差別化のポイントになっている。

「国単位だけでなく、アメリカでは各州でルールが全然違う。さらに、細かなルールが頻繁に変更されることが多く、非常に面倒なのです。法律が絡むので、間違いがあったら大変ですから、MORは非常に重要な意味を持ちます」

Nuveiの管理画面では全チャンネルの取引情報をリアルタイムで確認できる

中でもNuveiならではといえるのが「決済コストの見える化」だ。
「NuveiのMORサービスでは、インターチェンジフィー※のように決済に発生する各段階のコストを詳細に開示しています。これらのコストが見えることで、どの国を優先すべきか、どのカード、どの制度を使うかという戦略を立てやすくなります。我々以外にこれを実施している会社は現状でほとんどありません」
※クレジットカード等の決済が行われるときに、加盟店の銀行がカード発行銀行に支払う手数料

他社ができないことを可能にしているのは、ブルガリアやイスラエルに巨大なIT拠点を有し、高い技術力と豊富な情報量を駆使して、目まぐるしい変動にも日々アップデートができるからだ。サービスメニューも充実し、超簡易的なものからフルカスタマイズするオーダーメイドまで幅広い。フルカスタムは通常は相当な時間を要するが、他社より格段に早い対応が可能だという。さらに24時間365日の有人サポートを提供し、万が一のトラブルにも即応できる体制を整えている。それらの結果、導入スピード・柔軟性・コスト効率のすべてを一段高いレベルで実現できる。

Nuveiの特長

Nuveiの特長

「我々のサービスは、酸素のようなもの。人は酸素がなければ生きていけないが、その恩恵を普段は感じません。エンドユーザーが一番ストレスを抱えるのは、途中でゲームが中断してしまうこと。ゲーム中、決済のために画面が変わるとか、一時中断されてしまうと、そこで離脱してしまうケースが非常に多いのですが、Nuveiのシステム稼働率は99.999%で、遮断するリスクがほぼありません。エンドユーザーにストレスを与えず、離脱を防止することができることも重要です」

大手ゲーム会社が
Nuveiを選んだ理由

Nuveiは既に世界各地の主要ゲーム会社やデジタルサービス企業に導入されている。たとえば大手ゲーム会社A社は、複数の人気タイトルを世界で展開しているが各国で異なる決済・税制への対応が大きな課題だった。しかしNuveiのMORを導入したことで、各国の税務・法務を一括で処理しつつ、現地ユーザーが使いやすい決済手段をスピーディーに提供できるようになり、新規ユーザーの獲得に貢献したという。

また、世界最大級のオンラインゲームプラットフォームB社でもNuveiを採用している。ユーザー間のアイテム売買や、クレジットカードを持たない若年層のユーザーに対応するために幅広い決済手段を整備する必要があったが、Nuveiのネットワークを活用することで、決済時の離脱率を大幅に下げることに成功した。

こうした事例は、Nuveiが単なる決済代行ではなく、世界各地に根ざした実装力・スピード・柔軟性を持つことを裏付けている。エプスタイン氏は「これらの成功事例は、日本のゲーム・アニメ・マンガ企業にもそのまま応用可能です。特に外部決済の自由化が進む今こそ、Nuveiを活用することで新しい課金モデルをスピーディーに立ち上げ、世界のユーザーに届けるチャンスが広がっています」と語る。

日本市場にかけるNuveiの
次の一手

エプスタイン氏は「日本はゲーム・アニメ・マンガなど世界的に競争力の高いコンテンツを持っています。ステップ・バイ・ステップですが、日本の顧客基盤を着実に拡大し、グローバル市場での成功事例を積み上げていきたいです」と語る。まずはデジタルコンテンツ事業者やゲーム会社を中心に、MORを活用して各国の税務・法務・決済文化への対応を一括で引き受け、海外進出を支援する。

さらに、2025年12月に予定される新法の制定によって外部決済の利用余地が広がることは、日本企業にとって大きな追い風となる。エプスタイン氏は「この変化は新しいユーザー層の開拓や多様な収益モデル構築につながるチャンスです」と強調し、今後はゲームのみならずサブスクリプション型サービスやデジタルコンテンツ全般までターゲットを広げていく考えを示す。

決済が“見えないインフラ”として整えば、ユーザーはより快適にコンテンツを楽しみ、企業は世界中の顧客にリーチできる。Nuveiはその橋渡し役として、日本市場に本格的なリソースを投下し、越境ビジネスの可能性を広げていく構えだ。