



サントリーが新しく世に放ったのは、
レモン果皮の持つ魅力を最大限に引き出したRTD※1、
その名もTHE PEEL(ザ・ピール)〈レモン〉。
チューハイの新しい選択肢となりうる
意欲作に込められた想いに、
『日経トレンディ』元編集長の能勢剛氏が迫る。
※1 RTD:そのまますぐ飲める缶チューハイや、
ハイボール缶などのアルコール飲料

レモンサワーといえば、レモン果汁を用いてつくられるのが一般的だ。ほろ苦さを加えるために、果皮ごと搾った果汁を使用することはあっても、果皮を主役に味わいを構成しようなどという試みはRTDにおいて前代未聞。そもそも、そんなことが本当に可能なのか。能勢氏がまず疑問に思ったのはそこだ。

『日経トレンディ』
元編集長
能勢 剛さん
「最初から果皮ありきで開発が始まったわけではないんです」と話すのはTHE PEELブランドマネージャーの渡辺さん。
サントリー
ビール・RTD本部
RTD部
渡辺 剛さん

「RTD市場が拡大を続けるなか、サントリーは本格的なビール好きに向けてのRTDがないという課題を抱えていました。彼らは、なかなかRTDを手にとってくれないのです。多方面から調査した結果、その理由として浮かび上がってきたのは、既存のRTDは人工的で甘く、食事に合わないという意見。もっと言えば、商品の素材やつくりのこだわりが見えにくいという指摘だったのです。このイメージを払拭し、本格的なビール好きの受け皿になるようなRTDを開発する。これがTHE PEEL開発の第一歩でした」
ビール好きがRTDに求めるイメージと実際のイメージの乖離が大きい。

※24年5月、サントリーによるWEB調査(N=2,787)
ただ、それでも果皮に白羽の矢が立つまでには、相当な試行錯誤があったのではないだろうか。

「糖類無添加、香料不使用というシンプルな素材で開発することを決め、割と早い段階で、研究部門から果皮を提案されてはいたんです。蒸溜の条件を変えることで、みずみずしい香りと、ほのかに甘い香りをもたらしてくれるレモン果皮からつくった2種の蒸溜酒をつくり、そこにレモン果皮の外側の黄色い部分(フラベド)だけを使った浸漬酒でコクを加えてさまざまなブレンドを試しました。ただ、それだけだとどうしても納得できる味にはならなかったんです。ゲームチェンジャーになったのは、もう1種類の浸漬酒。レモン果皮の内側の白い部分(アルべド)だけを使った新開発の浸漬酒が、それまで足りなかったほろ苦さを加えてくれる最後のピースになりました」
THE PEELは、口に含むとまずレモンの爽やかな香りが立ち上がり、時間経過とともに果皮ならではのコクやほろ苦さといった豊かな余韻が広がる。甘くないため食事にもよく合う。ちなみに果皮と果汁の成分を比較すると、レモンの代表的な香り成分であるリモネンは数千倍、ポリフェノールは数十~数百倍、果皮に多く含まれているという。


THE PEELは、レモン果皮でつくった蒸溜酒や浸漬酒など4種の「レモン果皮100%※3レモンスピリッツ」を使用している。果皮を蒸溜する条件を変えてつくり出す、タイプの異なる2種の蒸溜酒、そして果皮ごと使った浸漬酒と、果皮の内側の白い部分「アルベド」だけを使ったもう一つの浸漬酒の4種だ。このようにレモン果皮に徹底的にこだわることで、果皮の香りを引き出し、爽やかなほろ苦さを実現している。※3 レモンスピリッツに使用する浸漬素材における割合

これら4種類の原料酒の絶妙なブレンド比率が、爽やかな香り立ちに加え、コクやほろ苦さといった余韻をもたらした。
「南イタリアの伝統酒である、リモンチェッロもレモンの果皮からつくられますよね。着想はそこにあったのかもしれませんが、ひと口目の香り立ちに加え、飲み進めるうちに感じる豊かな余韻には驚かされました」と能勢氏もその味わいを評価する。

「メインターゲットに据えているのは、本格的なビール好きな大人たち。彼らは日常的な食品であってもこだわって選びます。例えばコーヒーやチョコレートといった嗜好品は口に入れた後の余韻がとても大切ですよね。THE PEELも、まさにそこを目指して味わいを調整しました。派手ではないけれど、飲み進めるうちに惹き込まれていく。そんなお酒に仕上がっていると思います」と渡辺さん。
モノクロ調で視聴者に強いインパクトを与えるテレビCMの効果もあり出足は好調。4月1日に発売後、2週間で年間販売計画の約3割である44.6万ケース※2を突破。※2 350ml×24本換算、4/15時点

「これまでのチューハイのイメージを刷新したい」と渡辺さんも意気軒昂だ。果皮を使った、今までにないレモンピールサワーという新カテゴリーを確立させることで、新たな需要を創出したいという。1本飲みきったときに感じる完成度の高さは、その可能性を思わせるのに十分だ。
チューハイには、これまで果実を使った製品が数多く登場してきたが、消費者の多くが好むのはレモンなのではないか、という。THE PEELは、そのレモンが持つ新しい魅力を、果皮を主役にすることで引き出した斬新な製品だ。味わいは、酸味や爽やかな甘みを気軽に楽しめるレモンサワーに対し、飲み進めるほどに味の複雑さ、奥行きの深さが感じられる。しかも、飲み飽きがしない。まさに、ビールやウイスキーのように“甘くない大人”が楽しむ酒であると思う。
