C.C.レモンやペプシコーラなどの原液、
つまり希釈用飲料である
「おうちドリンクバー」の売れ行きが好調だ。
開発時調査ではなかなか賛同を
得られなかった商品が、なぜヒットしたのか。
「手間のエンタメ化」という
斬新なコンセプトを中心に、
その要因を探ってみた。
2025年も半年が経過し、様々な分野で売れ行き好調な商品が浮き彫りになってきた。飲料の分野で、いま注目すべきはサントリー食品インターナショナル㈱が手がける「おうちドリンクバー」。これは、定番の炭酸飲料を希釈用の原液として販売したもの。なかでも、ペプシコーラは、日経トレンディの飲料部門上半期ヒット商品にも選定された。
そもそもこの商品は、24年4月に、C・C・レモン、POPメロンソーダ、9月にデカビタCの計3種が商品化され、25年2月にペプシコーラが投入されて、看板商品となりブレークしている経緯を持つ。
とはいえ、ここまでの道のりは決して平坦ではなかったという。開発時の調査では、自分の好きな飲み物の味や量を自分好みにできることを価値として狙ったが、「完成品を購入した方が早い」「割る作業がめんどう」「原液と炭酸水、複数買うのが手間」といった意見が多く、あまり賛同を得られなかったそうだ。
しかしそんな逆風のなか、ドリンクバーといえばファミレスで子どもたちが好きな味を混ぜて楽しむなど、家族でワイワイしているイメージがあるという意見に出合い、副産物的に「大切な人との楽しい食体験・混ぜるアレンジ」などの想起も得た。
そこで発想を変え、つくる手間を価値に変換、つまり手間をエンタメ化するコンセプトにたどり着いた。手巻き寿司やたこ焼きパーティーなどから着想し、気の置けない仲間や家族と一緒にアレンジする楽しさ訴求に舵を切ったのだ。


当初自分で飲みたい量の炭酸飲料を出来たてで作れることを価値としたが、
手間がかかるがその手間自体が楽しいというコンセプトに。
手巻き寿司やタコパと同じようなワクワク感ある楽しさこそを、おうちドリンクバーの最大価値とした。




公式SNSでアレンジメニューを提案すると、ユーザーからの自己流アレンジメニューの投稿が加速。
手間のエンタメ化というコンセプトが伝わり、ユーザーを巻き込むことで
商品のポテンシャルがさらに高まった。
基本は原液1、炭酸水4の割合だが、原液マシマシなど自分好みの炭酸飲料が自由自在。公式SNSで様々なアレンジメニューの提案を始めると、ユーザーからセンスを競い合うように自己流のアレンジメニューの投稿が加熱した。
馴染みのあるあの味の意外な組み合わせを発信したいニーズがあったようで、「牛乳で割る」に始まり、炭酸が入っていない原液であることを生かし、シロップとして「アイスにかける、かき氷にかける、料理の隠し味に」など、飲み物以外への活用を提案する投稿も多いという。

ペプシコーラはシリーズで最も販売好調な商品だが、カロリーが気になるという声もあった。
そんなニーズに応える形で、満を持してペプシゼロもラインアップに加わった。
さてどんなアレンジ合戦が始まるのか今から楽しみだ。