顧客との「点」を「線」へ
継続的な関係構築をもとに
ブランド資産を蓄積
――「THE ANSWER PROGRAM」は、一度解析して商品を届けて終わるサービスではありません。生活者と継続的につながることで、どのような可能性が生まれるのでしょうか。
山岡 これまでは、生活者とのつながりは商品を通じたものが中心でした。でも「THE ANSWER PROGRAM」によって、点ではなく線でつながる環境ができ始めています。
今井 そうすることで、こういう髪の人には評価が高かった、こういう頭皮の状態の人にはここが足りなかった、といった気づきも得られます。それをしっかり生かして、次の商品開発を循環させていくことが大事だと思っています。

花王株式会社
研究開発部門 ヘアビューティ研究所
今井 愛美 氏
鷹野 顧客と常時接続し、得られたデータをR&D等へ還元していくこの仕組みは、まさに新しい商品やサービスを生み出し続けるための「学習エンジン」になります。
それだけではありません。研究所と事業部が一つのゴールに向かって事業をつくった経験や、異なる専門性を持つ人材が協働する体制など、新規事業をつくる過程で蓄積された「文化・人材・プロセス」も企業に残ります。 私たちは、こうした組織的な蓄積も企業に蓄積される「無形資産」だと捉えています。それらが次の事業や既存事業にも生かされ、新たな価値を生み出す力になる。
単体事業の収益だけでなく、そこまで見据えて新規事業に取り組むことこそが、我々の提唱する「ブランド経営」であり、「THE ANSWER PROGRAM」はその象徴ともいえるプロジェクトだと思っています。

無形資産の蓄積が新たな事業価値を生み出す力になる
――最後に、花王として「THE ANSWER PROGRAM」を今後どのようなブランドにしていきたいですか。
山岡 「THE ANSWER」というと、答えを届けて完結するようにも見えます。でも我々は、答えを追求し続けるブランドでありたい。商品を届けて終わるのではなく、お客様と継続的につながり、そこで得られたデータや知見を次の研究や商品開発へと還元していく。そうした循環をつくることで「お客様とつながり続けるバリューチェーン」へと変革し、ヘアケア迷子を救い続けるために、納得し信じていただける答えを追求し続けたいと思っています。
鷹野 商品を届けて終わるのではなく、顧客とつながりながらバリューチェーン全体をアップデートし続けていく。この挑戦は、花王様にとって今後の新たな事業基盤になっていくはずです。我々博報堂コンサルティングも、構想から事業実装、そしてその先の「ブランド経営」の実現に向けて、引き続きパートナーとして共に歩んでいきたいと思っています。