SYNC Design & Innovation in SITE 2026 2026.06.26 パラゴンホール

Event Review

タイ企業・研究機関への導入から始まる、
Studioの東南アジア展開

2026年6月、Studioはタイ・バンコクで開催された「SYNC Design & Innovation in SITE 2026」に出展した。すでに始まっているタイ企業・研究機関への導入や、現地の制作パートナーとの連携を足掛かりに、タイで求められるWeb制作・運用のあり方を探るためである。会場で交わした対話から見えてきた課題と、Studioが目指す東南アジア展開について紹介する。
※本記事はStudio株式会社による寄稿記事です

現地パートナーとともに、タイ市場へ向き合う

 Studioが今回「SYNC Design & Innovation in SITE 2026」への出展を決めた背景には、タイで具体的なプロジェクトが動き始めていたことがあった。

 2026年6月、Studioはタイにおける最初の取り組みとして、企業2社と研究機関1団体への導入を進めてきた。導入が決定したのは以下の2社・1団体だ。

  • ・ Zeroboard (Thailand) Co., Ltd.
  • ・ Siam Cosmos Services Co., Ltd.
  • ・ Institute of Business Economics Research and Development(IBERD Thailand)Wellness Economy Project

 業種や活動領域の異なる企業・機関に、Webサイトの制作・運用基盤としてStudioが選ばれたことは、タイ市場における活用の可能性を考える上で、大きな一歩となった。

 一方で、導入が決まったことをゴールだとは考えていない。実際の制作を進め、公開後の運用を重ねる中で、どのような機能や制作体制が現地で求められるのかを学んでいくことが欠かせない。

 今後は、各Webサイトの公開後に、導入に至った背景や制作プロセス、運用体制についても紹介していく予定である。実際のプロジェクトを通じて得られた知見を蓄積し、タイで活動する現地企業はもちろん、これからタイ市場への進出を目指す日本企業のWeb制作・運用にも生かしていきたいと考えている。

 今回の導入では、タイ初のStudio制作パートナーであるAlt Design Officeとも連携している。同社はバンコクと東京を拠点に、長年にわたり日本企業のタイ進出や現地での事業展開を支援してきた。

 海外でプロダクトを広げる際、機能や操作画面を翻訳するだけでは十分ではない。現地ではどのような情報が求められ、誰が制作や更新に関わり、どのような意思決定を経て公開されるのか。それぞれの市場における制作・運用の実態を理解する必要があるからだ。

 日本で確立した方法をそのまま持ち込むのではなく、現地の文化や商習慣を理解するパートナーとともに、タイの企業や組織に適した活用方法を考える。こうした基盤が整いつつあったことが、SYNCへの出展を決めた理由の一つだ。

バンコクでの対話から見えた、共通の課題

 イベント当日は、企業の経営者や事業担当者、デザイナー、クリエイター、行政・教育機関の関係者など、さまざまな立場の方が会場を訪れた。

 Studioのブースでは、タイで進んでいる導入プロジェクトや、ノーコードによるWeb制作の仕組みを紹介。単にサイトを短期間で制作するだけでなく、公開後も企業や組織自身が情報を更新し、事業の変化に合わせて改善を続けられることを伝えた。

 会場での対話を通じて改めて感じたのは、国や業種が異なっても、「自分たちの事業や活動の価値をどうすれば適切に社会へ届けられるのか」という悩みは共通しているということだった。

 Webサイトは、一度完成させれば終わりではない。新サービスの発表や展示会、採用活動など、事業の変化に合わせて継続的に情報を更新していく必要がある。しかし、更新のたびに専門的な技術や外部の制作体制が必要になれば、発信したいタイミングと実際に公開できるタイミングにずれが生まれる。

 タイで企業や機関と導入を検討する中でも、デザインの品質、制作期間、費用、公開後の更新しやすさを、どのように両立するかが課題として挙がった。これはタイだけの問題ではなく、日本を含む多くの市場で企業が抱える共通の課題である。

 一方で、重視されるデザインや情報の見せ方、制作を決定するまでのプロセス、デジタルツールに期待される役割には、地域ごとの違いがある。現地で事業に取り組む方々と直接話したことで、遠くから市場を分析するだけでは分からない、具体的な期待や懸念を知ることができた。

 交流の場では、サービスの説明にとどまらず、現地企業が抱える制作・運用上の課題や、タイで事業を広げるために必要な支援について率直に意見を交わした。今回の出会いをきっかけに、タイでつながった代理店候補との初回商談もすでに実現している。Studioをどのような体制で現地企業へ届けていくか、具体的な検討も始まっている。

タイを起点に、地域に合った環境をつくる

 今回の出展を通じて、Studioはタイの現地企業だけでなく、アジアに拠点を持つ日本企業にも、新しいWeb制作・運用の選択肢を提供できる可能性があると感じた。

 日本企業が海外へ進出する際、本社と現地拠点の間で、Webサイトを誰が管理し、誰が更新するのかという課題が生まれる。本社で一元的に管理すればブランドの統一性を保ちやすい一方、現地で必要な情報をすぐに発信できないことがあるからだ。各拠点に運用を任せればスピードは上がるが、表現や品質にばらつきが生じる可能性がある。

 重要なのは、本社がブランドの一貫性を保ちながら、現地拠点も市場の変化に合わせて迅速に情報を更新できる環境をつくることだ。

 Studioを共通の制作・運用基盤として活用し、現地の文化や商習慣を理解する制作パートナーが支援することで、本社、現地拠点、パートナーが協力しながらWebサイトを育てていく体制をつくれると考えている。

 Studioが目指しているのは、単にWebサイトを早くつくることではない。技術的な障壁を減らし、企業やクリエイターが「誰に、何を、どのように伝えるのか」という本質的な創造に、より多くの時間を使える環境をつくることである。

 その価値を日本国内だけにとどめず、異なる文化や言語、ビジネス環境の中でも届けていくためには、現地のパートナーとの連携が欠かせない。

 タイ企業・研究機関への導入、Alt Design Officeとの協働、そしてSYNCで生まれた対話や新たな商談は、Studioにとって東南アジア展開の完成形ではなく、スタート地点である。タイを起点に、地域の企業やクリエイターが自らの価値を自由に発信し、事業の変化に合わせて改善を続けられる環境を、現地のパートナーとともに築いていく。

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