米国が支えるセブン&アイの事例から読む持続可能な未来のためのフードシステム 米国が支えるセブン&アイの事例から読む持続可能な未来のためのフードシステム

日本は食用大豆の7割以上に米国産大豆を選んでいる。その最大の理由は安定した調達を可能にする世界第2位の生産量だが、加えて、環境負荷を抑えた持続可能な方法で生産・管理されたサステナブルな大豆であるという優位点がある。大豆食品メーカー4社の声から、アメリカ大豆の魅力に迫る。

米国が支えるセブン&アイの事例から読む持続可能な未来のためのフードシステム

日本は食用大豆の7割以上に米国産大豆を選んでいる。その最大の理由は安定した調達を可能にする世界第2位の生産量だが、加えて、環境負荷を抑えた持続可能な方法で生産・管理されたサステナブルな大豆であるという優位点がある。大豆食品メーカー4社の声から、アメリカ大豆の魅力に迫る。

サステナブルな米国産大豆の証
「SSAP認証」マークに注目

環境への負荷が少なく、サステナブルな方法で生産・管理された、米国産の大豆が使われていることを示すアメリカ大豆サステナビリティ認証プロトコル(SSAP)マーク。SSAP認証マーク付きの商品を購入することは、持続可能な未来への後押しとなる。

創業50年の豆腐メーカーが
革命を起こし大ヒット
植物性たんぱく質市場をリードする
「豆腐バー」

創業50年の豆腐メーカーが革命を起こし大ヒット
植物性たんぱく質市場をリードする「豆腐バー」

アサヒコ
マーケティング部長
松島 正仁

 アサヒコが豆腐業界の常識を覆す革命を起こしたのは2020年。豆腐を棒状に固めた「豆腐バー」を開発・発売したところ、瞬く間に大ヒット商品となった。着想の原点は、米国で出合った硬い豆腐だったという。「当社の代表である池田が視察で米国のスーパーマーケットを訪れた際に、日本よりも硬い豆腐を、植物性たんぱく質の摂取のために食べているという、日本との食文化の違いに触れました。一方で、当時日本ではたんぱく質ブームが巻き起こっており、サラダチキンが大流行していました。これらをヒントに試行錯誤を重ね、誕生したのが『豆腐バー』です。良質な植物性たんぱく質が手軽にとれると若い世代から注目を集め、発売以降の売上本数は累計9800万本(2025年11月末)を超えています」

 「豆腐バー」は全商品にアメリカ大豆を使用し、SSAP認証マークも表示している。「SSAP認証大豆の使用は、自然の恵みを生かした新鮮で安全なおいしい製品の提供を使命とする当社の姿勢をお客さまに伝える手段の1つと捉えています」と話す。

植物性たんぱく質が
絹ごし豆腐の約2.7倍

※日本食品標準成分表2015年版<七訂>
1本(68g)で10gの植物性たんぱく質を摂取可能。バータイプなので手軽に食べられ、もっちり噛み応えのある食感で満足感が得られると幅広い世代に人気。旨み昆布、きんぴらごぼう、バジルソルト風味、蓮根と枝豆、日高昆布と大豆、すき焼き風の6種がラインアップ。

1本で約130kcal。罪悪感なしの
「お豆腐でつくった」豆腐スイーツ

埼玉で人気のパティスリー・アカシエ興野燈シェフ監修。1本で7g以上の植物性たんぱく質を摂取できる。生クリーム・バター・卵不使用。ラインアップはスイートポテト、ガトーショコラ、抹茶テリーヌの3種。

原料へのこだわり
職人技を極めた独自製法

SSAP認証大豆と、自家製にがり、深井戸水仕込み、トルネードスチーム加熱で、大豆のおいしさを最大限に引き出した豆腐。絹と木綿、それぞれ350gと175g×2の2サイズ展開。

食感はまるでお肉
ヘルシーなごはんのおかず

豆腐が主原料。コレステロールの摂取を抑え、植物性たんぱく質をおいしく効果的に摂取できる。ごはんがあれば、ナンプラーの旨みとバジルが香るヘルシーなガパオライスに。

独自のきぬ練り製法で実現。
汁含みよく、切らずに使えて便利
「じゅわっとやわらか油あげ」

独自のきぬ練り製法で実現。
汁含みよく、切らずに使えて便利「じゅわっとやわらか油あげ」

太子食品工業
代表取締役副社長
工藤 裕平

 1940年以来85年にわたって、豊かな自然に恵まれた青森の地で、豆腐、納豆、油揚げなどの大豆食品を中心に製造販売している太子食品工業。同社では1960年代からアメリカ大豆を積極的に使用しており、その品質を高く評価しているという。「国産大豆に価値が置かれる業界ですが、アメリカ大豆の品質も決して引けを取りません。アメリカ大豆の生産者の方々は、先祖伝来の土地を何世代にもわたって大事に引き継いでおり、それを誇らしげに話します。サステナブルに対する意識が、言葉が使われる以前から、大事な価値観として浸透しているのを肌で感じます」

  太子食品工業一押しのSSAP認証大豆使用商品が「じゅわっとやわらか油あげ」。「弊社が特許を持つ、クリーム状の豆腐から油揚げをつくる“きぬ練り製法”を活用した商品で、切らずにそのまま料理に使える、汁含みのよい油揚げです。忙しい方、サステナブル感度の高い方をターゲットに開発しており、SSAP認証マークを付けるにふさわしい商品だと判断しました」

 太子食品工業は、2025年「アメリカ大豆サステナビリティ特別感謝賞」を受賞している。

おいしさと時短調理を
かなえる便利な油あげ

じゅわっとやわらかな食感で、すぐにたっぷり汁含みする、一口サイズの油あげ。切らずにそのまま、油抜き不要で使え、煮込み不要。生でもおいしく、和え物にも使える。袋は保存に便利なチャック付き。冷凍も可能と便利尽くし。

東北のソウルフード
ごはんをつめるだけでいなり寿司に

消泡剤・乳化にがり不使用。にがりで寄せたふっくらとキメ細かい油揚げを使用。ごはんを詰めるだけで簡単にいなり寿司ができる。

消泡剤や乳化にがり不使用
東北のご当地揚げ

長年の定番商品。ふっくらとやわらかな大判サイズの油揚げ。

1992年来のロングセラー
日常使いの豆腐

水さらしやカットを行わない革新的な技術「一丁寄せ製法」で作った豆腐。できたてのおいしさが楽しめる。きぬともめんがラインアップ。

やわらかで味のよい
太子食品工業の看板納豆

大豆の旨味を引き出し、たれの風味が引き立つ、まろやかな味わい。フィルムがないため、手が汚れず便利。極小粒とひきわりの2タイプ展開。

日本の伝統食である納豆を
積極的に海外発信
常温で長期保存可能
「NATTO CHOCOLATE」

日本の伝統食である納豆を積極的に海外発信
常温で長期保存可能「NATTO CHOCOLATE」

マルキン食品
代表取締役社長兼CEO
吉良 扶佐子

 創業100年超の老舗企業であるマルキン食品が目指しているのは、日本の伝統食である納豆を世界中に広げること。「納豆は究極のスーパーフードと言われるくらい健康維持に役立つ食品です。もっと海外の方々に認知してほしいという思いがあります」。しかし、独特の粘りや臭みのある納豆は、日本の食文化に触れていない人々にとってはハードルが高い。試行錯誤の末にたどりついたのが「NATTO CHOCOLATE」だ。「濃厚なチョコレートと納豆の組み合わせでとてもクリーミーな口当たりです。大阪・関西万博で試食会を行ったところ、納豆がどうしても食べられないという方に、『NATTO CHOCOLATE』はおいしく食べられたと喜んでいただきました」

 開発のきっかけは、熊本地震。「冷蔵保存が必要で食べるのに箸が必要な納豆は、支援品としては受け付けてもらえなかったのです。もっと簡単に食べられて保存ができ、他社にはない商品というコンセプトから生まれました」。この商品を足掛かりに、納豆が広く世界に進出し、人々の生活に根付くことを夢見ていると話す。

スーパーフードの納豆で
作ったヘルシーなお菓子

濃厚なチョコレートと、米国産の大豆を使用したフリーズドライのひきわり納豆を組み合わせたチョコレート。納豆独特の風味を包み込み、サクサク食感がクセになる。味わいはダークと抹茶の2タイプ。

納豆のうまみと栄養を
罪悪感なく味わえるスナック

フリーズドライの丸豆納豆をチョコレートでコーティング。ブルーベリー味と抹茶味の2種展開。その他、フレーバーシーズニングの山わさび味も。

マルキンの顔
元気納豆ラインアップ

納豆のラインアップのうち、6種類にアメリカ大豆を使用。たれのバリエーションで毎日の食卓を楽しく豊かに。

持続可能性が担保されたものを
オリジナル商品の原材料に
「セブンプレミアム 極小粒納豆」

持続可能性が担保されたものをオリジナル商品の原材料に
「セブンプレミアム 極小粒納豆」

セブン&アイホールディングス
グループ商品戦略本部
セブンプレミアム開発戦略部
デイリー食品MD
芳賀 正延
セブン&アイホールディングスグループ商品戦略本部
セブンプレミアム開発戦略部デイリー食品MD
芳賀 正延

 セブン&アイホールディングスは、環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」で、セブンプレミアムを含むオリジナル商品で使う食品原材料を、2030年までに50%、50年までに100%、持続可能性が担保されたものにするという目標を掲げている。その中で、グループにおける調達量の多い大豆が重要原材料の1つに特定され、23年から米国産のSSAP認証大豆の使用を開始した。現在、セブンプレミアムの「TOFU BAR」シリーズ4種と、納豆の2商品「うま味極小粒」「極小粒納豆」に、SSAP認証マークを表示している。「米国産のSSAP認証大豆を使用している最大の理由は、生産者までのトレーサビリティの確認はもとより、環境保全、生物多様性保全、労働者の人権への配慮などの視点から、持続可能性が担保されていることです。それが、商品の付加価値向上と、何よりお客さまに安全・安心をお届けすることにつながると考えています」と語る。

ごはんに絡みやすく
食べやすい納豆

持続可能性が担保された原材料調達を成し得るために選ばれたSSAP認証大豆で、契約栽培された極小粒サイズの米国産大豆を使用。遺伝子組換え混入防止管理済み。こだわりの特製醤油だれとからし付きで、食べやすい小粒が人気の納豆。3個入り。※セブン-イレブン店頭のみの取り扱い。

契約栽培大豆使用
毎日の食卓の一品に

納豆用に契約栽培された粒が小さく食べやすいサイズの大豆でつくった納豆。醤油特有の風味と、すっきりした甘さで素材の旨みを味わえるたれとからし付き。3個入り。

ワンハンドで手軽に
食べられる豆腐

もっちりとした弾力のある食感が特長の「TOFU BAR」。1本で10gの植物性たんぱく質が摂取できる。すぐに手軽に食べられる豆腐として人気。

SSAP認証マークのさらなる普及へ

USSECが描く持続可能な社会とアメリカ大豆の役割

アメリカ大豆輸出協会(USSEC)は、SSAP(アメリカ大豆サステナビリティ認証プロトコル)を推進中。4つのルールに基づきサステナブルに生産された大豆であることを証明している。

日本市場におけるSSAP認証大豆の現在地

日本市場ではSSAP認証基準の整合性が評価され、東京オリンピック2020に続き、2025年の大阪・関西万博の調達基準にも適合が承認されている。

農林水産省の持続可能な原料調達の入門書には、SSAP認証と事例が取り上げられている。

2023年には大手小売で正式採用され、SSAP認証マーク付き商品の拡大を後押ししている。

日本向けの米国産食用大豆はトレーサビリティが確立しており、生産者の顔が見える流通で安心・安全性が高まっている。

立石氏は、「現在、SSAP認証マークは世界20カ国、126企業の1125製品で使用されています。今のところ、日本が製品数で世界をリードしています。これも、SSAP認証について賛同・理解いただいているステークホルダーの皆さまのおかげです。現在、日本向け輸出の約90%以上がSSAP認証大豆です」

2030年の目標

「SSAP認証マークを通じ、米国生産者の取り組みを見える化することが、持続可能な未来の実現につながると考えています。そのためにもSSAP認証マークのさらなる普及を目指しています」と立石氏。

普及のための取り組み

最後に立石氏は、「これからも、サステナブルなアメリカ大豆とその利用を最適化する取り組みに、ご理解・賛同くださる関係者の皆さまと連携して進めていきたいと考えています。一緒に日本の大豆業界を盛り上げ、革新的な日本の大豆製品を世界のあらゆる世代へつなげていきましょう!」と語った。

アメリカ大豆輸出協会(USSEC)
日本副代表
立石 雅子