デジタル化の波は自治体のITシステムに大きな変革を迫っている。多種多様なデータから価値を生み出し、社会課題の解決や市民サービスの向上を目指す。そのためのITの実現が強く求められている。この活動を支える基盤として注目したいのが、アマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)のクラウドサービスだ。国内はもちろん、世界中の政府機関や自治体で活用が進み、官民データ連携による新しい行政サービスも数多く生まれている。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 パブリックセクター 統括本部長 宇佐見 潮氏
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
パブリックセクター 統括本部長
宇佐見 潮
 デジタル化の進展に伴い、自治体ITの役割が変化しつつある。業務の効率化だけでなく、社会課題の解決や住民サービスの向上を図る。そのためのIT活用が求められている。
 政府もこれを後押しする。その象徴が、2016年12月に施行された「官民データ活用推進基本法」 だ。国や自治体が持つ「官」のデータと民間事業者が持つ「民」のデータの連携・活用を推進するのが狙いだ。これにより、データを活用した新ビジネスの創出支援や行政の効率化、医療介護や教育サービスの高度化などを促す。
国内外の公的セキュリティ認証取得安心かつ柔軟な官民データ連携を

 しかし、多くの自治体ITは外部システムとの連携を前提に作られておらず、再構築、刷新すると莫大な手間とコストがかかる。その一方で住民データをはじめミッションクリティカルなデータを数多く扱っている。信頼性やセキュリティを担保しつつ、外部システムと柔軟に連携する。この要件を兼ね備えた基盤として注目されるのが、AWS クラウドである。
 データセンターは堅牢なファシリティで構築され、厳格なセキュリティポリシーのもとで運用されている。AWSはインターネットと分離した仮想プライベートネットワーク環境、専用線接続サービスを提供しており、それらを活用すれば、仮想プライベートネットワーク環境と庁舎内のイントラ環境を、インターネットを介さずAWS クラウドにつなぐことができる。「AWS クラウドを既存のIT環境のリソースの一部として、柔軟かつセキュアに運用できるのです」とアマゾン ウェブ サービス ジャパンの宇佐見 潮氏は主張する。
 国内では東京・大阪に計5つのデータセンター群(アベイラビリティゾーン)を展開。東京をメインサイト、大阪をバックアップサイトとした災害復旧システムも容易に構築できる。「世界標準のセキュリティ機能を実装し、公的機関の認証も数多く取得。内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)のセキュリティ基準にも準拠しています」と宇佐見氏は話す。

AWSが考える官民連携クラウドプラットフォーム
機械学習やIoTなど豊富なツールで簡単にデータから価値を生み出す

 官民データ連携を支援するサービスも豊富だ。「機械学習やIoT、ビッグデータなど125を超える最先端のサービスを自由に利用することができ、各サービスはAPIをベースに簡単に連携することができるため、迅速な官民データ連携基盤の構築を支援します。データを活用し、新たな価値創出を図るための様々なサービスやツール、プラットフォームが充実している点もAWS クラウドの大きな強みです。ある程度の知識がある方なら専門の技術者でなくても対応できます」と宇佐見氏は強調する。
 AWSはCIA(米中央情報局)をはじめ各国の行政分野でクラウド移行の経験を培ってきた。そのノウハウ提供の役割を担っているのがパブリックセクター部門だ。
 また、世界的なパートナープログラム「AWSパートナーネットワーク(APN)」がデータ活用に必要なソリューションの構築も強力に支援する。国内では日本電気やNTTデータといった大手SI事業者から、アイレット、サーバーワークスといったクラウド専門の事業者などがプレミアパートナーとして名を連ねる。パートナーの技術と知見を活かし、課題解決や新たな価値創出に向けたソリューションの構築が可能だ。  

AWS クラウドは重要な都市運営基盤政府機関や自治体の採用が加速

 AWSは2006年のサービス開始以来、高機能かつ安全なクラウドサービスの提供に注力し、市場を牽引してきた。現在は民間企業だけでなく政府、自治体、大学や研究機関、病院、非営利組織などの公共の市場でも導入が進んでおり、全世界190カ国で数百万以上、日本だけでも10万以上(ともにアカウントベース)の民間・公共の顧客に利用されている。
 海外の自治体では、米イリノイ州シカゴ市が、AWS クラウド上でオープンデータを活用したスマートシティ・プロジェクトを推進しており、市内の犯罪記録、水質データ、気象データ、311(行政総合窓口)通話のデータ、免許や許可証関連のデータなど600以上のデータセットを公開している。
 また、市民団体や民間企業がそれらのデータを活用した様々な市民向けサービスを開発しており、オープンソースとして公開している。「市内のどこで、何が起きているかをリアルタイムに把握できるようにし、市民の安全・快適性の向上や都市運営の効率化を目指しています」(宇佐見氏)。
 国内に目を向けると、農業人口の高齢化、担い手の減少、リソース不足により顕在化する生産品の水稲シフト、という地域課題を抱える滋賀県米原市が、地方創生戦略の施策として「強い地域産業づくり」を官民連携により行っている。最新のAI/IoT技術を活用して手間をかけずに楽にトマトを栽培する仕組みであるヤンマー中央研究所の「IoTスマートグリーンハウス」は、地域課題を解決する手段として期待されており、同市をフィールドにして現在社会実験が行われている。ここではセンサーなどを搭載しデータ収集のインフラ基盤として、AWS クラウドが利用されている。
 国内の各自治体では、こうしたスマートシティの推進だけでなく、仮想デスクトップを活用した働き方改革など、行政サービスの効率化・高度化を進めている。官民データ連携を加速し、社会課題の解決や住民サービスの向上を目指す。これは自治体に課せられた重要な使命と言えるだろう。AWSはそのための高機能かつ安全なクラウドサービスの提供を通じ、自治体のIT戦略の高度化を強力に支援していく。

■企業情報
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
http://aws.amazon.com/jp/government-education/
e-mail: aws-jpps-qa@amazon.com