セキュアなファイル共有とコラボレーション
デジタル変革のカギを握る

「Box World Tour Tokyo 2018」Review
デジタル変革の波は、企業に既存ビジネスモデルからの脱却を促している。こうした中、社内外でのセキュアなファイル共有やコラボレーションを支援するクラウド コンテンツ マネジメントのサービスを提供するBox Japanは、過去最大の規模となるプライベートイベント「Box World Tour Tokyo 2018」を開催。Boxの今後の戦略、最新事例やパートナーエコシステムの紹介を通じて、企業が目指すべきデジタル変革の道筋を提示した。ここでは、Box, Inc. CEO、共同創業者兼会長のアーロン レヴィ氏とBox Japan代表取締役社長の古市 克典氏による講演の模様をレポートする。

創造的破壊者がビジネスの前提条件を変えた

Box, Inc. CEO 共同創業者兼会長 共同創業者兼会長 アーロン レヴィ氏
Box, Inc.
CEO 共同創業者兼会長
アーロン レヴィ
 デジタル技術が急速に社会に普及した現在は、ビジネスを取り巻くIT環境も大きく変化している。モバイルやクラウドといった技術の登場以降、生活や経済のネットワーク化が進み、人々はあらゆる情報を共有して物事を判断したり、互いに協力しながら仕事を進めたりするようになっているからだ。

 この状況においては、データやコンテンツの最適な管理方法も変わる。Box, Inc.が創業したのは2005年だが、その時点で、既に現在のような状況を見据えていたという。

 「配車サービスのアプリを提供するUber、民泊サービスのAirbnbを例に挙げるまでもなく、クラウドやAIなどのデジタル技術を駆使し、既存ビジネスを凌駕する例は無数に登場しています。こうした“創造的破壊”がますます当たり前のものになる中、デジタル化は、もはやビジネスの前提条件となるでしょう。Boxは、これまで10年以上の取り組みのノウハウをソリューションに注ぎ込むことで、お客様企業の取り組みを支援します」と同社CEOのアーロン レヴィ氏は語る。

デジタル変革の6つのポイントを支援するBox

 ビジネスをデジタル化するには、業務環境やビジネスプロセス、企業文化、組織などを改革する必要がある。「既存のビジネスモデルにソフトウエアを追加するといったレベルではなく、作業環境やビジネスプロセスを抜本的に見直し、デジタル技術を前提として“再創造”する。これをやって初めて、デジタル化は実現できるのです」(アーロン氏)。

 では、そのために企業はどんな視点で取り組むべきなのか。同社によると、ポイントは次の6つだという。

(1)どこにいても迅速・リアルタイムに働ける環境を用意する
(2)柔軟なコラボレーションにより企業の枠にとらわれない組織へ変貌する
(3)データに基づく意思決定の実現
(4)AIで自動化されたワークフローの実現
(5)小規模チームによる高速で反復可能なイノベーションの実現
(6)情報を扱うプロセス全体で適切なセキュリティを実現する

 クラウド・コンテンツ・マネジメント・プラットフォーム「Box」は、これら6つを実現する機能を備えることで、企業のデジタル変革を支援する。

 例えば、文書や動画、音声ファイルなど、あらゆるコンテンツをクラウド上で一括管理可能。「クラウド コンテンツ マネジメント プラットフォーム」として機能することで、いつ・どこにいても、どんなデバイスでも情報が確認できるようにする。チーム単位の共同作業を促進し、イノベーションを生みやすい体制を確立できるほか、社外のパートナーなどを含め、企業の枠を超えたコラボレーションと情報共有の基盤にもなるだろう。

 さらに、APIを介してこれまで利用してきたアプリケーションや外部サービスとも柔軟に連携。AIをはじめ、既にグローバルで1100以上のアプリと連携したエコシステムが形成されているといい、必要な機能を迅速に取り入れながら最適な業務環境を構築することも可能だ。

 「Boxによって実現できる新しい働き方が『Future of Work』です。これを実現し、これまでにないビジネス価値を創出するために、お客様やパートナー各社と共にデジタル変革を加速することが、Boxの創業以来のミッションです。実際、既に世界8万5000以上の企業や組織、フォーチュン500企業の65%以上がBoxを活用(※)し、多くの成果を上げています。これからも、素晴らしい旅を皆さまと共に歩んでいければ、我々にとってこんな嬉しいことはありません」とアーロン氏は語った。

※ Box調べ

IT部門が考えるべきは、“守り”から“攻め”への転換

株式会社Box Japan 代表取締役社長 共同創業者兼会長 古市 克典氏
株式会社Box Japan
代表取締役社長
古市 克典
 続いて登壇したのは、Box Japan社長の古市 克典氏だ。古市氏は、日本企業のデジタルトランスフォーメーションに向けてIT部門がすべきことについて語った。

 「実業のデジタル変革を進めるには、まずIT部門が変わらなければいけません。業務効率化、コスト削減といった“守り”のIT活用から、ビジネス進化に向けた“攻め”のIT活用へシフトするのです」と古市氏は言う。

 Boxが提供するコンテンツマネジメント環境は、そのための取り組みもサポートする。具体的には、このプラットフォーム上にIoTのセンサーデータなどを集約し、AIで分析。機器のメンテナンス時期を自動的に判断するなど、デジタルデータと現場の業務を融合した、攻めのIT活用を容易に実現できるようにする。

 「見据えるべきゴールは、デジタル変革を新たなビジネス価値や実利につなげることです。IT部門はそのためのデジタル活用の推進役となるべき。Boxを活用することで、全社のデジタル変革の第一歩を、容易に踏み出すことができるようになります」と古市氏は強調する。

デジタル変革の足かせになるセキュリティリスクを排除

 一方、こうしたコンテンツのデジタル化の過程では、注意すべき問題もある。それが情報セキュリティだ。

 社内外でのデータ共有が広く一般化することは、同時に、あらゆるコンテンツが不正アクセスやサイバー攻撃の対象になり得ることを意味する。これは現在、多くの企業が頭を悩ませる問題だ。「その点、Boxは高度な情報保護機能も強みとしており、ここに一元的にコンテンツを集約することで、企業の情報セキュリティレベルを大きく引き上げることが可能です」と古市氏は説明する。

 例えば、公開サーバーへの攻撃には、コンテンツの暗号化、ファイルごとの多段階のアクセス制御などで対応する。また、いつ・誰が・どのコンテンツにアクセスしたのかをモニタリングすることもできるため、有事の対応迅速化や、内部の不正行為の抑止につなげることもできる。

 さらに、データを使用不能にし、金銭を要求するランサムウエアに対しても、過去世代のデータを復旧することで対処できる。「容量無制限の強みを生かし、全世代の履歴を保管しています。そのため、万一データを暗号化されても、すぐに前のデータを呼び出して作業を継続することが可能。処置の間、業務を止める必要はありません」(古市氏)。

 加えて、Box上でコンテンツを共有・交換する方式に移行し、メールによるファイルのやりとりを廃止することは、標的型メール攻撃のリスク低減にもつながるだろう。こうした高いセキュリティ機能を評価し、米国の政府機関や国内の医療機関なども機密性の高い情報の管理にBoxを採用しているという。

 「セキュリティリスクは、攻めのIT活用を推進する際の大きな障壁となります。それを排除できるBoxは、企業のデジタル変革を担うIT部門にとって、非常に有効なツールになるはずです」と古市氏は述べ、講演を締めくくった。


多彩な講師とエコシステムで
デジタル変革の実例
を多数紹介
 ほかにも、Box World Tour Tokyo 2018では、デジタル変革を推進する企業3社のキーパーソンによるパネルディスカッションや、導入事例の紹介、パートナー企業のソリューション紹介などの多彩なセッションが繰り広げられた。

 また、イベント最後の特別講演では、「AIで変わる?変わらない?私たちの未来」と題してアーティストのスプツニ子!氏が登壇した。

 スプツニ子!氏は、東京大学生産技術研究所特任准教授も務める現代美術家。講演では、問題を提起し、考えさせることを目的とする「スペキュラティブ・デザイン」のアプローチを紹介した上で、AIが秘めた可能性について言及した。そこでは、未来にはまだ懸念もあるが、それを上回るほどの多様な可能性がある。我々は、AIの活用方を真剣に考え、議論していくことが、より良い未来をつくる上で不可欠だと指摘。また同時に、そのほかのテクノロジーから生まれたサービスやアプリが未来の人にどんな影響を与えるかについても、様々な立場の人がそれぞれ考え続けることで、未来は一層素晴らしいものになると論じた。

 満員の会場では、時折メモをとりながら聴講する人も多く見られた。様々な最新情報に触れた来場者は、自社のデジタル変革に生かせる多くの気付きを得たことだろう。
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