DAIKENとつくる公共・商業施設 保育園おもいやりキッズドア(園児の安全に配慮した木製建具)

ピノキオ幼児舎 和田保育園(東京都杉並区)

ピノーコーポレーションが運営する認可保育園「ピノキオ幼児舎和田保育園」が今年4月、東京・杉並区に開園した。設計を担当したのはセット設計事務所。同園が採用した大建工業の「おもいやりキッズドア」は、子供の安全を最優先に考えた仕様が特徴だ。ドアの向こうの園児たちを、丸窓の高中低の三つの目線で見守り、ドア開閉時の出会い頭の衝突も防ぐ。
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●杉並区認可保育園 「ピノキオ幼児舎和田保育園」
所在地:東京都杉並区和田/敷地面積:約470㎡/延べ床面積:約505㎡/構造・階数:軽量鉄骨造・地上2階建/定員数:80名/建築主・運営者:ピノーコーポレーション/設計者:セット設計事務所/施工者:コスモスモア

 「保育園は、子供が日常生活を送る場所であり、安心・安全が最優先されます。加えて、限られた建物のボリューム内で、怪我の不安をなくし、安全に、楽しく遊ぶ仕掛けをデザインとしてどう組み込むか。同時に、日々、園児を見守る保育士の負担を、設計力でどう軽減できるかも課題でした」。

 東京・杉並区の中学校敷地内に新築された認可保育園・ピノキオ幼児舎和田保育園。セット設計事務所 石丸常務のもと、設計担当の沢目幸嶺氏は、計画にあたり、子供の安全性の確保に心を砕いたという。

求められたのは安全への細心の配慮

株式会社セット設計事務所 建築設計部  係長 沢目 幸嶺 氏

 ピノキオ幼児舎和田保育園のインテリア計画は「樹々の中で子供を遊ばせる」コンセプトで、設計が進められた。2階建の園舎は、1階が木の幹、2階は枝葉をイメージして設計。必然的に、内装や建具には木の質感が重視される。安心・安全の機能を満たし、木のテクスチュアが美しい建具を探し求める中で、沢目氏は「おもいやりキッズドア」に出合う。

 「保育施設の内装計画では、保育士の大人の目線と、子供の目線に配慮した設計が求められます。建具は、扉の裏に子供がいることがわからず、開閉時に衝突するケースもあり、施主は、そうした怪我や事故をどう防ぐかを重視していました」(沢目氏)。

 「おもいやりキッズドア」は、指はさみ対策、子供の手が届かない鍵位置、安全性を重視した開閉の仕組みはもちろん、子供に対する細かな配慮があり、木の質感にも優れ、設計要件に適う製品だった。中でも沢目氏が注目したのは、子供の足元の安全性だ。

 「以前、保育士から、子供の足が建具に挟まる事例は見過ごされがちだと指摘され、その対策を常に気にかけていました。『おもいやりキッズドア』は、床と扉の隙間が約4㎜(一般的な子供の足指の高さは10~14㎜)であるため、扉の振れを抑え、足の指はさみを防ぐことができます。こうしたきめ細かな製品設計も、今回の採用の決め手になりました」。

扉の丸窓のデザインは意匠・機能の両方に貢献

 大建工業は、東京・秋葉原に、技術・素材・製品展示、試作品シミュレーション機能を備えた「DAIKEN秋葉原テクニカルスペース」を運営している。設計チームの谷井義明氏は、建材の性能確認のため同施設を訪れた際、「おもいやりキッズドア」を前にして、特徴的な開口デザインに目が止まったという。

株式会社セット設計事務所 建築設計部  建築設計室 谷井 義明 氏

 「縦に連なる丸窓の意匠がユニークで、保育施設に求められる、楽しく優しいデザインとも親和性が高い意匠だと思いました。3つの丸窓は、大人、5歳、0歳児、立っている人、座っている人、多様な目線の高さで、扉の先を見通すことができる。安全面でも優れたデザインです」。

 丸窓は、上端約1830㎜、約1170㎜、約510㎜に設けられ、それぞれの開口を通した視認で、目線の差で起こる不意の衝突を防ぐことができる。 

 「園児が丸窓を覗いて遊んでいるのを見て、子供目線の見通しが利いていることと、丸窓の意匠は遊び心を誘発していることに改めて気づきました」。このほか、防煙区画対応として、扉の不燃仕上げに対応している点も、採用のポイントになったと谷井氏はいう。

天井材の吸音性能などデータが豊富なカタログ

 園外への音対策も、施主から伝えられた重要な要件の1つだ。「子供の元気な声は、近隣からのクレームの原因にもなり、一方でスタッフの見えない負担にもなります。部屋の配置計画や開口部・内装部性能を上げることで、近隣への音配慮を行い、同時に、室内の音圧を下げて、外に漏れてしまう音を減らす設計も求められました」(沢目氏)。

 今回は室内の天井に、大きな音や残響を抑えるため、吸音機能に優れた天井材「ダイロートン」を採用した。

 「大建工業の『幼稚園・保育園・認定こども園用製品カタログ』※1には、吸音性能など各種詳細データも豊富で、設計資料としても有用でした。また、求めていた『保育施設向け製品』がまとまっていたのもポイント。デザインや機能もわかりやすく、施主との打ち合わせでも活用しました」と沢目氏。

 「おもいやりキッズドア」の指はさみ対策を施主に説明する際は、カタログのほか、大建工業から提供された原寸の戸先のカットサンプルを使い、実際の体験とともに提案を行なった。

 防煙区画への対策、カタログ・サンプル提供など、大建工業の対応力への沢目氏の評価は高い。「製品設計のきめ細かさ、品質、高い機能性、対応力など、大建工業への信頼感は高い。次の保育施設を設計する際にも、同社の製品を活用したいと考えています」と締めくくった。

安全性と機能性を徹底追及。デザインバリエーションも豊富な「おもいやりキッズドア」
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