ITインフラ再考企画 クラウドでも従来型オンプレミスでもない「ビジネスファースト」な選択肢とは

第1回 Recognized Need/市場ニーズをとらえる 小さな兆しに垣間見る大きな可能性 デジタルトランスフォーメーションの新しいインフラ第2回 Search For Solutions/最適なソリューション像 オンプレミスなのに従量課金で利用 安全性の懸念なく、投資リスクを抑止第3回 Solution commentary/ソリューション解説 クラウドとはどこが違うのか ユーザーがHPE GreenLakeを選ぶ理由第4回 Case Study 1/導入事例 チャレンジの新しい活力 激しい変化と競争に立ち向かう第5回 Case Study 2/導入事例 独自要件も調達・利用効率も重視 サービスだからできる柔軟な活用法

第2回 Search For Solutions/最適なソリューション像 オンプレミスなのに従量課金で利用 安全性の懸念なく、投資リスクを抑止

企業のITインフラの持ち方に新しい選択肢を提供するHPEの「HPE GreenLake」。オンプレミスに設置したインフラを従量課金で利用できるという選択は、企業の課題をどう解決し、どのようなメリットをもたらすのか。独立系ITコンサルティング・調査企業であるITRの金谷 敏尊氏と日本ヒューレット・パッカードの酒井 睦氏に話を聞いた。

新技術の活用と同時に関心の高いITインフラの「持ち方」

株式会社アイ・ティ・アール 取締役/リサーチ統括ディレクター/プリンシパル・アナリスト 金谷 敏尊氏
株式会社アイ・ティ・アール 取締役/リサーチ統括ディレクター/プリンシパル・アナリスト 金谷 敏尊氏

ITRは、様々な調査をしていますが、現在の国内企業のIT投資動向についてどう見ていますか。

金谷国内のIT投資は堅調で、引き続き成長基調にあると見ています。けん引しているテクノロジー領域は「IoT(Internet of Things)」「RPA(Robotic Process Automation)」「AI(人工知能)」です。

そして、これらのテクノロジーに続いて、企業が重視しているのが「as a Service」です。いわゆるSaaS、IaaS、PaaSなどですが、企業はいずれも高い投資意欲を示しており、投資の際の選択肢がサービス指向であること、クラウドファーストであることを裏付けています。

酒井加えてHPEとITRが共同で行った調査によれば、今後の「全社IT基盤としてのクラウド・アーキテクチャ」は、複数のクラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッドクラウドになるとの回答が約半数を占めています(図)。

図 全社IT基盤としてのクラウド・アーキテクチャ(5年後)

図 全社IT基盤としてのクラウド・アーキテクチャ(5年後)

ユーザー企業に5年後のITインフラの姿をアンケートした結果。クラウドとオンプレミスの併用型ハイブリッドクラウドと連携型ハイブリッドクラウドを合わせると47%に達する
出典:ITR「ハイブリッドクラウド調査」(2017年7月)(N=496)


IoTやRPA、AIなどのデジタル技術を活用していくには、柔軟性や俊敏性に優れたITインフラが必要。企業がそう考えているのですね。

酒井クラウドを使いたいというよりは、様々な選択肢があるなかでITインフラをどう持つべきかに関心があると考えるべきでしょう。

金谷酒井さんのおっしゃるように、ITインフラをどう最適化するかは企業の大きな課題です。クラウドはかなり普及しましたが、まだセキュリティの懸念を感じている企業も多い。また、既存の業務プロセスを変える必要がなく、そのまま使い続けたいシステムなどを、あえてマイグレーションしてクラウドに持っていく必要はありません。ですから、自社のビジネスやIT環境を考慮しながら、最適なインフラを構築したいと考えているのであって、必ずしも「クラウドが欲しい」と考えているわけではありません。クラウドは、あくまでも1つの選択肢なのです。


クラウドとオンプレミスの「いいところどり」を提案

では、ITインフラは、柔軟性や俊敏性を重視するシステムはクラウドを活用、セキュリティやオンプレミスで運用したいシステムは、従来のようにサーバーを調達して自社の資産として運用する。この組み合わせが中心ということでしょうか。

日本ヒューレット・パッカード株式会社 Pointnext事業統括 ソリューションビジネス開発本部長 酒井 睦氏
日本ヒューレット・パッカード株式会社 Pointnext事業統括 ソリューションビジネス開発本部長 酒井 睦氏

金谷現実的な選択肢はそうなります。ただし、ベターであって、ベストとは考えていないのではないでしょうか。「クラウドが欲しい」わけではないように、別に「サーバーが欲しい」と考えているわけでもありません。オンプレミスのインフラもクラウドのような高い柔軟性や俊敏性を備えていれば言うことはないですし、クラウドのようにオフバランスできるのであれば、そうするでしょう。

酒井企業がクラウドを選択する主な理由は、コスト削減や柔軟性などです。一方、オンプレミスを選択するのは、データやシステムを自社サイトに設置できる安心感、運用・保守サービスの選択肢が多い、サーバーやストレージ、ネットワーク機器などを自由に選択できるといった理由です。

ただし、どちらにも懸念があります。まず、オンプレミスには何年かの使用期間とビジネスの成長を見込んだ初期投資が必要です。新規ビジネスのためにITインフラを構築したものの、ビジネスがうまくいかず、投資がムダになることも考えられるからです。一方、クラウドは大きな初期投資を回避できますが、セキュリティやネットワーク遅延など様々な検討を必要とします。

金谷そうした観点で、私はHPEの新しい提案に非常に注目しています。

酒井ありがとうございます。このようなお客様の課題を解決することは、当社としても大きなテーマでした。そこで、新たに提案を開始しているのが「Everything as a Service」をコンセプトとする「HPE GreenLake」というサービスです。

最大のポイントは、オンプレミスに設置したITインフラを、クラウドのようにオンデマンドに従量課金で利用できるということ。当社がお客様のオンプレミス環境に、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器などを設置して、お客様の要件に合わせたインフラを構築します。システムの利用開始後は、最低利用部分と従量課金部分で設定されたサービス利用料のうち、従量課金分は使った分だけ月額で費用をお支払いいただきます。また、あらかじめシステムの特性や利用状況に合わせて予備バッファーリソースも現地に設置しますので、急な拡張要請があっても対応可能です。

金谷それなら投資リスクやセキュリティ上の懸念をクリアできますね。オンプレミスで運用したいから、クラウドのような柔軟性や俊敏性はあきらめようと考えていた企業にとって、クラウドとオンプレミスの「いいところどり」となる提案です。利用しない手はないでしょう。


既存のハードウエアを買い取ってサービス化するプランも提供

HPE GreenLakeは、どのような企業が利用しているのでしょうか。

酒井日本に先駆けて提供を開始した海外では、かなり多くのお客様が利用していますが、業種や規模などに偏りはありません。日本での事例を見てもそうですね。広く、多くのお客様にメリットのあるサービスなのだと、改めて感じています。

金谷あえて挙げれば、データの取り扱いに厳しい制限のある金融や医薬品などの業界では、自社サイトにデータやシステムを配置してコントロールするニーズは根強く、HPE GreenLakeはそうした要求にもフィットしそうですね。

酒井HPE GreenLakeでご提供するITリソースのサービス化提供について、別の観点でもご要望にもお応えできます。当社はこれまで自社製品だけでなく、他社の製品の運用保守を行うマルチベンダーサポートを提供してきました。このノウハウを生かし、HPE GreenLakeもマルチベンダーの製品に対応します。

具体的には、どのように対応するのでしょうか。

酒井お客様の環境に既存システムで使用している他社製サーバーなどがあったとします。その場合は、当社が古い他社製ハードウエアを簿価で買い取り、当社のマルチベンダーサービスと組み合わせて、そのまま月額のサービス利用としてお使いいただきます。

金谷他社の製品を買い取るとは、思い切った提案ですね。

酒井お客様の課題を解決するには、そうすべきだし、HPEならそれができる。当社ならではの強みだと自負しています。その後、継続的に利用するなかで、ハードウエアやインフラの刷新が必要になった場合、当社にお任せいただければ、その時点の最新技術を取り入れたインフラに新たに構築し直して、改めてサービス利用を継続することもできます。

金谷保守切れシステムの更改は、ビジネス的な観点から見れば、ただ継続するためだけに必要で、リターンを生まないコスト。それが不要になるのは大きいですね。

今後の展開はどのようにお考えですか。

酒井少しサービスの体系を説明させていただくと、これまでお話ししたITインフラのサービス化は「HPE GreenLakeフレックスキャパシティ」というサービスに相当します。HPE GreenLakeのコンセプトはEverything as a Serviceですから、インフラだけでなく、より上位のレイヤーのサービス化も進めます。具体的には「HPE GreenLakeソリューション」というサービスの拡充を進めており、「バックアップ」「ビッグデータ分析」など、汎用的な用途にHPE GreenLakeを利用いただく際には、当社があらかじめ技術や構成などを検証した組み合わせをベースに従量課金制のインフラを構築します。これにより、さらにスピーディーなサービスを利用開始できるようになります。お客様のニーズに合わせて、より積極的に2つのサービスを提案していきたいと考えています。

金谷ハードウエア機器をサービスで利用できることを知らない人もいると思いますが、クラウドと同様に評価・検討すべきサービスとみてよいでしょう。多くの企業がチャレンジしているビジネス革新にITが不可欠なのは自明のこと。同時に既存ビジネスを安定的に遂行していくためにもITは欠かせません。長年、良質なハードウエアを提供し続けてきたHPEからの新提案であるHPE GreenLakeが、今後、ユーザー企業のビジネスにどのように貢献していくのか、引き続き注目していきます。


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