インテル<sup>®</sup> Optane™ DC SSDの実力を日立製作所が徹底検証! DRAMの置き換えにより、従来型NVMe™ SSD比で2~3倍のスループットを達成 システムコストも約半分に

データが爆発的に増加し続けている今日、データをいかに高速に効率的に処理するかは、ビジネスの成果に直結していく。一方で、それを実現するための高価なメモリーやストレージへの継続的な投資は企業にとって大きな負担となっている。このような状況の中、インテルが発表した「インテル® Optane™ テクノロジー」は、どのような特性を持ち、企業にどのようなメリットをもたらすのか――。日立製作所では、ノンストップデータベース「HiRDB」を用いて、インテル® Optane™ DC SSDを検証した。

 

 

高速かつ安定した性能をストレージ階層に提供

 デバイスの増加とともに世界中で膨大なデータ量が生まれ、しかもリアルタイム処理の要求が高まっている。

 

 「メモリーとストレージ市場が急速に成長する中で、インテルは戦略的にメモリー事業へ投資をしています。インテルのユニークかつ革新的な技術は、お客様に大きなベネフィットを提供します」と語るのは、インテルにおいて不揮発性メモリーソリューション・グループを統括する担当副社長 兼 ストラテジック・プランニング、マーケティング、ビジネス・デベロップメント担当ディレクターのビル・レジンスキー氏だ。インテルの提供する革新的な技術、その1つがインテル® Optane™ テクノロジーである。

 

インテル・コーポレーション  不揮発性メモリーソリューション・グループ担当副社長 兼 ストラテジック・プランニング、マーケティング、ビジネス・デベロップメント担当ディレクター  ビル・レジンスキー 氏インテル・コーポレーション
不揮発性メモリーソリューション・グループ担当副社長 兼 ストラテジック・プランニング、マーケティング、ビジネス・デベロップメント担当ディレクター
ビル・レジンスキー

 

 インテル® Optane™ テクノロジーは、ストレージおよびメモリー用途向けに3D XPoint™ テクノロジーをベースに開発された新しい不揮発性メモリー技術だ。3D XPoint™ メモリーメディアに、インテル メモリー・ストレージ コントローラーとインターコネクトIP、ソフトウエアの要素を組み合わせたソリューションをインテル® Optane™ テクノロジーと呼ぶ。「インテル® Optane™ テクノロジーは、ストレージ階層で他に類を見ない高性能を実現します。3D XPoint™ テクノロジーは25年もの時間を費やして開発され、インテルが最初に市場に投入した新たな不揮発性メモリー技術です」とレジンスキー氏は語る。

 

図1 インテル<sup>®</sup> Optane™ DC SSD

 

 インテル株式会社 技術本部 フィールド・アプリケーション・エンジニアの樋口 裕磨氏は、「インテル® Optane™ テクノロジーを搭載したSSD(インテル® Optane™ DC SSD)は、NAND型のフラッシュメモリーよりも圧倒的に高速で、しかも不揮発性ですのでDRAMと異なり電源を落としてもデータは消えません。低レイテンシー(低遅延)かつ安定したIO性能、高速な書き換え処理、最適なコストがインテル® Optane™ テクノロジーの特長です」と話す。

 

インテル株式会社 技術本部 フィールド・アプリケーション・エンジニア 樋口 裕磨 氏インテル株式会社
技術本部
フィールド・アプリケーション・エンジニア
樋口 裕磨

 

 インテルでの検証によれば、インテル® Optane™ DC SSDのIOPS性能は、同社の従来SSD製品と比較して数倍。とくにQueue Depth(どれくらいのデータをまとめて処理するか)が浅い時にはその差が顕著だという。「Low Queue Depthで差が大きく約5~8倍のIOPS性能差が出ています。NAND型SSDはQueue Depthを深くしないと性能が上がらないのですが、インテル® Optane™ DC SSDはそれよりも浅いQueue Depthのところでも大きく性能が向上しています。つまり、より実利用に近い領域で高い性能が出せることが特長です」と樋口氏は解説する。

 

 QoSについても同様で、大量のリードキューに対するレスポンスが99%に達する時間を比較すると、従来のNAND型SSD製品ではレスポンスにばらつきがあるのに比べ、インテル® Optane™ DC SSDは⼀貫して高速なレスポンスで応答している。樋口氏は、「とくにランダムライトをしながらリードを行うと、従来型NVMe™ SSD製品ではレスポンス時間に大きなばらつきが出るのですが、インテル® Optane™ DC SSDは一貫して低レイテンシーを維持します」と補足する。

 

 その他の検証でも従来型NVMe™ SSD製品と比較してインテル® Optane™ DC SSDは大きな優位性を獲得している。「従来のNAND型SSD製品に比べて数倍から数十倍の耐久性があることが分かっています。また、コストパフォーマンスの面でも、価格の高いDRAMをインテル® Optane™ DC SSDに置き換えることで大きなメリットを得られます」と樋口氏は語る。

 

 

DRAMをインテル® Optane™ DC SSDに置き換えることは可能か?

 日立製作所では今回、同社のノンストップデータベース「HiRDB」を用いて、インテル® Optane™ DC SSDの検証を実施した。その目的について、日立製作所 ITプロダクツ統括本部 成長戦略推進室 チーフテクノロジーアドバイザーの秋元 一泰氏は、「インテル® Optane™ DC SSDの登場により、データベースの構成やデバイスの使い方が変わっていくと感じました。そこで実際にアプリケーションを利用して、実利用に近い環境ではどうなのかを検証しました」と語る。

 

株式会社日立製作所 ITプロダクツ統括本部 成長戦略推進室 チーフテクノロジーアドバイザー 秋元 一泰 氏株式会社日立製作所 ITプロダクツ統括本部
成長戦略推進室
チーフテクノロジーアドバイザー
秋元 一泰

 

 日立製作所のHiRDBは、「止めない」設計思想に基づいたRDBMSだ。日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部IoT・クラウドサービス事業部 データマネジメント本部 DB部 主任技師の千田 理路氏は、「ミッションクリティカルなシステムを中心に多くのお客様にご利用いただいており、出荷本数は10万本を超えています。万一の障害発生時にも数秒オーダーで待機系サーバーに切り替えを行う高速フェールオーバー機能が大きな特徴です」と説明する。

 

 高い信頼性、ノンストップであることに加え、純国産のデータベースであることもHiRDBの特徴だと千田氏は付け加える。「多くの導入企業から国産データベースベンダーならではの親身なサポートも評価されています」(千田氏)

 

株式会社日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部 IoT・クラウドサービス事業部 データマネジメント本部 DB部 主任技師 千田 理路 氏株式会社日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部
IoT・クラウドサービス事業部
データマネジメント本部
DB部
主任技師
千田 理路

 

 

従来型NVMe™ SSD比で2~3倍、オンメモリー時の7割以上のスループットを達成

 インテル® Optane™ DC SSDを搭載した2台の「日立アドバンストサーバ HA8000V/DL360 Gen10」にてHiRDBを動作させ、検証評価を実施した。HiRDBのデータ(索引と表)をSSDに格納するが、1台のサーバーにはインテル® Optane™ DC SSD、もう1台には従来型のNVMe™ SSDを搭載している。索引はDBバッファであるメモリーに常駐させ、表データに割り当てるDBバッファサイズを変更することによりバッファヒット率を1~100%に変化させて、スループットを測定している。(評価環境図参照)

 

図2 評価環境

 

 更新トランザクション評価グラフは、同じ構造を持つ10表に対して、20多重の性能テストアプリケーションで更新トランザクションを連続実行した評価結果だ。バッファヒット率1%時のスループットは従来型NVMe™ SSD比で約2.4倍という結果が出ている。

 

図3 更新トランザクション評価

 

 「インテル® Optane™ DC SSDは非常に高速であるという結果が出ました。バッファヒット率が小さい時でもインテル® Optane™ DC SSDは高いスループットを記録しています。すべての表データがDBバッファに常駐しているオンメモリー時と比べても96%という結果です。同様に検索時のトランザクションでもバッファヒット率1%時のスループットで1.75倍、オンメモリー比79%という結果でした」と千田氏は説明する。従来型NVMe™ SSD比で2~3倍、オンメモリー時の7割以上のスループットを達成したという結果だ。

 

 こうした結果が出たことについて、千田氏は、インテル® Optane™ DC SSDの優れたリード性能が大きな要因と話す。「更新処理でも検索処理でもデータをリードする時間が必要ですが、このリード処理がインテル® Optane™ DC SSDは圧倒的に高速です。しかも20多重で実行して負荷をかけても処理時間にばらつきが少なく、とても安定しています。これはデータベースを利用する上で大きなメリットと言えます」と千田氏。

 

 日立製作所では同様に、ログ格納デバイスへのインテル® Optane™ DC SSD適用検証や、NVMe™ over Fabricsによる冗長化構成の検証も進めている。

 

 「NVMe™ over Fabricsを利用した冗長化構成の検証では、シングル構成の7割以上のスループットを記録しています。オンメモリーの置き換えだけでなく、冗長化構成への適用も現実的に可能、つまり高信頼性が求められるシステムにもインテル® Optane™ DC SSDが適用可能ということです」と秋元氏は解説する。

 

 

オンメモリー構成と比較して、ハードウエアの価格も「約半分程度」に

 データベースをチューニングするにあたっては、バッファにデータを乗せるために大量のメモリーを搭載しつつ、高価なメモリーを効果的に利用できるように、IOの削減やバッファ設計、再編成などの運用設計を実施するのが従来の手法だ。しかし、ハードウエアのコストが高くなるし、設計・チューニングのコストも必要だ。

 

 今回の検証から、インテル® Optane™ DC SSDを適用することで、少ないメモリーでバッファヒット率が低くても高スループットが実現できることが実証された。したがって、索引はメモリー、データはインテル® Optane™ DC SSDというシンプルな設計でも十分な性能を得られるため、ハードウエアおよびチューニングのコストを大幅に軽減できることになる。

 

 日立製作所で試算を行ったところ、1.5TBのメモリーにデータと索引を100%乗せるオンメモリー構成と比較して、インテル® Optane™ DC SSDを利用すれば、ハードウエアの価格は「約半分程度」(千田氏)で収まるという結果になった。

 

 性能、そしてコスト面の検証結果から導き出した結論について千田氏は、「オンメモリーに対してインテル® Optane™ DC SSDへの置き換えは十分に可能」と語る。

 

 その他にもインテル® Optane™ DC SSDを適用することによる効果が想定できると秋元氏は補足する。「インテル® Optane™ DC SSDは電源が切れてもデータが消えません。つまりリカバリーの際や、業務を開始する際にメモリーへデータをロードする時間も短縮できるということです」と秋元氏は言う。

 

 

エコシステムを拡大し、さらなる新しい価値を提供していく

 日立製作所では、これまでの検証結果を活かし「日立アドバンストサーバ HA8000Vシリーズ」とインテル® Optane™ DC SSDを組み合わせたHiRDBのソリューションを今年後半に提供する予定だ。このソリューションでは、HiRDBの高速化はもちろん、設計・導入・運用コストの低減を実現することを計画している。

 

 さらに、インテルが2018年5月に正式発表した「インテル® Optane™ DC パーシステント・メモリー」についても検証を行うと秋元氏は言う。「インテル® Optane™ DC パーシステント・メモリーはインテル® Optane™ DC SSDよりもさらに高速で、アプリケーションから見た時にデバイスの選択肢が増えます。どう使いこなし、トータルのアプリケーション性能を上げ、どのくらいコストが下がるかを検証していくつもりです」と秋元氏。インテル® Optane™ DC パーシステント・メモリーの検証は、日立製作所のインメモリーデータグリッド「Hitachi Elastic Application Data Store」で実施する予定だ。

 

 樋口氏は、「ユーザー様、ソフトウエアやアプリケーションベンダー、ハードウエアベンダーと、インテル® Optane™ テクノロジーを取り巻くエコシステムはますます拡大しており、これからもさらに拡げていきたいと考えています。日立製作所をはじめとするパートナーとともに、以前は不可能だった新しい価値を提供できるよう、協力し続けていきたいと考えています」と今後の展望を語った。

 

 日立製作所の検証を受け、レジンスキー氏は最後に次のように語った。

 

 「検証は大変すばらしい結果になりました。インテル® Optane™ テクノロジーはHiRDBのユーザーへより良い顧客体験を提供します。新しい価値を提供し、性能を大幅に向上させ、ユーザーのTCOを削減することができます。革新的な製品とソリューションを開発してきた長い歴史を持つ日立製作所とのさらなる協業を期待しています」と語った。

※3D XPoint™ テクノロジー:インテルとMicronが共同開発した不揮発性メモリー技術。NAND型メモリーよりも高速で耐久性が高く、高密度のセルを実装できる。

※NVMe over Fabrics:SSDストレージの接続プロトコル。ネットワーク経由でNVMeデバイスを接続可能。高速なリモートアクセスを実現する。

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■関連URL

ノンストップデータベース HiRDB ▶ http://www.hitachi.co.jp/hirdb/

日立アドバンストサーバHA8000Vシリーズ ▶ http://www.hitachi.co.jp/ha8000v/

Hitachi Elastic Application Data Store ▶ http://www.hitachi.co.jp/cosminexus/uceads/